東直己
日本の小説家 (1956-)
1956年4月12日 -)は、北海道札幌市白石区[1]出身の日本の小説家。探偵を主人公にしたハードボイルド小説を中心に作品を発表している。
(あづま なおみ、誕生 |
1956年4月12日(68歳) 北海道札幌市白石区 |
---|---|
職業 | 小説家 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 1992年 - |
ジャンル | ハードボイルド小説 |
代表作 | ススキノ探偵シリーズ・畝原探偵シリーズ・榊原シリーズ |
主な受賞歴 | 日本推理作家協会賞(2001年) |
デビュー作 | 『探偵はバーにいる』 |
ウィキポータル 文学 |
来歴・人物
編集札幌市立東白石中学校[1]、北海道札幌東高等学校卒業、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
大学中退後、土木作業員、ポスター貼り、カラオケ外勤、タウン雑誌編集者など様々な職を転々とする。北海道の文芸誌「北方文芸」に小説を寄せるようになり、1987年に「北方文芸」230号に発表した『逢いに来た男』が「文學界」同人雑誌評にて近藤信行に取り上げられる。1992年、『探偵はバーにいる』で作家デビューした。以後、「俺」を探偵役にしたススキノ探偵シリーズ、探偵畝原シリーズ、榊原シリーズなどの作品を発表し、気鋭のミステリー作家として注目を浴びる。小説、エッセイの他、自ら取材のために刑務所に服役して著した異色のルポタージュ『札幌刑務所4泊5日体験記』などがある。札幌市在住であり、同市および北海道を舞台にした作品が多く、北海道のローカル情報番組「のりゆきのトークDE北海道」(uhb)では長年にわたってコメンテーターとしても活躍していた。ススキノ探偵シリーズは、『探偵はBARにいる』として映画化された。
2001年、『残光』で第54回日本推理作家協会賞を受賞した。
作品
編集小説シリーズ
編集ススキノ探偵シリーズ
編集- 探偵はバーにいる(1992年5月 早川書房 / 1995年8月 ハヤカワ文庫JA)
- バーにかかってきた電話(1993年1月 早川書房 / 1996年1月 ハヤカワ文庫JA)
- 消えた少年(1994年10月 早川書房 / 1998年6月 ハヤカワ文庫JA)
- 向う端にすわった男(1996年9月 ハヤカワ文庫JA)※短編集
- 収録作品 :「向う端にすわった男」「調子のいい奴」「秋の終わり」「自慢の息子」「消える男」
- 探偵はひとりぼっち(1998年4月 早川書房 / 2001年11月 ハヤカワ文庫JA)
- 探偵は吹雪の果てに(2001年12月 早川書房 / 2004年2月 ハヤカワ文庫JA)
- 駆けてきた少女[2](2004年4月 早川書房 / 2006年10月 ハヤカワ文庫JA)
- ライト・グッドバイ(2005年12月 早川書房 / 2007年10月 ハヤカワ文庫JA)
- 探偵、暁に走る(2007年11月 早川書房 / 2010年1月 ハヤカワ文庫JA)
- 旧友は春に帰る(2009年11月 早川書房 / 2011年8月 ハヤカワ文庫JA)
- 半端者 -はんぱもん-[3](2011年3月 ハヤカワ文庫JA)
- 猫は忘れない(2011年9月 早川書房 / 2012年11月 ハヤカワ文庫JA)
榊原健三シリーズ
編集- フリージア(1995年8月 廣済堂出版 / 2000年9月 ハルキ文庫)
- 残光(2000年9月 [4]角川春樹事務所 / 2003年8月 ハルキ文庫)
- 疾走[5](2008年3月 角川春樹事務所 / 2011年7月 ハルキ文庫〈上・下〉)
探偵・畝原シリーズ
編集- 渇き(1996年12月 勁文社)
- 【改題】待っていた女・ 渇き(1999年12月 ハルキ文庫) ※「待っていた女」追加
- 流れる砂(1999年11月 角川春樹事務所 / 2002年11月 ハルキ文庫)
- 悲鳴(2001年1月 角川春樹事務所 / 2004年5月 ハルキ文庫)
- 熾火(2004年6月 角川春樹事務所 / 2006年5月 ハルキ文庫)
- 墜落(2006年5月 角川春樹事務所 / 2009年4月 ハルキ文庫)
- 挑発者(2007年5月 角川春樹事務所 / 2010年5月 ハルキ文庫〈上・下〉)
- 眩暈(2009年2月 角川春樹事務所 / 2012年2月 ハルキ文庫)
- 鈴蘭(2010年5月 角川春樹事務所 / 2013年8月 ハルキ文庫)
探偵・法間シリーズ
編集- 逆襲(2001年6月 光文社文庫) ※短編集 表題作のみ法間登場
- 収録作品 :「春休み」「気楽な女」「人ごろし殺人事件」「本物」「渋多喜村UFO騒動」「守護神」「安売り王を狙え」「逆襲」
- 古傷(2004年11月 光文社文庫)
- 探偵法間 ごますり事件簿(2012年7月 光文社)※短編集
- 【改題】探偵ホウカン事件日誌(2014年12月 光文社文庫)
- 収録作品 :「ほちわ」「マラソンの夜」「美しい目」「二十個のケーキ」「捨てられなかった」「時カクテル」「アロハ」
