沢本盛弥

江戸時代末期の武士、日本の陸軍軍人

沢本 盛弥(さわもと もりや、旧字体澤本 盛󠄁彌、生没年不詳)は、江戸時代末期武士日本陸軍軍人

盛弥は仮名(通称)諱(実名)は幸則「ゆきのり」。土佐藩士

迅衝隊士六番隊銃手として戊辰戦争に従軍[1]。後に大日本帝国陸軍軍人となる。文献によっては沢本守也と表記。北光社沢本楠弥は同族。

生涯

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沢本氏(澤本氏)の祖は彦右衛門といい、戦国時代大津城 (土佐国) 城主天竺孫四郎に仕えていたが、細川氏の庶流天竺氏長宗我部国親に滅亡させられた。江戸時代になって4代目の土佐藩主山内豊信(山内豊昌?)[注釈 1]に仕えた一族と伝わる[2]。それ以外の一族末裔は全国に拡散した。

土佐国長岡郡介良村出身。

会津戦争二本松陣営にて、沢本を含めた新政府軍の兵士三人が民家で飲酒をしてしまい、軍法違反となった。秋沢清吉に咎められた沢本は、(この場で処刑されるのではなく)国のために命を懸けたいと堂々と返答し、処刑は免れた。

板垣退助安岡養之助(安岡覚之助?)[注釈 2]が米沢藩勧降書(文案者は岩崎馬之助)を提出した。小笠原謙吉を含めた三人で協議し、米沢藩降伏勧告する使者として、沢本を派遣することにした。

慶応4年(1868年)8月15日、谷干城伴権太夫に(米沢藩に拒否されたら命はないだろうと)諭された沢本は米沢に向かい、同年8月18日に無事に到着して歓待を受けた。同年9月4日に米沢藩は新政府軍に降伏し、その証として出兵を約束。命懸けの任務を遂行した沢本は報告のため、二本松に戻ったあと再び米沢に向かい、米沢藩の1小隊と共に会津城攻めの新政府軍に合流した[3]

明治4年(1871年)4月4日、戸籍法が制定されて以降、澤本幸則と称した[4]。(文献によっては沢本幸則と表記)

明治6年(1873年)2月23日、陸軍省から佐倉城郭跡地の兵営建設のため、井上二郎八、大庭国介、徳久元成と共に出張を命ぜられた[5]

令和4年(2022年)2月13日、放映のテレビ番組「ナニコレ珍百景」で、沢本家(澤本家)の家系図が「歴史的に貴重な360年19代の家系図 高知県高知市」として紹介された[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 清水昭典「自由民権家澤本楠弥と北海道植民会社「北光社」の経営」に山内豊信と表記されているが、4代目の土佐藩主は山内豊昌(沢本楠弥生誕時の土佐藩主は山内豊信)。
  2. ^ 長谷川伸「私眼抄」に安岡養之助と表記されているが、島内登志衛「谷干城 東征私記」には安岡覺之助と表記。

出典

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  1. ^ 島内登志衛「谷干城 東征私記」『谷干城遺稿 上』靖献社 1912年 140頁
  2. ^ 清水昭典「自由民権家澤本楠弥と北海道植民会社「北光社」の経営」『札幌法学』第9巻第1号、札幌大学法学部、1997年9月、3頁
  3. ^ 長谷川伸「私眼抄~土佐の兵・沢本盛弥~」『長谷川伸全集 第十巻』朝日新聞社 1971年8月15日 369頁
  4. ^ 高知縣護國神社
  5. ^ 宮地正人「佐倉歩兵第二連隊の形成過程」国立歴史民俗博物館研究報告 第131集 2006年3月 32頁
  6. ^ これまでの放送 2022年2月13日放送 - ナニコレ珍百景公式ウェブサイト(テレビ朝日

参考文献

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