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いすゞ・P系エンジンは、いすゞ自動車1973年(昭和48年)から2006年(平成18年)まで生産していた大型トラックバスOHV V型8気筒V型10気筒V型12気筒ディーゼルエンジンである。それまでのV170型330ps(ボアxストローク:145x125mm、後に直噴8MA1型345ps)V8一種類から、そのコンポーネンツを共用し[1]クランクシャフトシリンダーブロックの長さを増すことで多品種化(多気筒化)を図る手法で生産性を高め、延べ33年間生産され続けた長寿エンジンである。「*PA1」の「*」数字は気筒数を、「A」は改良進度を、「1」はタイプを表す。なお、後継のT系エンジンについてもこちらで解説する。

目次

シリーズの経緯・解説編集

  • 1973年 10PA1型 (ボアxストローク:115x120mm,12.464cc/295ps) が ニューパワーV10シリーズとしてSR型に初めて搭載された。その後バスでは、CRA580/650に搭載された。また、8PA1型215psがSKW440に、12PA1型350psがトラクターVT型に搭載された。車両型式2桁目のエンジン区分は、8PAがK、10PAがR、12PAがTである。
  • 1976年 マイナーチェンジと共にストロークを135mmとした10PB1型を追加し、ニューパワーSSシリーズに搭載する。車両型式2桁目のエンジン区分は、10PBがSである。(因みに10PB1型は14022cc/320ps)
  • 1979年 マイナーチェンジとしては大幅な改良を受け、それを機に昭和54年排出ガス規制に適合。搭載車の車体には、それぞれ、V8SS、V10SS、V12SSの赤いエンブレムが付く。同時に*PA1型も改良され、エンブレムが赤いV*Sとなる。また、*PB1型にV8とV12を追加。12PB1はダンプトラック用の350PSとトラクター用の385PSが設定された(共にNAエンジン)。車両型式2桁目のエンジン区分は、8PBがM、12PBがVである。この頃ターボ仕様*PB1T型も追加される。(ターボ仕様はV8:275psの他に宇部興産専用道路専用車に搭載されたV12:515psがあった)
  • 1983年 昭和58年排出ガス規制を機に、ボアを119mmとした*PC1型となり、車体のエンブレムは緑色になる。また、このモデルから、同排気量で出力が複数設定されたエンジンには、形式の後ろに識別記号(-Nまたは-S、後者が高出力型を表す)が追加された。(因みに10PC1型は15014cc/295/330ps)車両型式のXX部エンジン区分は、8PCが17、10PCが19、12PCが21である。ターボ仕様は自動車用に8PC1T型275psが設定され、船舶用に12PC1T型640ps仕様が造られる(船舶用はいすゞ自動車#エンジンを参照)。
    • この時期、大型トラックはいすゞ・810シリーズにフルモデルチェンジ。車両型式もトラックはC□□XX、セミトラクタヘッドはE□□XXと改められ、バスもLV□XX系となる。
  • 1989年 平成元年排出ガス規制を機に、ストロークを150mmとした*PD1型となる。車両型式のエンジン区分は、8PDが70、10PDが71、12PDが72である。12PD1は出力が3種類となり、-N型と-S型の間に-C型が追加された。(因みに10PD1型は16683cc/305ps、高出力型はトラック用が340ps、バス用が355ps)
  • 1994年 平成6年排出ガス規制を機に、ボアを127mmとした*PE1型となる。車両型式のエンジン区分は、8PEが80、10PEが81、12PEが82である。(因みに10PE1型は19001cc/325ps、高出力型はトラック用が360ps、バス用が380ps)この頃CNG用エンジンとして8PF1型240psも追加。
 
いすゞ・10TD1型エンジン
  • 1997年 P系シリーズの後継として新T系・V型10気筒30390cc・10TD1型がギガ600psモデルEXZ75等に搭載される。ボアxストロークは158x155mm、車両型式エンジン区分は75。2000年8TD1型24312cc/410/450/480ps(エンジン区分は74)、2001年6TE1型18933cc/330/370ps(ボアxストロークは161x155mm、エンジン区分は73)が追加された。6TE1型はいすゞのV型エンジンとしては初めてコモンレール式燃料噴射装置を採用した。
    • しかし2003年、ギガの平成13年騒音規制適合時に直列6気筒ターボエンジンに統一(6TE1、10TD1はこの時点で廃止)、ガーラも2005年のフルモデルチェンジで日野・セレガとの統合車種に移行したため[注 1]8TD1は廃止され、T系は短命に終わった。

参考文献編集

関連項目編集

補足編集

  1. ^ 以下では、総排気量を1/10とすることで気筒当たりの排気量を算出しやすV10を代表として記載する。他のエンジンの総排気量は、それを、V12は12倍、V8は8倍したものとなる。

ex.12PCなら15014÷10×12=18016.8≒18017cc∴18L。8PDなら16683×0.8≒13346cc∴13.3Lである。各モデルの馬力も同様に近似値を求める事ができる。因みにこの時代のNAディーゼルは、1000cc(1L)当たり20psを目安に標準馬力、超えると高出力仕様、下回れば燃費重視仕様であった。

  1. ^ 同時に平成17年排出ガス規制適合した。この時搭載されたエンジンはE13Cである。