Inkscape(インクスケープ)はオープンソースで開発されているベクター画像編集ソフトウェアドローソフト)。Inkscape はXMLSVGCSS などの標準に完全に準拠したグラフィックツールとなることを目標としている。クロスプラットフォームなソフトウェアであり、LinuxOS、Unix系オペレーティングシステム (OS)、macOSWindows などで動作する。開発の主体はLinuxで行われている。

Inkscape
Inkscape Logo.svg
Inkscape 1.1 screenshot.png
Inkscape 1.1
開発元 The Inkscape Team
最新版 1.1.1[1] ウィキデータを編集 - 2021年9月27日 (24日前) (2021-09-27)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C++gtkmmを使用)
対応OS クロスプラットフォーム
種別 ベクター画像編集ソフトウェア
ライセンス GNU GPL
公式サイト inkscape.org
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Inkscapeは2003年にベクター画像編集ソフトSodipodiからのフォークとしてスタートした。Inkscape は現状でも幅広く利用されているが、今後さらに SVG、CSSの標準への準拠を完全にしていくことが可能で、それにはSVGアニメーションの対応も含まれる。現在も活発に開発中であり、新しい機能が定期的に加えられている。

歴史編集

Inkscapeは、2003年にSodipodiのフォークとしてスタートした。元となったSodipodiは2004年2月のバージョン 0.34 より事実上開発が停止している[2]。さらにそのSodipodiはGill (Gnome Illustration app.[3]、Raph Levienによって書かれたドローソフト)のフォークとして1999年にスタートした。

Sodipodiの開発者であったTed Gould、Bryce Harrington、MenTaLguYが、プロジェクトの目的の差異、外部からのコントリビューションに積極的でないこと、技術的な意見の差異などから、2003年にSodipodiから分かれてInkscapeプロジェクトを立ち上げた。彼らはSVGの完全準拠を目的にすることにした。

開発はトップダウン方式ではなく、多くの開発者が平等かつ活発に参加する方式を取っている。このような方式であるために多くの新規開発者が加わった。SodipodiはGIMPに似たControlled Single Document Interface (CSDI) を採用していたが、開発者の一人のBulia Byakは、現在のInkscapeのユーザインタフェースのアーキテクチャを作成した。

Inkscapeは元のSodipodiのコードに対して数多くの変更が加えられている。例えば、開発言語をCからC++に変えたこと、GTKベースからそのC++バインディングであるgtkmmベースに変えたこと、ユーザインタフェースをデザインしなおして改善したこと、そのほか数多くの新機能を追加したことなどである。

リリース履歴編集

Sodipodiのリリースについては示さず、フォーク後のInkscapeのみ以下に示す。

バージョン リリース日 備考
以前のバージョン、サポート終了: 0.35 2003年10月14日 Inkscapeの最初のリリース。この時点ではSodipodiからのフォーク直後であり、非常に類似したソフトであった。
以前のバージョン、サポート終了: 0.36 2003年12月11日 メニューバーやツールバーをドキュメントウィンドウごとにあるユーザインタフェースに変更した。
以前のバージョン、サポート終了: 0.37 2004年2月10日 パスのインセットやアウトセット、論理演算 (boolean operator) を追加した。
以前のバージョン、サポート終了: 0.38.1 2004年4月8日 バグフィックスの他、テキストのカーニングトラッキングや多段グラデーションのサポートの他、使い勝手を向上させた。
以前のバージョン、サポート終了: 0.39 2004年7月15日 Pango を使った最初のリリースで他言語の取り扱いがよくなった。また、マーカーやクローンやパターンをサポートした。
以前のバージョン、サポート終了: 0.40 2004年11月28日 レイヤーやビットマップ画像のトレース機能やテキストをパスに乗せる機能を追加。
以前のバージョン、サポート終了: 0.41 2005年2月10日 グリッド配置やカラートレースを追加。
以前のバージョン、サポート終了: 0.42 2005年7月24日 テキストのフロー配置(テキストをフレームに挿入)を追加。テキストスパンのサポート。グラデーションツールを新しくした。
以前のバージョン、サポート終了: 0.43 2005年11月19日 コネクターツール、ホワイトボード機能の追加。タブレットのサポート、ノードツールの使い勝手を向上した。
以前のバージョン、サポート終了: 0.44 2006年6月22日 レイヤダイアログ、クリッピング、マスキングのサポート、透過 PDF 出力の改善。OpenDocumentフォーマットのエクスポートに対応。
以前のバージョン、サポート終了: 0.45 2007年2月5日 ガウスぼかしのサポート。
以前のバージョン、サポート終了: 0.45.1 2007年3月23日 バグフィックスとユーザインタフェースの翻訳の改善。
以前のバージョン、サポート終了: 0.46 2008年3月24日
以前のバージョン、サポート終了: 0.47 2009年11月24日 自動保存、スペルチェッカー機能の追加。フィルタの追加。PS、EPS出力の改善。
以前のバージョン、サポート終了: 0.48 2010年8月23日 スプレーツール、マルチパス編集、上付き・下付きなどのテキスト関連の強化。
以前のバージョン、サポート終了: 0.91 2015年1月30日 レンダリングエンジンcairoの採用、OpenMPによるマルチスレッド処理への対応、テキストツールの改良、ものさしツール、タイプデザイン機能、シンボルライブラリとVisioステンシルのサポート、WMF/EMFのインポートおよびエクスポート、実世界での単位(ミリメートルなど)のサポート、メモリ消費量の大幅な減少、反応性の向上、他[4]
以前のバージョン、サポート終了: 0.92 2017年1月4日 SVG2CSS3への対応の改善[5]。 Inkscapeのデフォルト解像度を90dpiから96dpiに変更[5]
以前のバージョン、サポート終了: 0.92.3 2018年3月22日 双方向テキストに対応[6]。 windowsユーザーに対する起動パフォーマンスの改善[6]
以前のバージョン、サポート終了: 0.92.4 2019年1月17日 安定性の向上、バグ修正[7][8]
以前のバージョン、サポート終了: 0.92.5 2020年4月9日 安定性の向上、バグ修正、エクステンションを Python 2 と 3 で互換[9][10]
以前のバージョン、サポート終了: 1.0 2020年5月4日 安定版リリース[11]
現在の安定版: 1.1 2021年5月24日 新しい起動時ウィンドウ、コマンドパレット、ノードツール時でのパスのコピー及びペースト、ダイアログの新しいドッキングシステム、画像のエクスポート(PNG/JPEG/TIFF/WebP)、機能拡張マネージャー(ベータ版)など[12]
凡例:
旧バージョン
以前のバージョン、サポート中
最新バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

USBメモリなどの上で動作可能なポータブルアプリケーションとしてInkscape Portableも開発されている。

関連書籍編集

  • 「無料で使えるベクターグラフィック Inkscapeスタートブック」(羽石相  (著)、 秀和システム 、2012年3月20日)
  • 「できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応 できるクリエイターシリーズ」(大西すみこ (著), 小笠原種高  (著), 羽石 相 (著), インプレス 、2016年9月26日)
  • 「すぐに作れる ずっと使える Inkscapeのすべてが身に付く本」(飯塚 将弘 (著)、 技術評論社 、2019年6月17日)

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集