尹 学準(ユン ハクジュン、1933年3月6日[1] - 2003年1月12日)は、韓国の文学研究者、翻訳家。元法政大学国際文化学部教授、専門は朝鮮文学・日朝比較文化論。

略歴 編集

1933年3月6日、朝鮮慶尚北道に生まれる。1953年4月28日、日本への密航を試みるが[2]巡視艇により発見され唐津[要曖昧さ回避]警備救難署に留置される。しかし、警備救難署の留置所から脱走し[3]岡山京都などを転々とする。その後、1955年明治大学第二部法学部に入学するが、プロレタリア文学を研究したいと思い、法政大学第二部文学部の3年次に編入学する。大学では小田切秀雄に師事し、1958年に法政大学を卒業する。卒業後、雑誌『鶏林』の編集に携わり、朝鮮商工新聞社に入社する。3年ほどで新聞社を辞めさせられ、法政大学、都立大学早稲田大学などで非常勤講師として務め、文学書の翻訳などに携わり、『朝鮮文学』『季刊三千里』『朝鮮研究』などの諸雑誌に関わる。1976年東京入国管理局自首をし、収監され、保釈金により釈放される。その後、罰金3万円を支払い、特別在留資格が許可される。2000年に法政大学国際文化学部の教授に就任する。2003年1月12日に死去、69歳。

書籍 編集

著書 編集

  • 『時調-朝鮮の詩心』(創樹社、1978)
  • 『オンドル夜話-現代両班考』(中央公論新社、1983)
  • 『朝鮮の詩ごころ-「時調」の世界』(講談社、1992) 
  • 『歴史まみれの韓国-現代両班紀行』(亜紀書房、1993)
  • 『タヒャンサリの歌-わたしの中の日韓歳時記』(丸善、1996)
  • 『朝鮮半島-人と文化と政治』共著(亜細亜大学アジア研究所、1998)
  • 『韓国両班騒動記』(亜紀書房、2000)

翻訳 編集

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  • 『韓国を歩く-こんなに楽しめるとなりの国』共編(集英社、1986)
  • 『韓国を読む-こなに知らないとなりの国』共編(集英社、1986)
  • 『ソウルA to Z』共編(集英社、1988)

監修 編集

  • 太白山脈』(ホーム社、1999-2000)
    • 第1巻「白い花という名の巫堂」
    • 第2巻「天空をさすらう雲」
    • 第3巻「金羅道の悲しみ」
    • 第4巻「トラジの歌」
    • 第5巻「歴史の逆流」
    • 第6巻「女パルチザンの死」
    • 第7巻「鴨緑江の苦い水」
    • 第8巻「骸骨の隊列」
    • 第9巻「奪われ行く解放区」
    • 第10巻「冬とともに逝った英雄」

参考 編集

  • “渡日初期の尹学準:密航・法政大学・帰国事業”. 異文化 論文編 (法政大学国際文化学部) (5): 1-35. (apr 2004). doi:10.15002/00002107. ISSN 13493256. NAID 120000993901. https://doi.org/10.15002/00002107. 
  • 47NEWS-尹学準氏死去 法政大教授

注釈 編集

  1. ^ 戸籍上は1933年3月6日であるが、実際の誕生日は1932年の旧暦2月6日
  2. ^ 密航時の肩書きは大邱大学校中退
  3. ^ 佐賀県の在日朝鮮人の助けを得て、「李継栄」の幽霊外国人登録証を入手する