雲の影

ピンク・フロイドのアルバム

雲の影』(くものかげ、Obscured by Clouds)は、1972年に発表されたピンク・フロイドアルバムバーベット・シュローダー監督の映画『ラ・ヴァレ』のサウンドトラックである。全英6位、全米46位を記録。

雲の影
ピンク・フロイドサウンドトラック
リリース
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル イギリスの旗ハーヴェスト
EMI(再発盤)
アメリカ合衆国の旗ハーヴェスト/キャピトル
キャピトル(再発盤)
プロデュース ピンク・フロイド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 6位(英国・オフィシャルチャート)
  • 46位(米国・ビルボードチャート
  • 13位(日本・オリコン
  • ゴールドディスク
  • 50万枚(米国・RIAA
  • ピンク・フロイド アルバム 年表
    おせっかい
    (1971年)
    雲の影
    (1972年)
    狂気
    (1973年)
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    概要 編集

    本作はバーベット・シュローダー監督の『モア』(1969年)以来となるサウンドトラックのアルバムである(ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『砂丘』(1970年)にも楽曲を提供したが、数曲しか使われなかった)。当時バンドは『狂気』のレコーディングを行っていたがこれを中断して、フランスのパリ郊外で約2週間でレコーディングを行った。

    ロジャー・ウォーターズ単独作の「フリー・フォア」は、一見ユーモラスだが、彼の父親の戦死がさりげなく言及されており、後の『ザ・ウォール』(特に映画版)や『ファイナル・カット』へと繋がるモチーフの萌芽が見て取れる。アメリカのラジオでこの曲が頻繁にエアプレイされ、シングルカットもされた。歌詞つきの曲「ウォッツ」や「ステイ」では、彼にしては素直で素朴な感情が語られている。

    「大人への躍動」はデヴィッド・ギルモア作詞作曲のロック・ナンバー。また、これ以後、ギルモアは1987年に『』を発表するまでバンド内では作詞を行っていない。

    収録曲 編集

    アナログA面

    1. 雲の影 - Obscured By Clouds
    2. ホエン・ユーアー・イン - When You're In
    3. 炎の橋 - Burning Bridges
    4. ザ・ゴールド・イッツ・イン・ザ… - The Gold It's In The...
    5. ウォッツ - Wot's... Uh The Deal
    6. 泥まみれの男 - Mudmen

    アナログB面

    1. 大人への躍動 - Childhood's End
    2. フリー・フォア - Free Four
    3. ステイ - Stay
    4. アブソルートリー・カーテンズ - Absolutely Curtains

    カバー・アート 編集

    デザインはヒプノシスで、映画のスチール写真を使うことを決めて何度も写真を見直した結果、たまたまピントがぼけていたプロジェクターで映写したスライドを見て、「これだ!」とひらめいた。この写真は「木に登った男性が何かを取ろうとして手を伸ばしている」もので、葉っぱの隙間からのぞく光がピンボケのために丸く映り、幻想的な画像になっている。[1]

    脚注 編集

    1. ^ Mind over Matter 4: The Images of Pink Floyd of Pink Floyd ストーム・ソーガソン