ブレイザーR93
ブレイザー R93(独・英:BLASER R93)は、シグ社(現:シグザウエル)の傘下ブレイザー・ヤークトバッフェン社が開発・販売しているボルトアクション方式のライフルで、現在はノーマルモデルとLRS (Long Range Sporter) が存在する。この項では両方を紹介する。
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ブレイザー R93 | |
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種類 | 狩猟用小銃 |
製造国 |
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設計・製造 | ブレイザー・ヤークトバッフェン社 |
年代 | 1990年代 |
仕様 | |
種別 | ボルトアクション |
使用弾薬 |
.308 Win .300 Win Mag .338 Lapua Magなど |
装弾数 | 5発 |
作動方式 |
ボルトアクション方式 ストレートプル |
歴史 | |
設計年 | 1993年 |
製造期間 | 1993年 - |
バリエーション |
ブレイザー R8 LRS |
概要編集
最大の特徴はストレートプル(直動式)ボルトアクションである。これは、ボルトハンドルを前後に動かすことで排莢と装填ができるというもの。動作に掛かる時間が短縮されるため、速射性はセミオートに近く、精度は通常のボルトアクション以上という良いとこ取りの銃だったが、過去世に出たストレートプルボルトライフルと同じく、あまり目立つことはなかった。
ところが、ブレーザー社がスイスのシグ社の傘下に入ったことをきっかけに、同じ傘下のヘンメリー社と狙撃用のR93を共同開発することとなる。それまで採用していた狩猟用の木製ストックではなく、アルミ合金のシャーシに、フォアエンドやバットストックを取り付けるというモジュール構造を採用。テストとして1年半の間、この新しいR93を使わせた射撃チームが各種競技会で上位を独占。これを受けたシグ社はそれまでのSSG-3000に代わる狙撃銃としてR93の製造を開始し、今に至る。
特徴編集
狩猟を重視したノーマルモデル、競技スポーツ用としてLRS(Long Range Sporter)モデル、公的機関用としてフラッシュハイダーやバイポッドを装備したタクティカルモデルがあり、現在はそれぞれ改良型のLRS2、タクティカル2へと移行している。ストレートアクションを採用しているため、普通のマウザーアクションよりも速射性能が高く、使った人[誰?]に言わせると「セミオート寄りの速射性能と、ボルトアクションの精度を併せ持ったスナイパーライフル」である。
バレルがボルト2本で固定されており、しかも、ボルト、マガジン共に簡単に交換可能であり、.308Win、.300win mag、.338Lapua magという3種類の弾薬をデザートイーグルやベレッタ90-Twoのように使い分けることができるバレルのクイックチェンジ機構など、この銃ならではの特徴は多いが、それゆえキワモノ扱いされる事もある。
ノーマルモデル編集
競技用ライフルのスタイルをしているタクティカルモデルとは異なり、山でハンティングをする事を重視し、可搬性なども考慮されるため、スタイルは狩猟用ライフルになっている。しかし、ストレートアクションのボルト機構(ストレートプルボルトアクション)や、バレルのクイックチェンジ機構などは全く同じであり、様々なターゲットに合わせるため、リムファイアの.17 HMRからシングルファイア専用となる10.7x60mmRまで、使用可能弾薬は40種類におよぶ。
Long Range Sporter(LRS)モデル編集
他のボルトアクションライフルが狩猟用のライフルを元祖としているのに対し、このLRSはビッグボアライフルなどの競技用ライフルを元祖としている。そのために、他のライフルとは全く異なる外見をしているのが特徴。用途的には狙撃銃に分類されるが、イメージ的な問題からSの部分はSniperではなくSporterと命名されている。他にも競技用ライフル譲りのアジャスト機能の搭載や、様々な部品が左右反転し、ボルトハンドル以外を入れ替えられるなど、左利きの射手でも使いやすい所などが特徴。
登場作品編集
映画・テレビドラマ編集
- 『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』
- 第1シーズン第9話「スナイパーの心理」の会話に登場。
- 『インセプション』
- 主人公のコブが雪山の病院で使う。雪上迷彩仕様。
- 『ヒットマン』
- エージェント47が使用。
- 『プレデターズ』
- イザベルが使用。デジタルスコープ装着。
- 『野蛮なやつら/SAVAGES』
- 元ネイビーシールズのサムとビリーがLRS2モデルを使用。
- 『ラストスタンド』
- LRS2が登場。
- 『ワイルド・スピード EURO MISSION』
- レーザーサイトを装着したものが登場する。
漫画・アニメ編集
- 『ヨルムンガンド』
- ルツが作中頻繁に使用。.338 ラプアマグナム仕様。900mの距離から狙撃を成功させている。
- 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(小説・アニメ)』
- ゲーム中、シャーリーがタクティカル2を使用。スキル「弾頭加工スキル」による自作の炸裂弾を使用可能。
- 現実世界でも猟師としてノーマルのR93を愛用しているが、これは作中世界では2018年に銃刀法が一部改正[注 1]されたことで、24歳の彼女でもR93を所持可能となっているため。
- GGO内でタクティカル2を使用しているのはゲーム中にノーマルのR93が存在しないための妥協である。
ゲーム編集
- 『Alliance of Valiant Arms』
- 2011年5月18日実装。ゲーム内ではボルトアクション式ライフルの中でも比較的早い連射能力を持つ武器として登場。また、再装填の時間も短い。7.62x63mmPZ弾にカスタムすることで、一撃率を抑える代わりに消音能力を付加できる。
- 『PAYDAY 2』
- DLCである「Gage Sniper pack」を購入することで使用が可能になる。金属ボディの他、カスタマイズで木製ボディにすることも可能。本来と異なり、ゲーム中に登場する他のボルトアクションライフルより速射性能が低い。
- 『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』
- ツヴァイが、ある仕事で狙撃手のカウンタースナイプを行うために使用。
- 『TrueCombat:Elite』
- スナイパークラスが持てる銃の中にLRSの.338 ラプアマグナム仕様が登場。
- 『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』
- タクティカル2が「カームハウンド」の名称で登場。ただし、銃床部など外見が若干アレンジされた架空銃である。シャーリーが使用する。