鉄道要覧
鉄道要覧(てつどうようらん)は、日本の国土交通省(2000年度までは運輸省)鉄道局が監修し、株式会社電気車研究会・鉄道図書刊行会が発行する、日本の鉄道・軌道・索道事業の営業内容をまとめた要覧であり、日本の鉄道を概観するうえで最も基礎的な資料の一つである。以前は民鉄要覧、さらに以前は私鉄要覧と称していた。なお、国鉄分割民営化以前は日本国有鉄道(国鉄)が発行していた日本国有鉄道統計のダイジェスト版に「鉄道要覧」の名称が用いられていたが、直接的な関係はない。
歴史
編集1922年版または1923年版の『地方鉄道一覧』『軌道一覧』が起源とされる[1]。両書は1928年版から統合され『地方鉄道軌道一覧』となった[1]。当初は数年おきに1回作成される不定期刊であった。戦後は『私鉄要覧』に改題し、1947年版と1948年版が作成され、1950年代前半の加除式を経て1957年度版より年刊となった[1]。私鉄監督行政の業務用という位置づけであったため一般には提供されていなかったが、発行元が電気車研究会・鉄道図書刊行会に移った1970年度版より一般にも頒布されるようになる。その後1977年度版から『民鉄要覧』に改題し、1990年度版から現在の『鉄道要覧』に改題している[1]。
閲覧・入手可能な場所
編集日本の公共図書館には、置いてあることが多い[2]。2019年現在、私鉄要覧 昭和33 - 39年度版、41 - 45年度版については国立国会図書館においてデジタル化されており、「図書館向けデジタル化資料送信サービス」参加図書館等で閲覧が可能である。 一般書店では置いていないことが多いが、大型書店では扱っているところもある。『令和5年度 鉄道要覧』の定価は 6,800円(本体 6,182円)である。
記載内容について
編集専用鉄道
編集平成7年(1995年)度版までは専用鉄道の路線がいくつか掲載されていたが、全路線は網羅しておらず、翌平成8年(1996年)度版からは掲載されなくなった。
線路名称
編集鉄道要覧に記載される鉄道路線の名称(線路名称)は、各事業者における制定名称等と異なることがある。