長尾根バイパス(ながおねバイパス)は、埼玉県秩父市内を通る予定の国道140号バイパス道路である。西関東連絡道路地域高規格道路)の一部を構成する道路である。

バイパス道路
国道140号標識
国道140号
長尾根バイパス
路線延長 3.8 km[1]
起点 埼玉県秩父市大字蒔田
終点 埼玉県秩父市大字寺尾
接続する
主な道路
記法
国道299号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

概要 編集

国道140号現道の秩父市街地での混雑緩和ならびに秩父市街 - 小鹿野町間の所要時間短縮を目的として整備される路線。現在、秩父市街-小鹿野町間は、長尾根丘陵秩父ミューズパークが設置されている)に阻まれており、同丘陵を大きく迂回する必要がある。本バイパスでは、長尾根丘陵を貫通するトンネルを掘削する形で建設される。 2022年度(令和4年度)に事業化された[1]。起点の秩父市大字蒔田の上蒔田交差点[注 1]では皆野秩父バイパスに、終点の秩父市大字寺尾では埼玉県道72号秩父荒川線に接続する予定。

上蒔田交差点 - 秩父市大字田村間は皆野秩父バイパス同様に自動車専用道路として整備されるが、秩父市大字田村 - 秩父市大字寺尾間のトンネル区間は秩父市 - 小鹿野町間の連絡道路を兼ねていることから国道299号とのアクセス道路と併せて歩道が併設される予定となっている[2]

このバイパスの開通により、皆野寄居バイパス皆野大塚IC - 秩父市街地間は30分から10分に、小鹿野町中心市街地 - 秩父市街地間は25分から15分にそれぞれ所要時間が短縮される予定となっている[2]。秩父市街地へは埼玉県道208号秩父停車場秩父公園線(秩父公園橋)または秩父市道幹線51号(佐久良橋)を利用して向かうことになる。

秩父市大字寺尾から先、大滝トンネル(事業中)までの区間の整備方針は2022年時点では未定である[注 2]。なお、接続する埼玉県道72号秩父荒川線は秩父市立久那小学校付近まで完全2車線で整備されており、秩父市街地を迂回した上で、埼玉県道209号小鹿野影森停車場線巴川橋)経由で秩父鉄道影森駅付近または秩父市道幹線12号(久那橋)経由で秩父鉄道浦山口駅付近で国道140号現道と合流することができる[注 3]

長尾根バイパスの元となったかつての計画・構想 編集

西関東連絡道路 秩父小鹿野バイパス(計画)
当初計画されていた皆野秩父バイパスの延長区間のバイパス道路。国道299号現道を改良しつつ、小鹿野町長留に至る予定であった[3]。その先については埼玉県道43号皆野荒川線を改良する構想であった[4]が、皆野荒川線ルートの費用対効果が小さいことが見込まれていた[3]
長尾根トンネル(構想)
埼玉県道208号秩父停車場秩父公園線を延長した上でトンネルを建設して国道299号に接続する構想。秩父市 - 小鹿野町間は国道299号が大きく北に迂回しており、所要時間が大きいことから、小鹿野町を始めとして短絡を目的として長年要望されていた。しかし、単独整備では国の個別補助事業の採択要件に合致しない問題があった[3]

いずれも単独事業化が厳しいと判断され、最終的に長尾根バイパスとして統合されることになった。これにより、小鹿野町に国道140号バイパスが通過する話は消滅した。また、皆野秩父バイパス終点の上蒔田から長尾根バイパスが直結される形になると、小鹿野町-秩父市街のアクセス改善に繋がらないため、代替として、小鹿野町から長尾根バイパスの途中まで短絡するアクセス道路が整備される予定である[2]

路線データ 編集

  • 起点:埼玉県秩父市大字蒔田(上蒔田交差点)
  • 終点:埼玉県秩父市大字寺尾
  • 延長:3.8 km
  • 道路幅員:8.0m(一般部)、10.0m(トンネル部)
  • 車線数:2車線
  • 車線幅員:3.25m(車道)、2.5m(歩道・トンネル部)

インターチェンジ 編集

  • 全区間埼玉県秩父市内に所在。
  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
IC
番号
施設名 接続路線名 起点から
km
備考
皆野秩父バイパスに接続
上蒔田交差点[注 1] 国道299号 0.0 事業中
秩父市大字田村 国道299号(アクセス道路経由)
秩父市大字寺尾 埼玉県道72号秩父荒川線
埼玉県道208号秩父停車場秩父公園線(間接)
3.8
埼玉県道72号秩父荒川線(荒川・大滝方面)に接続

接続するバイパスの位置関係 編集

(熊谷方面)国道140号バイパス - 皆野寄居バイパス - 皆野秩父バイパス - 長尾根バイパス - 大滝トンネル - 雁坂トンネル有料道路 - 甲府山梨道路(甲府方面)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b 2022年時点では皆野秩父バイパスと国道299号の平面交差点となっているが、長尾根バイパス開通までに立体交差化(インターチェンジ化)する予定となっている[5]
  2. ^ 新規事業採択時評価結果に添付されている地図では、埼玉県道72号秩父荒川線の路線上に点線が引かれているが[1]、現道改良となるのか新規に道路整備を行うかは未定である。
  3. ^ 埼玉県道72号秩父荒川線の秩父市立久那小学校 - 秩父市荒川日野(終点)間(日野鷺橋を通るルート)は、途中に離合困難な箇所があり、現地では大型車は迂回するように案内看板が設置されている。

出典 編集

  1. ^ a b c 新規事業採択時評価結果(令和4年度新規事業化箇所) - 国土交通省、2022年8月4日閲覧。
  2. ^ a b c 西関東連絡道路 一般国道140号 長尾根バイパス整備事業(秩父市蒔田〜寺尾地内) - 埼玉県、2022年7月、2022年8月4日閲覧。
  3. ^ a b c 小鹿野町広報おがの192号こんにちは。町長です。 - 小鹿野町、2021年9月、2022年8月8日閲覧。
  4. ^ 概略設計を27日委託/国道140号秩父小鹿野バイパス - 日本工業経済新聞社、2005年10月25日、2022年8月8日閲覧。
  5. ^ 【西関東連絡道路】国道140号 長尾根バイパス整備事業 第1回住民説明会が開催されました - 秩父市議会議員 黒澤秀之 ブログ、2022年7月17日、2022年8月8日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集