還暦
(60歳から転送)
年祝い(算賀・賀の祝い)する場合が多いが[2]厄払い儀礼を行う場合もある[3][4]。
概要
編集赤ちゃんに還るという意味と捉え、赤を基調とするお祝いを行う風習がある[1]。魔除けのため赤色産着が以前は使われていたので日本における還暦祝いでは「出生時に還る」という意味で赤色の衣服(頭巾やちゃんちゃんこなど)を本人に贈る場合がある。
長生きを祝う賀寿について、本来は数え年で祝うものとされたが、還暦以外は満年齢で置き替えて祝うことが多くなったとされる[6]。一方で年齢のお祝いとして、数え年、満年齢のいずれでも差し支えないとするものもある[1]。地域によっても慣習は異なる[1]。
還暦祝いの行事
編集- 還暦式 - 成人式のように還暦を第二の人生の出発として祝う「還暦式」と呼ばれるものが行われ始めた。2007年10月民間主導の佐世保市[7]、地方公共団体が催した2005年11月の壱岐市[8]や2008年10月の市川市[9]などがその始まりである。
- プロレスは選手寿命が長いので現役中に還暦を迎える場合があり、ジャイアント馬場・ラッシャー木村などが「還暦記念試合」を行っている。試合日は満60歳の誕生日頃が多い。
- 大相撲では現役時代の最高位が横綱の元力士が還暦を迎えた際に、「長寿祝い」として行われる特別な横綱土俵入りとして還暦土俵入りが行われる。しかし、元力士は平均寿命も健康寿命も一般人より短い傾向にあるため、実施できずに終わる元横綱も多い。
西洋での60年祭
編集西洋には、ダイヤモンドを60周年の祝いに贈る風習があり、結婚60周年はダイヤモンド婚式ともいう[5]。ヴィクトリア女王の即位60周年は、ダイヤモンド・ジュビリーとして盛大に祝賀された。
脚注
編集- ^ a b c d e “長寿を祝う「お祝い」伝統のかたち”. 神社本庁. 2024年7月22日閲覧。
- ^ 香西 美香「厄年習俗の形成」『東アジア文化研究』第2号、165-183頁。
- ^ 数え61歳=還暦かつ本厄
- ^ 尤銘煌、苗択遠「少子高齢・過疎化における通過儀礼の変遷―「日本で最も美しい村」山形県最上郡大蔵村を事例として」『山形大学紀要(人文科学)』第17巻第3号、山形大学、165-183頁。
- ^ a b c 山内 惟介「6に化体された法文化 : グロスフェルト学説継承の試み」『法学新報』第128巻、法学新報編集委員会、691-777頁。
- ^ “実教出版 商業 704”. 実教出版. 2024年7月22日閲覧。
- ^ 佐世保市合同還暦式、佐世保北高校同窓会
- ^ 壱岐市還暦式第2の成人式が開催、壱岐市(2007年10月28日時点のアーカイブ)
- ^ “千葉・市川で「還暦式」”. 毎日新聞. (2008年10月26日). オリジナルの2008年10月29日時点におけるアーカイブ。 2008年10月27日閲覧。