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国道299号

日本の長野県から埼玉県に至る一般国道

概要編集

長野県東部に位置する茅野市の国道20号から東へ、八ヶ岳の蓼科高原八千穂高原と長野・埼玉県にまたがる関東山地を越えて、埼玉県中南部に位置する入間市の国道16号とを結ぶ、延長約202 kmの一般国道で、主な通過地は長野県南佐久郡佐久穂町、群馬県多野郡上野村、埼玉県秩父郡小鹿野町秩父市飯能市である。

長野県内の一部は、別名メルヘン街道、長野県から埼玉県にかけて武州街道ともいう。八ヶ岳の鞍部は、日本の国道の峠では2番目に高い標高を持つ麦草峠を通り、長野・群馬県境の十石峠では、大雨・冬季閉鎖される狭隘な峠道となる[注釈 1]

起点がある茅野市では、起点・国道20号交点(新井交差点)から御座石神社交差点までの区間が、通称ビーナスラインと呼ばれる国道152号との重用区間で、御座石神社交差点の国道152号分岐より実延長区間となる。バイパス道路に、国道463号所沢入間バイパスと一体的に整備された飯能狭山バイパスがある。

路線データ編集

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 2]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史編集

  • 1970年4月1日 : 一般国道299号(佐久市-入間市)
  • 1982年4月1日 : 一般国道299号(茅野市-入間市)

路線状況編集

起点がある長野県茅野市から麦草峠を越えるメルヘン街道とよばれるルートは高原道路といえる観光道路で、麦草峠(標高2,127 m)は志賀草津道路(国道292号)が無料化されるまでは国道最高地点であった[3]。佐久市の国道141号との重複区間より以東の長野・群馬県境にある十石峠へ向かう道路(武州街道)は狭隘路で、いわゆる「酷道」のひとつにも数えられている[3][4]。佐久側のカーブにはカーブ番号が割り振られた標識が設置されている[4]。この区間は道路幅が狭いにもかかわらず、他の酷道とよばれる国道路線よりも比較的交通量が多く、対向車やオートバイとすれ違う機会が多い[4]

秩父から飯能にかけた山岳区間は、高麗川に沿ってワインディングロードが続いており、夜間にはいわゆるローリング族が出没する。管轄する埼玉県警察飯能警察署は、2016年に発生した事故を契機に夜間の重点パトロールを実施しており、違法改造車への対応として排気音測定の取り締まりが行われることもある[5]

また、かつては終点である埼玉県入間市の国道16号との交差点である「河原町交差点」は両方向が分離された三角形であり、終点方向が丁字路(右左折・直進の3車線という構造で、左折はそのまま川越方面へ向かうが、直進レーンは一度右折レーンとともに八王子方面へ向かい、すぐ左折して国道463号へ分かれる構造になっていた)となるため渋滞が頻発していた。 しかし後に、国道16号から起点方面への流入路を拡幅し、河原町交差点が十字路となり、かつての終点方向への流入路へは進入できなくなっている。(ただし道路地図上ではこちらが国道のままになっているものが多い)[要出典]

別名編集

 
メルヘン街道(長野県佐久穂町)
茅野道路
メルヘン街道
長野県茅野市 御座石神社交差点[6] - 南佐久郡佐久穂町[7]蓼科高原八千穂高原の美しい景観からドイツ・メルヘン街道に因んで名付けられた[要出典]。冬季は通行止めとなる[7]
武州街道
十石峠街道
あじさい街道
飯能狭山バイパスおよび以西の飯能市内では、アジサイをメインに道路植栽が行われている。

