老人ホーム(ろうじんホーム)とは一定の高齢者が入所する施設に付けられた呼称。

歴史編集

かつては養老院ようろういんと呼ばれていた。

日本で最初の養老院はイギリス人エリザベス・ソーントンが1895年明治28年)に女性老人のみを対象として東京市芝区に設立した聖ヒルダ養老院である[1]。その後、民間・宗教施設に留まっていた養老院が初めて国の制度上に位置付けられたのは、1932年昭和7年)に施行された救護法であり、戦後の1950年(昭和25年)に旧法に代わって制定された生活保護法により、養老院という呼び名が養老施設に変更され、さらに1963年(昭和38年)に制定された老人福祉法によって老人ホームに改称及び体系化が行われ現在に至る[2]

日本ではかつて老人ホームは行政の「措置」による入所が専らであったが、介護保険法成立以降は利用者本人や家族の「契約」による入所が基本となった。

種類編集

特別養護老人ホーム
政令で定める要介護高齢者のための生活施設(老人福祉法第20条の5)[3]
養護老人ホーム
環境的、経済的に困窮した高齢者の施設を養護するとともに、その者が自立した生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設(老人福祉法第20条の4)[3]
軽費老人ホーム
無料又は低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設(老人福祉法第20条の6、社会福祉法第65条)[3]
東京都を中心に「都市型軽費老人ホーム」といった新しい施設の開設も進んでいる。地価が高い都市でも低額で入居できるように、一般的な軽費老人ホームよりも基準が緩和されている。[4]
有料老人ホーム
1.入浴、排せつ若しくは食事の介護、2.食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるもの(洗濯、掃除等の家事または健康管理)のいずれかを事業とする施設(老人福祉法第29条)[3]

なお、高齢者向けの入居施設には「老人ホーム」という名称をもたない種類のものもあり、サービス付き高齢者向け住宅高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)第5条)や認知症高齢者グループホーム(老人福祉法第5条の2第6項)がある[3]

地図記号編集

 
老人ホームの地図記号

国土地理院が老人ホームに用いる地図記号家屋を組み合わせたものである。これは2006年平成18年)に全国の小中学校からの公募に基づき制定されたもので、国土地理院が初めて公募によって制定した地図記号のひとつである[5]

介護職員らによる主な殺人・虐待事件編集

施設内で介護職員らによる殺人事件もしばしば発生するが、いわゆる介護疲れからの介護殺人では無いケースも散見される。

脚注編集

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  1. ^ 老人ホーム”. kotobank. 2013年5月31日閲覧。
  2. ^ 戦前の養老院における入所者処遇 (PDF)”. 文京学院大学人間学部研究紀要 (2009年12月). 2013年5月31日閲覧。
  3. ^ a b c d e 介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて 介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて - 住まいとサービスの関係性 -”. 厚生労働省. 2020年5月6日閲覧。
  4. ^ roadmin (2020年11月17日). “東京都にある軽費老人ホームについて詳しく解説!ケアハウスの特徴とは?” (日本語). 老人ホーム検索ガイド. 2020年11月17日閲覧。
  5. ^ 国土地理院測図部 (2006年1月25日). “国土地理院の新しい地図記号を初めて公募で決定”. 2006年 報道発表資料. 2012年8月6日閲覧。
  6. ^ 中野区老人ホーム殺人 被告に懲役16年の判決【東京都】”. ケアマネタイムス (2019年10月8日). 2021年6月8日閲覧。
  7. ^ 老人ホームの入居者が窒息死 神奈川県警、殺人で捜査”. 2019-01-25 (朝日新聞). 2021年6月8日閲覧。
  8. ^ 老人ホーム入所者を暴行、殺害した疑い 元職員を逮捕”. 朝日新聞 (2019年5月22日). 2021年6月8日閲覧。

関連項目編集