蒸気(じょうき、: vapor, vapour)は、物質液体から蒸発して、あるいは固体から昇華して、気体になった状態のもの[1]。 あるいは水蒸気 (steam)の略語として用いられる[1]

概念 編集

蒸気は科学時代になって生まれた概念であるため、ほとんどの国で湯気から派生した言葉を当てている[2]。例えばタイ語では「アイナム」といい蒸気と水蒸気、湯気の区別がない[2]

日本語の近代訳語としての「蒸気」は19世紀初頭に杉田玄白蘭学者が既存の漢語「蒸気」を借用して用いるようになったと考えられている[1]。杉田玄白は1810年の『形影夜話』上篇で、オランダ語の『オイトワアツセミング(uitwaseming)』(皮膚等からの蒸発気化)の訳語として「蒸気」を当てた[1]

英語ではsteam(湯気)とvapor(蒸気)があり、後者のほうが意味的には揮発に近く水からは離れているとされる[2]

1820年にファラデーやドルトンらは「気体は液体が蒸発した蒸気である」と主張するようになり、すべての気体は冷却すると必ず液化すると考えた[3]

用途 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d 阿川修三「翻訳語「蒸気」の形成についての試論」 文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所、2023年11月30日閲覧
  2. ^ a b c 石田博幸、木村久美子「ブラジルとアジア諸国の科学用語比較」 、2023年11月30日閲覧
  3. ^ 中川 渥「アイスクリームとSEM」 京都大学 防災研究所技術室通信 No.50、2023年11月30日閲覧
  4. ^ 化学パルプ工程 チップを煮込んで繊維を取り出す”. 日本製紙グループ. 2020年11月1日閲覧。

関連項目 編集