バイパスおよび改良事業(構想中含む)編集

  • 茅野道路(長野県茅野市ちの - 長野県茅野市塚原、延長 0.6 km)
  • 芹ヶ沢バイパス(長野県茅野市湖東 - 長野県茅野市芹ケ沢・糸萱境、延長 2.1 km)
  • 糸萱拡幅(長野県茅野市北山糸萱、0.3 km)
  • 四ツ谷バイパス
  • 本郷バイパス(長野県南佐久郡佐久穂町三味脇 - 長野県南佐久郡佐久穂町刈又、延長5.2 km)
  • 十石バイパス(長野・群馬県境)※構想中
    十石峠は、大雨時通行止め・冬季通行止め・大型車通行不可・普通車すれ違い困難。酷道としても分類されている。また、冬季以外の時期でも度々峠付近で濃霧が発生し視界が悪い。現在、十石峠の抜本対策として十石道路が国土交通省高崎河川国道事務所にて計画されている。現道拡幅整備案や長大トンネルバイパス案を含め、PI方式で比較検討されている。
  • 現道改良(多野郡神流町・多野郡上野村)
    上野ダム整備のため、高規格なバイパスが整備されたが、神流町中里支所前の1・5車線道路等が残っている。
  • 志賀坂峠改良(秩父市・多野郡上野村)
  • 黒海土バイパス
  • 長尾根トンネル(秩父市・秩父郡小鹿野町)
  • 秩父小鹿野バイパス(秩父市)
    国道299号の田村地区-蒔田地区付近を現道活用し、西関東連絡道路国道140号バイパス)の一部区間として再整備する計画があり[8]、西関東連絡道路で秩父小鹿野バイパスと接続する予定の皆野秩父バイパスの終点が、国道299号に乗り入れる形で建設されている[9]
  • 武甲山麓バイパス(秩父市)
    秩父市街地に集中する交通を迂回させるためのバイパス構想。
  • 横瀬橋から武光橋までの道路拡幅(秩父郡横瀬町)
    315メートル区間。歩道がなく、危険な状況であるため、歩道整備が必要な区間である[10]
  • 吾野バイパス(飯能市長沢地区ほか[11]
  • 飯能日高バイパス(埼玉県日高市久保 - 埼玉県飯能市飯能、延長2.5 kmほか)
    同区間は歩道もなく、大型車がすれ違いにくいため、学生は自転車で走らないように促されるなど、周辺の住宅街の住人の生活に影響を及ぼしている[12]。バイパス整備後、旧道は市道へ格下げする予定。
  • 飯能狭山バイパス(埼玉県飯能市飯能 - 埼玉県狭山市笹井、延長5.6 km)

重複区間編集

道路施設編集

主なトンネル・橋梁編集

  • 砥根平トンネル(群馬県多野郡上野村)
  • 楢原トンネル(群馬県多野郡上野村)
  • 父母トンネル(群馬県多野郡上野村)
  • 志賀坂トンネル(群馬県多野郡神流町 - 埼玉県秩父郡小鹿野町)
  • 秩父橋(荒川、埼玉県秩父市)
  • 正丸トンネル(埼玉県秩父郡横瀬町 - 飯能市)
  • 豊水橋(入間川、埼玉県狭山市 - 入間市)
  • 新豊水橋(入間川、埼玉県狭山市 - 入間市)※飯能狭山バイパス
  • 霞川橋(霞川、埼玉県入間市)※所沢入間バイパス

道の駅編集

観光渋滞編集

秩父地方で開催されるイベントで、度々渋滞が発生する。

  • 芝桜 - 本駐車場はすぐに満車になる。
  • 秩父夜祭 - 非常に渋滞する。
  • 巾着田 - 彼岸花の開花期間中は、休日を中心に渋滞が発生する。
  • 奥むさし駅伝競走大会 - 1月下旬の日曜日に、飯能市内の本道を利用して開催される駅伝大会。周辺大学の陸上部や一般人サークル等が参加する。迂回路は設定されているが、大型車走行が難しい。
  • 初詣 - 埼玉県日高市の一部区間が台瀧不動尊の敷地を跨いで設置されており、道幅も狭く、歩道もないため、初詣客が道に飛び出してくることがある。

地理編集

長野県茅野市と南佐久郡佐久穂町の境をなす標高2,127 mの麦草峠は、国道で2番目に標高の高い地点である[13][注釈 6]八ヶ岳を横断する麦草峠を通る区間は、タイトなコーナーの連続するワインディングロードで人気のあるコースとなっている[15]蓼科高原八千穂高原シラカバカラマツの林を走り抜けてゆき、秋の紅葉が美しいところで知られる[15]。また、沿道からは南アルプス浅間山の展望ほか、八ヶ岳の珍しい模様をした縞枯山も見ることができる[15]

群馬・長野県境の十石峠越えの山間部は急カーブが連続するところで、昔は峠を越えて十石の米を運んでいたというところから、十石峠の名がつけられたといわれている[4]。十石峠には展望台も設置されている[4]。この周辺は見渡す限り森林に囲まれているところで、群馬県側は道路の上まで森の木々の緑に包まれている[4]

