Nokia Tune(ノキア・チューン)は、ノキア社製の携帯電話端末にメーカー出荷段階から搭載・設定されている着信音着信メロディ)。Nokia Tone(ノキア・トーン)、Nokia Alert(ノキア・アラート)、などとも呼ばれる。

1902年フランシスコ・タレガ作曲した『大ワルツ』の一モチーフ編曲したものである。

なお、Nokia ringtone あるいは Nokia ringing tone と呼ぶ場合には、特定のメロディではない「ノキア社製の携帯電話で利用できる着信音全般」を指すことになる。

楽譜

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Nokia Tune の楽譜(全体)の一例。実際の着信音ではこれが繰り返し再生される。

 

経過

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1902年スペイン作曲家ギタリストであるフランシスコ・タレガFrancisco Tárrega)が、ギター独奏ワルツ『大ワルツ』(グラン・ワルツ、Gran Vals)を作曲し発表した。タレガの曲には有名なものも多いが、大ワルツはあまり有名なものではない。Nokia tune のメロディは、この曲の最初と最後に繰り返される主題ポップス風に言えばAメロ)の一部である。

1993年、ノキア社はテレビCM音楽BGM)に、フランシスコ・タレガの「大ワルツ」(ギターでの演奏)を使用した。 その後ノキア社はフランシスコ・タレガの「大ワルツ」を、自社製携帯電話の着信音に1994年から採用して、現在までノキアの携帯電話に使われ続けている。

知名度

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スマートフォンの普及以前、ノキアは世界全体における携帯電話端末のシェア30%を有し、世界最大手の携帯電話メーカーであった。スマートフォンの普及に伴うノキアの没落、マイクロソフトによる吸収を経た後においても、Nokia Tuneのコピーおよびパロディ着信音が多数存在している。

なお、かつてノキア・ジャパン株式会社が日本で販売していたNokia 6630Nokia E61などにも Nokia Tuneは搭載されているが、Nokia TuneがCMなどのサウンドロゴとして使用されることはなかった。

法的権利

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商標権

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国によっては、音響商標も商標登録可能である。ノキア社は Nokia Tune を商標登録し、自社のCMなどにも使用している。 例えば、アジアでは台湾中華民国)において、 Nokia Tune(「諾基亞之歌」「諾基亞音調」)は「聲音商標」(第1228260號)として登録・保護されている(台湾での商標の所管は、中華民國經濟部智慧財產局)。なお、日本では2017年現在登録されていない。

著作権

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Nokia tuneの著作者は作曲者のタレガである。したがって、Nokia tune の著作権はノキアではなく、タレガもしくは彼から譲渡された者が有するはずである。

しかし、タレガの没年は1909年なので、ノキアがCMに使った1993年時点には、著作権は世界中で消滅しパブリックドメインとなっていた。なお、著作権保護期間が長い国として100年のメキシコと99年のコートジボワールがあるが、メキシコの保護期間は当時75年であり、コートジボワールでは著作権が発生したスペインの保護期間が適用され(相互主義規定による)、共に消滅している。

従って、楽譜からや耳コピにより、楽器MIDIでオリジナル音源を製作するのであれば、 Nokia Tune のメロディは自由に使える。

著作隣接権

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Nokia tune の音源そのものは、ノキアが作成したものなので、ノキアによる著作隣接権が1994年に発生し、日本では50年後の2044年の終わりまで存在する。それまでは自由に使うことはできない。

外部リンク

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ノキア社公式サイト

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ノキア社による Nokia Tune の提供

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Gran Vals の試聴

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その他

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