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職権探知主義(しょっけんたんちしゅぎ)とは、裁判所が、判決の基礎をなす事実の確定に必要な資料(訴訟資料)の提出(=事実の主張+証拠の申し出)を当事者の意思のみに委ねず、裁判所の職責ともするたてまえをいう[1]

職権探知主義の下では、裁判所は、当事者が主張してもいない事実を判決の基礎とすることができるし、当事者が申し出てもいない証拠を職権で取り調べることができる(例:人事訴訟法20条「裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌し、かつ、職権で証拠調べをすることができる」)。

民事訴訟では「私益に関する事項は当事者の自由な処理に任せるべきである」という思想に基づき、訴訟資料の提出(=事実の主張+証拠の申し出)を当事者の権能と責任とする建前(弁論主義)がとられる[2]

しかし判決の効力が訴訟の当事者間だけでなく第三者にも及ぶ(例えば,認知の訴えが認められれば、元々の子供たちにとっては兄弟姉妹が増え相続分が減る)場合には、訴訟資料の提出を訴訟当事者だけに任せておくと、第三者の権利を害する恐れもあるので、裁判所も事実関係を探知し証拠を収集できるようにする必要がある。そこで人事訴訟では、上記のとおり職権探知主義がとられる。

行政事件訴訟では、処分又は裁決を取り消す判決は第三者に対しても効力を有する(行政事件訴訟法32条)。そのため、裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができることになっている(同法24条)。

関係条文編集

脚注編集

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  1. ^ 新堂幸司 1985「民事訴訟法」現代法律学全集 第2版 筑摩書房 P282
  2. ^ 新堂幸司 1985「民事訴訟法」現代法律学全集 第2版 筑摩書房 P283