あきづき型巡視艇

あきづき型巡視艇(あきづきがたじゅんしてい、英語: Akizuki-class patrol craft)は、海上保安庁巡視艇の船級。区分上はPC型、公称船型は特23メートル型[2][3]

あきづき型巡視艇
PC-82「あわぎり」
PC-82「あわぎり」
基本情報
種別 特23メートル型PC
運用者  海上保安庁
就役期間 1974年 - 2017年
前級
次級 なつぎり型
要目
満載排水量 77.00トン
総トン数 124.00トン
全長 26.0 m
最大幅 6.30 m
深さ 3.00 m
吃水 1.12 m
主機 三菱12DM20 MTK
ディーゼルエンジン×3基
推進器 スクリュープロペラ×3軸
出力 3,000馬力
速力 22ノット
航続距離 220海里
乗員 10名 (最大搭載人員)
レーダー FRA-10 Mk.2 航法用×1基[1]
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来歴編集

日本の経済発展に伴い、港湾や狭い水道、沿岸域の海上交通の稠密化が問題となっていた。このことから、1973年7月1日海上交通安全法が施行された。同法では、特に船舶交通が輻輳する東京湾伊勢湾瀬戸内海の3海域における船舶交通の安全を図るため、浦賀水道伊良湖水道など、通常の海上衝突予防法とは異なる特別のルールを適用する航路が定められた(海上交通安全法別表に掲げる航路[2]

これらの狭水道指定航路およびその周辺海域において、安全航行指導および監視業務を行う特殊巡視艇として建造されたのが本型である[2][3]

設計編集

本型は全アルミニウム合金構造、没水部船型はV型である。挟水道での待機など、任務がら漂泊するケースも多いことから、減揺装置として、船尾両舷に油圧展張式のアンチローリング・ボード(ARB)を装備した。これによって、4~5割の減揺効果を得られるとされている。巡視艇としては長期間の活動が想定されたこともあって、食堂と寝室の分離、冷房の完備、固定ベッドの採用、士官寝室の個室化など、居住性の向上が図られた。また視界確保のためもあり、上部構造は大型化して、巡視艇として初の完全な2層構造となった[2][3]

航路哨戒という任務から、巡視艇としての高速力とともに、海上交通安全法による制限速度(12ノット)での長時間航行も両立させることが求められた。このため、主機関は三菱12DM20 MTKディーゼルエンジン3基でスクリュープロペラ3軸を駆動し、速力に応じて使用する主機の数を調整するCODAD方式とされた[2][3]

同型船編集

計画年度 # 船名 建造所 竣工 解役
昭和48年 PC-64 あきづき 三菱重工
下関造船所
1974年2月28日 1996年3月11日
PC-65 しののめ 1974年3月25日 1996年2月9日
昭和49年 PC-72 うらゆき 1975年3月25日 2014年3月11日
PC-73 いせゆき 1975年7月31日 2001年2月22日
昭和50年 PC-75 はたぐも 1976年2月21日 2012年2月14日
PC-76 まきぐも 1976年3月19日 2014年3月11日
昭和51年 PC-77 はまづき 1976年11月29日
PC-78 いそづき 1977年3月18日
昭和52年 PC-79 しまなみ 1977年12月23日
昭和53年 PC-80 ゆうづき 1979年3月22日
昭和55年 PC-81 はなゆき
→ たまなみ
1981年3月27日 2017年3月6日
昭和57年 PC-82 あわぎり 1983年3月24日

登場作品編集

海猿 UMIZARU EVOLUTION
第1話と第2話に「いそづき」が登場。三浦半島沖でタンカー座礁し転覆する海難事故が発生したことを受け、現場海域に急行し救助活動にあたる。
東京湾炎上
「あきづき」が登場。テロリストに占拠された架空の石油タンカー「アラビアンライト号」から脱出して海中に飛び込むも、海上で射殺されてしまった同船の乗組員たちの遺体を回収する。

参考文献編集

  1. ^ Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 391. ISBN 978-1591149545 
  2. ^ a b c d e 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、100-101頁。ISBN 4-425-77041-2
  3. ^ a b c d 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、 104頁、 NAID 40005855317