西馬音内の盆踊(にしもないのぼんおどり)とは秋田県雄勝郡羽後町西馬音内で行われる盆踊りである。毎年8月16日から18日まで西馬音内本町通りにおいて行われる[1]阿波踊り郡上おどりと合わせて日本三大盆踊り[2]毛馬内の盆踊一日市の盆踊と合わせて秋田県三大盆踊りと称される。1981年1月21日に重要無形民俗文化財に指定される。民俗学者松尾恒一は2014年より700年以上前に修行僧が豊作祈願のために神社の境内にて踊らせたとする説の存在に触れているが、あくまで言い伝えであるため正確性については不明瞭としている[1]

西馬音内の盆踊り
Nishimonai Bon Odori.jpg
イベントの種類 盆踊り
開催時期 8月16日,17日,18日
会場 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内
踊り子
囃子場

概要編集

西馬音内の中心部に囃子場を設置し、道路沿いに焚き火を点け、それを囲うように亡霊に扮した踊り子たちが踊る[3]。盆踊りの開始は通りの中央に作られる矢倉の上にいる囃子方の掛け声による[4]

踊り子の服装は浴衣や平袖に編み笠、あるいは目だけを出した頭巾となっている[5]。女性は手作りの半月型の編み笠を被り、端縫い(はぬい)衣装と呼ばれる複数の布を継ぎ合わせた衣装をまとう[6]。目のみを露出した頭巾は彦三(ひこさ)頭巾と呼ばれる[6]。これらの顔を隠す様子は死者を表現しているとされる[6]。他にも藍染の浴衣やしごき帯と呼ばれる赤い帯などが特徴として挙げられている[6]

囃子は笛、大小の太鼓、鼓、三味線、すり鉦[5]、鉦といった楽器の奏でられる中[6]、甚句と地口の二種類が歌われる[7]。音頭は地口に合わせて踊るものとなっている[1]。がんけは音頭よりも速いテンポの甚句に基づいたもので、歌詞や踊りに亡者の踊りとしての物悲しさがあるとされる[1]。 2002年時点では「元城(もとぎ)盆踊り保存会」が中心となり、8月14日に開催されている[8]

平成23年7月、西馬音内の盆踊を歌った「西馬音内盆唄」(唄:城之内早苗、作詞:喜多條忠、作曲:田尾将実、編曲:南郷達也、B面「遠い花火」)がテイチクから発売された[9]

1977年(昭和52年) 時点では年に3日間になっているが、かつては旧暦で7月16日から20日までの5日間盆踊りが行われていた[10]。また2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により中止が決定された[11]

脚注編集

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  1. ^ a b c d 松尾 2014, p. 20.
  2. ^ レッカ社 2009, pp. 158-159.
  3. ^ 富木 1973, pp. 164-165.
  4. ^ 松尾 2014, pp. 20-21.
  5. ^ a b 富木 1973, p. 165.
  6. ^ a b c d e 松尾 2014, p. 21.
  7. ^ 富木 1973, p. 164.
  8. ^ 市民活動団体 詳細情報”. 秋田県 生活環境文化部県民文化政策課 (2002年). 2005年10月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2005年10月23日閲覧。
  9. ^ 西馬音内 盆唄”. テイチクエンタテインメント. 2018年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月19日閲覧。
  10. ^ 碧梧桐と『三千里』の旅 羽後西馬内を中心に 露月、五空、紫陽花らと交流 明治末の全国俳句行脚 県内滞在一〇二日間」『あきた』(通巻183号) 1977年(昭和52年) 8月1日発行。2020年7月27日のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月27日閲覧。
  11. ^ 日本三大盆踊り『西馬音内盆踊り』中止 秋田、75年ぶり」『河北新報』河北新報社、2020年5月13日。2020年6月13日のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月13日閲覧。

関連文献編集

  • 『羽後町郷土史』羽後町郷土史編纂委員会、1966年。
  • 小坂太郎『西馬音内盆踊り わがこころの原風景』影書房、2002年。ISBN 978-4877142919
  • 『西馬音内盆踊り地口集』

参考文献編集

  • 富木隆蔵 『日本の民俗 秋田』 5巻 第一法規、1973年。 NCID BN01542707 
  • 松尾恒一 『先祖とともにすごす祭り』 2巻〈みたい!しりたい!しらべたい!日本の祭り大図鑑〉、2014年12月30日。ISBN 978-4-623-07232-3NCID BB1777090X 
  • レッカ社『「日本三大」なるほど雑学事典』PHP研究所〈PHP文庫〉、2009年12月。ISBN 978-4569673677

外部リンク編集

座標: 北緯39度11分58.4秒 東経140度24分11.6秒 / 北緯39.199556度 東経140.403222度 / 39.199556; 140.403222