西岡 由香(にしおか ゆか、1965年昭和40年〉 - )は、日本漫画家長崎県長崎市出身[1]。「さらん」(사랑。ハングルで“愛”)のペンネームも持つ。

1999年平成11年)、1999年に平和団体ピースボート主催による地球一周クルーズへの参加をきっかけに、平和をテーマにした漫画の執筆を志す[1]

2007年、週刊金曜日「さらん日記」で漫画家デビュー。2008年(平成20年)、長崎原爆をテーマとした『夏の残像 ナガサキの八月九日』を上梓する。原爆をテーマとした漫画は、広島原爆を取り上げた『はだしのゲン』などが知られるが、長崎原爆についてはほとんど前例のないものだった[2]。その後も長崎原爆、東日本大震災福島第一原子力発電所事故、長崎ゆかりの宣教師であるマルク・マリー・ド・ロに関する漫画を発表する。

2015年(平成27年)には長崎原爆の被爆者である小峰秀孝深堀リン片岡ツヨの半生を綴ったノンフィクション漫画『被爆マリアの祈り 漫画で読む3人の被爆証言』により、反核や平和などの分野で優れた報道をした団体・個人に贈られる「平和・協同ジャーナリスト基金賞」において、女性ライターや女性問題を扱った作者を対象とした「荒井なみ子賞」を受賞した[3]。漫画家としての活動の傍ら、長崎大学の非常勤講師も務めている[4]

週刊金曜日に「さらん日記」を連載中。

作品リスト 編集

  • 『夏の残像 ナガサキの八月九日』凱風社、2008年3月。ISBN 978-4-7736-3209-5 
  • 『愛のひと ド・ロ神父の生涯』長崎文献社、2009年1月。ISBN 978-4-88851-131-5 
  • 『八月九日のサンタクロース 長崎原爆と被爆者』凱風社、2010年2月。ISBN 978-4-7736-3403-7 
  • 『さよならアトミック・ドラゴン 核と原発のお話』凱風社、2012年3月。ISBN 978-4-7736-3603-1 
  • 『被爆マリアの祈り 漫画で読む3人の被爆証言』長崎文献社、2015年7月20日。ISBN 978-4-88851-241-1 

脚注 編集

  1. ^ a b 前田岳郁 (2008年3月17日). “長崎発! 夏の残像”. 毎日新聞 長崎版朝刊 (毎日新聞社): p. 23 
  2. ^ 錦織祐一 (2008年3月19日). “長崎テーマの漫画、全国で 西岡由香さん、被爆3世の女子高生の成長描く”. 毎日新聞 西部朝刊: p. 28 
  3. ^ 大平明日香 (2015年12月4日). “平和・協同ジャーナリスト基金賞:被爆体験、漫画で継承 荒木なみ子賞の西岡さん”. 毎日新聞 長崎版朝刊: p. 21. http://mainichi.jp/articles/20151204/ddl/k42/040/273000c 2016年10月31日閲覧。 
  4. ^ 西岡 2015, p. 154.

外部リンク 編集