真獅子の骨と牙(しんししのほねときば)は、日本プロ野球(NPB)・パーソル パシフィック・リーグ(パ・リーグ)の球団、埼玉西武ライオンズに所属する中村剛也栗山巧のコンビを指した言葉。

略して「骨と牙[1]、または「骨牙[2]や「骨牙コンビ[3][4]とも称される。

概要 編集

二人はともに2001年に行われたプロ野球ドラフト会議にて、当時の西武ライオンズに指名され(中村は2位、栗山は4位)入団。同年自由獲得枠入団の細川亨とともにチームの主力として成長、2008年には中村が本塁打王・栗山が最多安打[注釈 1]に輝き、揃って初タイトルを獲得した。

同期の竹内和也2004年に引退、細川も2010年FAで移籍し、以降は同球団の2001年度入団者は二人のみとなった。また二人ともFA権行使のうえで球団に残留しており、ともにフランチャイズ・プレイヤーとなっている。

コンビの呼称は、2017年に球団が実施した選手ポスターシリーズで、第2弾に二人を採り上げた際に付けられたキャッチコピー「真獅子の、骨と牙。」が初出[5][6]。以降は二人を指す言葉として、ファンやマスコミに定着し、球団もグッズに採用している[7][8]

2022年には、ともに入団21年目を迎え、「同期入団かつ同い年(同学年)で、入団した球団にもっとも長く一緒に在籍したコンビ」となった(それまでは読売ジャイアンツ槙原寛己&村田真一、および千葉ロッテマリーンズ福浦和也&小野晋吾の20年が最長)[9][10]

なお前述のポスターでも「獅子の骨となり牙となり」と書かれており、どちらが「骨」でどちらが「牙」、という定義はない。二人もともに「どっちでもいい」と語っている[11]

エピソード 編集

二人とも関西出身で、スカウトも同じ鈴木照雄が担当した。上京時は同じ新幹線で、中村が車窓に見える富士山の写真を携帯電話で撮影したエピソードは、栗山がことあるごとに披露している[12][13]

栗山の2000本安打達成時には、中村がグラウンドで花束を贈呈した。

内野手と外野手、長距離砲と中距離打者という違いもあり、コンビで達成した記録は少ない。なお栗山の誕生日(9月3日)に、中村は本塁打を通算6本放っている[10][14]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 片岡易之と同本数でダブル受賞。

出典 編集

  1. ^ 望月遼太 (2022年3月24日). “埼玉西武の「骨と牙」が、二人揃って球史に新たな足跡を残すか? 2022年のパ・リーグで達成が期待される記録一覧 野手編”. パ・リーグ.com. パシフィックリーグマーケティング. 2023年1月28日閲覧。
  2. ^ “おかわり弾呼んだ栗山打 西武の「骨と牙」初回に一撃”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年8月27日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/08/27/kiji/20210827s00001173091000c.html 2023年1月28日閲覧。 
  3. ^ 山田孝人 (2023年1月5日). “〝骨牙コンビ〟の背中を見て学べ 西武・松井稼頭央監督が若手に要求”. 西日本スポーツ. https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/1036643/ 2023年1月28日閲覧。 
  4. ^ 新たに3種類の選手プロデュースグルメが登場! “ねこげん”ペア初のプロデュースグルメ「ねこげんピザ(マルゲリータ)」 骨牙コンビは「栗山巧の埼玉野菜の中華丼」、「中村剛也の豚天丼」 5月3日(火・祝)から販売開始!』(プレスリリース)埼玉西武ライオンズ、2022年5月2日https://www.seibulions.co.jp/detail/00000147.html2023年1月28日閲覧 
  5. ^ 選手ポスターグッズ「真獅子の、骨と牙。」栗山・中村選手6/9(金)発売!”. 埼玉西武ライオンズ. 埼玉西武ライオンズ (2017年6月1日). 2022年10月12日閲覧。
  6. ^ 市川忍 (2020年7月9日). “中村剛也&栗山巧の仕事ぶりを見よ。西武を牽引する“骨と牙”の19年目。”. Number Web. 文藝春秋. 2023年1月28日閲覧。
  7. ^ 9/18(日) 楽天戦にて「応援フェイスタオル2枚セット」を来場者全員(※)に配布!”. 埼玉西武ライオンズ. 埼玉西武ライオンズ (2022年7月12日). 2022年10月12日閲覧。
  8. ^ 9/17(土)~応援メッセージグッズ販売スタート!”. 埼玉西武ライオンズ. 埼玉西武ライオンズ (2022年9月12日). 2022年10月12日閲覧。
  9. ^ 同期同年齢の西武栗山&中村、あと4年現役で日本新 - ウェイバックマシン(2020年12月13日アーカイブ分)
  10. ^ a b 栗田成芳 (2019年9月25日). “MVPは「金髪の森」/中村と栗山36歳同期対談”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201909250000092.html 2023年1月28日閲覧。 
  11. ^ 文化放送ライオンズナイター [@joqrlions] (2019年8月17日). "#栗山巧 選手「ハハッ!どっっちでもイイっす笑」#中村剛也 選手「ンフフフ…どっちでもいい笑」とシンクロ。さらに「2人共が屋台骨となり、時に牙をむく…ってことで。お!なんか上手くまとまった♫」とおかわりくん 。". X(旧Twitter)より2023年10月9日閲覧
  12. ^ 照屋健 (2019年7月20日). “おかわり君、はや400号 同期栗山が語った量産の秘訣”. 朝日新聞 (朝日新聞社). https://www.asahi.com/articles/ASM6R3JP2M6RUTQP012.html 2023年1月28日閲覧。 
  13. ^ “栗山巧の素顔は? 盟友・中村剛也「思っているような人じゃ…」”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2021年9月4日). https://mainichi.jp/articles/20210901/k00/00m/050/188000c 2023年1月28日閲覧。 
  14. ^ 安藤かなみ (2019年9月3日). “骨と牙の絆? 西武中村、栗山への誕生日弾プレゼントは通算6本目「そんなに…」”. Full-Count. Creative2. 2023年1月28日閲覧。