レイヤ3スイッチ
(L3スイッチから転送)
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レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)は、コンピュータネットワークで、ルーターとスイッチングハブの機能を併せ持つ機器。LANの中核を構成する事例が多く、その場合はコアスイッチとも称する。「レイヤ3」はOSI参照モデルで第3層にあたるネットワーク層のデータ転送処理を担うことに由来する。
動作方式
編集L3スイッチはL2スイッチ(スイッチングハブ)から派生したもので、処理ロジックはルーターよりもL2スイッチに近似する。一部の動作モードを除き、L2スイッチはEthernetフレームのヘッダのみをスキャンしてMACアドレスを元にMACテーブルを作成し、フレームをフォワードする。L3スイッチはおもにFDB (Forwarding DataBase) テーブルで3層とMACおよび物理ポート番号を統合して管理する。
FDB(Forwarding DataBase)
編集通常のL3機器は経路情報とARP情報を各々のテーブルで管理するが、L3スイッチはFDBにより経路情報とARP情報を一元管理する。概略例を下記。
- ルータの経路情報
宛先ネット マスク 次ノード 10.0.0.0 255.0.0.0 192.168.0.1 172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.2 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.0.3
- ルータのARP情報
IPアドレス MACアドレス インターフェース 192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 FastEthernet0/0 192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 FastEthernet0/1 192.168.0.3 FF:FF:FF:FF:FF:FF Serial0/0
- L3スイッチのFDB
宛先ネット マスク 次ノード MACアドレス ポート 10.0.0.0 255.0.0.0 192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 1 172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 9 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.0.3 00:00:C0:33:33:33 17
ルータの場合は、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.経路情報を参照して次ノードを決定し、3.ARP情報を参照して送出インターフェースの決定とフレームヘッダのMACの書き換えをおこなう。
L3スイッチでは、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.FDBを参照して送出ポートの決定とフレームヘッダのMACの書き換えを行う。
上記1手順の差異、高速なASIC、速いメモリの組み合わせで、高速なルーティングを可能にしている。
主なL3スイッチ製品とベンダ
編集- OmniSwitch, Ethernet Service Switch, Series / アルカテル・ルーセント
- CentreCOM Series / アライドテレシス
- AX Series / アラクサラネットワークス
- 7130シリーズ、vEoS / Arista Networks
- Avaya , Ethernet Routing Switch Series / 日本アバイア
- Catalyst Series / シスコシステムズ
- BlackDiamond, Alpine, Summit Series / エクストリーム・ネットワークス
- TeraScale, EtherScale Series / フォーステンネットワークス
- BigIron, FastIron Series / ファウンドリーネットワークス
- SR-S Series / 富士通
- GS Series / 日立製作所
- Apresia Series / 日立電線
- HP A Series, E Series, ProCurve / ヒューレット・パッカード
- Aruba CX / ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (旧 Aruba networks)
- M4250 シリーズ / NETGEAR
- Passport Series / ノーテルネットワークス
- EX Series / ジュニパーネットワークス
関連項目
編集出典
編集- ^ “LAN スイッチ - テクノロジー解説”. シスコシステムズ. 2016年9月6日閲覧。