M247サージェント・ヨーク

M247 サージェント・ヨーク(M247 Sergeant York DIVAD(Division Air Defense:師団防空兵器)は、アメリカ合衆国が開発した自走式対空砲である。

M247 サージェント・ヨーク
基礎データ
全長 7.67m
全幅 3.63m
全高 3.42m
重量 54.4t
乗員数 3名
装甲・武装
主武装 L/70 40mm機関砲
機動力
エンジン コンチネンタル AVDS-1790-2D
ディーゼル
750hp
行動距離 500km
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サージェント・ヨークという名称は第一次世界大戦時のアメリカ陸軍の英雄、アルヴィン・ヨーク軍曹の名前から取られている。

概要 編集

M247は、M163対空自走砲に代わる自走高射機関砲として1970年代後半から開発が開始された。

M163はM113装甲兵員輸送車を母体にしているため、軽量でペイロードが少なく、捜索レーダーも装備していない(射撃照準用レーダーのみ装備)など、能力は限られていた。

この時期のアメリカ陸軍は、M1エイブラムス戦車M2ブラッドレー歩兵戦闘車の開発も行っており、これらが戦力化されると大幅に路外走行能力が向上することからM113では追随が難しくなる恐れがあり、機動力の高い対空自走砲が求められた[1]

長期にわたり開発が続けられたが、システムの信頼性の不備に加え、アメリカ空軍の絶対的な制空能力の前に、高価で複雑な対空兵器の必要性自体が疑問視され、制式化され生産が開始されたものの1985年8月27日にキャンセルされ、配備にまでは至らなかった。既に生産されていた50両はアメリカ空軍の対地攻撃訓練の目標などに使用された。

何両かの車両が、現在でもアメリカ各地の博物館他で展示されて現存している。

構成 編集

M48パットン中戦車の車体に新開発の全周旋回砲塔を備えたもので、2連装のL/70 40mm機関砲を装備し、砲塔上面に捜索レーダー火器管制レーダーを装備する。

開発会社はフォード・エアロスペースである。

脚注 編集

  1. ^ Statements by General Louis Wagner, Jr., DIVAD Hearings, Hearings before the Subcommitte on Tactical Warfare of the Senate Committee on Armed Services, 98th Congress, 2nd Session, 1984

関連項目 編集

外部リンク 編集