通過する自治体編集

交差する道路編集

長野県

群馬県

埼玉県

主な峠編集

  • 麦草峠標高2,127 m) : 長野県茅野市 - 長野県南佐久郡佐久穂町
  • 十石峠(標高1,351 m) : 長野県南佐久郡佐久穂町 - 群馬県多野郡上野村
  • 志賀坂峠(標高780 m) : 群馬県多野郡神流町 - 埼玉県秩父郡小鹿野町 : 志賀坂トンネルで通過
  • 正丸峠(標高636 m) : 埼玉県秩父郡横瀬町 - 埼玉県飯能市 : 正丸トンネルで通過

名所編集

  • 慰霊の園 - 1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故の犠牲者を追悼するために建設された(事故現場である御巣鷹の尾根からは路程で20kmほど離れている)。群馬県上野村の、国道を少し外れた道のカーブ付近にある。
  • 本邦帝王切開術発祥之地記念碑 - 日本初の帝王切開を実施した敷地に立つ。正丸トンネル飯能口より数百メートル飯能寄りに進んだカーブにある。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 元々は林道であり、県境付近の国道299号は未開通となっていたが後に編入された。
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ a b 2005年3月20日に1町1村が合併して南佐久郡佐久穂町発足。
  4. ^ 2003年4月1日に1町1村が合併して神流町発足。
  5. ^ a b c d e f 2015年4月1日現在
  6. ^ 国道最高地点は国道292号渋峠の2,172 m。標高2,000 mを越える一般国道は、国道299号と国道292号の2路線だけである[14]

出典編集

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  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年8月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 16. 2017年5月1日閲覧。
  3. ^ a b 松波成行 2008, p. 66.
  4. ^ a b c d e f 鹿取茂雄 2018, pp. 30–31.
  5. ^ 峠のカーブ走り抜ける暴走抑止へ 「暴走許さない」飯能署がキャンペーン”. 埼玉新聞 (2018年5月4日). 2018年5月9日閲覧。
  6. ^ 茅野市の道路愛称名”. 茅野市. 2017年5月23日閲覧。
  7. ^ a b “茅野と佐久穂を結ぶ「メルヘン街道」で開通式”. 信濃毎日新聞. (2017年4月21日). オリジナルの2017年5月21日時点によるアーカイブ。. http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:ZvebhM0s9TAJ:www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170421/KT170420SJI090012000.php+&cd=4&hl=ja&ct=clnk&gl=jp 2017年5月23日閲覧。 
  8. ^ “概略設計を27日委託/国道140号秩父小鹿野バイパス”. 日本工業経済新聞. (2005年10月25日). https://www.nikoukei.co.jp/kijidetail/00044277 2018年2月2日閲覧。 
  9. ^ 工事進捗状況について”. 埼玉県. 2018年2月2日閲覧。(国道299号合流部(第二期区間終点))
  10. ^ 国道299号の改良整備について”. 埼玉県議会 平成21年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文. 埼玉県. 2014年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月8日閲覧。
  11. ^ 【トンネル】 吾野バイパス(飯能市)”. 埼玉県庁. 2017年12月20日閲覧。
  12. ^ “こうなる国道299号バイパスそして、どうなるか旧国道扱い” (PDF). 武蔵台だより 第290号 (こま武蔵台自治会): p. 4. (2008年3月1日). オリジナルの2010年9月11日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20100911063842/http://1.0www.jp/pdf/md290.pdf 
  13. ^ 佐藤健太郎 2014, p. 140、「国道最高地点」より。
  14. ^ 浅井建爾 2001, p. 48.
  15. ^ a b c 須藤英一 2013, p. 98.
  16. ^ 国道140号皆野秩父バイパス(第二期区間)が開通 平成30年3月20日(火曜日)14時供用開始”. 埼玉県 (2018年1月30日). 2018年1月30日閲覧。

参考文献編集

  • 浅井建爾『道と路がわかる辞典』日本実業出版社、2001年11月10日、初版。ISBN 4-534-03315-X
  • 鹿取茂雄「国道299号〈十石峠〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、 30 - 31頁、 ISBN 978-4-408-06392-8
  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8
  • 須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年。ISBN 978-4-278-04113-2
  • 松波成行「国道299号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、 66頁、 ISBN 978-4-86320-025-8

関連項目編集

外部リンク編集