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茂来山

特徴編集

佐久地域の人々からことに親しまれる名峰。その山容は、東西南北になだらかな裾野を広げ、均整のとれた美しい錐体で、周囲に高い山がなく抜きん出ていることもあり、1,700m級の山とは思えない存在感で佐久平のどこからも目を引く。

地質・地形編集

基盤は秩父古生層、山体は大日向酸性深成岩で構成され、西部は閃雲花崗岩、北縁は角閃石閃緑岩が中心で、表層は厚いチャートの岩盤が続く[1][2]。谷の浸食の差異が大きく、断層も多く、険峻。

植生編集

高山帯亜高山帯がない1,700m級の山にしては、珍しい植物が多く生育している。サンヨウブシが佐久地域で初めて採取され、バイカツツジは佐久地域の他の場所では見られない。レンゲショウマの群生地もある。また、谷が険峻であるため、原生に近い山林が多く残っている[2]

民俗編集

古くは雨乞いの山として信仰を集め、田植えの季節、日照り続きの時には、山頂に登って雨乞いをした[3][4]。山頂には、大山の祭神である石尊大権現を勧進して祀った、1793年(寛政5年)建立の石宮がある[4]。大山は雨降山とも呼ばれ、雨乞いと豊作を願う山岳信仰の対象である。石宮は、「茂来山を愛する会」によって新しいものが建立されている[5]

小海町では、1935年(昭和10年)から尋常高等小学校が全校登山を行っており、戦後に一旦廃止されたが、やがて復活した[4]

登山編集

登山口は、佐久穂町側の国道299号沿いに、槇沢コースと霧久保沢コースの2ヶ所、小海町側の親沢地区林道に1ヶ所(親沢コース)[6][7]

見どころ編集

山頂は、ほぼ360度眺望が開け、佐久平が一望できる。山頂から間近に見る八ヶ岳連峰は圧巻。

佐久穂町側、霧久保沢コースの中腹には、「森の巨人たち百選」に選ばれたトチの巨木(通称「コブ太郎」)がある。

山名編集

千曲川を挟んで西に聳える八ヶ岳連峰の一つ、硫黄岳火山噴火の際に、飛んできた岩をもらって山ができた「貰い山」が由来といわれる。

「もらい」が嫁(婿)をもらいたいに通じることから、縁結びの山としても知られ、山頂には願掛けの石が祀られている。

その他編集

良質な磁鉄鉱石の産地で、周辺には 江戸時代末期に営まれた鉄山やたたら製鉄所の遺跡が残る[8]。しかし、鉱脈は断続的で、採掘の労力と比較して産出量が少なく不採算であったため、産業として確立はされなかった[9]

脚注編集

  1. ^ 信濃毎日新聞社編 『信州山岳大百科』III巻 信濃毎日新聞社、1983年12月10日、193-194頁。 
  2. ^ a b 佐久町誌刊行会編 『佐久町誌 自然編』 佐久町誌刊行会、1990年3月 
  3. ^ 雨乞い臼石”. いわむらだ.こむ. 2016年9月22日閲覧。
  4. ^ a b c 小海町編 『小海町志 近・現代編』 小海町志刊行委員会、1997年3月、215-216頁。 
  5. ^ 上毛新聞社編 『群馬の山歩き130選』 上毛新聞社、262-263頁。ISBN 978-4-86352-074-5 
  6. ^ 茂来山”. 佐久穂町観光協会. 2016年9月22日閲覧。
  7. ^ 茂来山登山パンフ (PDF)”. 小海町. 2016年9月22日閲覧。
  8. ^ 茂来山たたら遺跡”. 公益財団法人八十二文化財団. 2016年9月22日閲覧。
  9. ^ 佐久町誌刊行会編 『佐久町誌 民俗編』 佐久町誌刊行会、1982年5月、178頁。 

関連項目編集

外部リンク編集