ハーフボイルドシリーズ
編集- ススキノ・ハーフボイルド(2003年7月 双葉社 / 2006年1月 双葉文庫 / 2011年11月 双葉文庫〈新装版〉)
- 後ろ傷(2006年10月 双葉社)
- 【改題】ボーイズ、ビィ・アンビシャス (2011年12月 双葉文庫)
南支署シリーズ
編集- 誉れあれ 札幌方面中央警察署 南支署(2009年8月 双葉社 / 2012年7月 双葉文庫)
- 誇りあれ 札幌方面中央警察署 南支署(2011年5月 双葉社 / 2015年8月 双葉文庫)
その他の小説
編集- 沈黙の橋(サイレント・ブリッジ)(1994年4月 幻冬舎 / 2000年2月 ハルキ文庫)
- ソープ探偵くるみ事件簿(1997年5月 廣済堂文庫)
- 【改題】探偵くるみ嬢の事件簿(2002年6月 光文社文庫)
- 死ねばいなくなる(2001年12月 角川春樹事務所)※短編集
- 【改題】逢いに来た男(2013年5月 ハルキ文庫)
- 収録作品 :「困ってる女」「梅雨時雨」「死ねばいなくなる」「路傍の石」「ビデオ・ギャル」「逢いにきた男」
- ライダー定食(2004年9月 柏艪舎 / 2008年2月 光文社文庫)※短編集
- 収録作品 :「ライダー定食」「納豆箸牧山鉄斎 」「ペレニウム・ハペリタリア」「炭素の記憶」「一九九三年八月十六日」「間柴慎悟伝」
- 立ちすくむとき(2004年9月 ハルキ文庫)※24篇からなるショートショート集
- 義八郎商店街(2005年2月 双葉社 / 2008年12月 双葉文庫)
- スタンレーの犬(2005年8月 角川春樹事務所)
- 【改題】名もなき旅(2008年5月 ハルキ文庫)
- 英雄先生(2005年12月 角川書店 / 2010年2月 ハルキ文庫)
- 抹殺(2007年5月 光文社 / 2010年5月 光文社文庫)
- 立ち向かう者たち(2009年6月 光文社 / 2011年12月 光文社文庫)※短編集
- 収録作品 :「立ち向かう者」「作り話」「悪酔い男」「重り」「疑惑」「責任」「ケンシの人」
- 坂口安吾盗難事件&坂口安吾作品集(2011年2月 柏艪舎)
- 収録作品 :「投手殺人事件」「心霊殺人事件」「正午の殺人事件」「南京虫殺人事件」「能面の秘密」「アンゴウ」以上 坂口安吾 / 「坂口安吾盗難事件」東直己
アンソロジー
編集「」内が東直己の作品
- 男たちの長い旅(2004年1月 トクマノベルス / 2006年1月 徳間文庫)「Bar Osamu」
- 事件を追いかけろ(2004年12月 カッパノベルス)「立ち向かう者」
- utage・宴 北の作家書き下ろしアンソロジーvol.1(2008年9月 柏艪舎 )「京都の宿」
- 私の風景(2009年4月 柏艪舎)「都会の夜」
- utage・宴 北の作家書き下ろしアンソロジーvol.2(2010年10月 柏艪舎)「満月と街と白い猫の店」
- 誇り (2010年11月 双葉社)「猫バスの先生」
- サイドストーリーズ(2015年3月 角川文庫)「街で立ち止まるとき[6]」
エッセイ・その他
編集- 札幌刑務所4泊5日体験記(1994年9月 扶桑社ミステリー文庫 / 2004年6月 光文社文庫)
- 自衛隊 おとなの幼稚園(1996年3月 三一書房)
- すすきのバトルロイヤル(2000年3月 北海道新聞社)
- ススキノハードボイルドナイト(2001年4月 寿郎社)
- 酔っ払いは二度ベルを鳴らす(2005年6月 光文社文庫)[7]
- さらば愛しき女と男よ ススキノエッセイ(2006年1月 光文社文庫 )[7]
- 札幌 深夜プラス1(2006年10月 光文社文庫)[7]
- ミステリーの書き方(2010年11月 幻冬舎)
雑誌連載中、掲載作品
編集- 「街角」「秋の終り」(2011年9月 早川書房 ミステリマガジン10月号)
- 「南支署3」(2012年8月 双葉社 小説推理10月号~)※南支署シリーズ
- 「ゴマ擂り命 法間謙一」(2012年7月 光文社 小説宝石8月号)※エッセイ
- 「拉致」(2012年12月宝石 ザ ミステリー2)※抹殺 2
- 「庶務係」(2013年2月 光文社 小説宝石3月号)※抹殺 2
映像化作品
編集- 極道の墓場 フリージア(1998年9月12日公開、監督・渡辺武、 主演・三浦友和、 大映)※「フリージア」の映画化。
- 探偵はBARにいる (2011年9月10日公開、監督・橋本一、 主演・大泉洋、東映)※ススキノ探偵シリーズ 2作目「バーにかかってきた電話」の映画化。小説を読みかけたままバーで寝ている男 役としても出演。
- 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 (2013年5月11日公開、監督・橋本一、主演・大泉洋、東映)※ススキノ探偵シリーズ 5作目「探偵はひとりぼっち」の映画化。ベッドで酒を飲む入院患者 役としても出演。
- 探偵はBARにいる3 (2017年12月1日公開、監督・吉田照幸、主演・大泉洋、東映)※ススキノ探偵シリーズ 1作目「探偵はバーにいる」の映画化。モンデの客 役としても出演。