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伊勢湾

伊勢半島と知多半島の間にある内湾
紫色の部分が伊勢湾。濃い青色が大王崎から伊良湖までとした場合。

伊勢湾(いせわん)は、中部地方近畿地方太平洋フィリピン海)側の境界の南側にある

概要編集

 
伊勢湾のランドサット画像

一般に三重県鳥羽市答志島愛知県田原市伊良湖岬を結んだ線の北側の海域から三河湾を除いた海域を意味するが、まれに答志島ではなく大王崎からとする場合がある。伊良湖水道を通じて、フィリピン海太平洋)と結ばれる。水域面積が日本最大の湾で、三重県愛知県に面する。なお常滑市沖に中部国際空港2005年2月17日に開港した。

歴史編集

沿岸編集

産業編集

名古屋港四日市港などの大規模な貿易港があり、沿岸には多くのコンビナート、産業用倉庫が立ち並ぶ。名古屋圏にとって物資の海上輸送には欠かせなく、海の玄関口の役割をする。

2005年には中部国際空港愛知万博に合わせて開港し、それ以来中部地方の空の玄関口として多くの国際・国内線が運航されており、知多半島沿岸や伊勢湾沖合からは中部空港から海外へ飛び立つ大型旅客機の姿を、間近で観る事できる。

環境編集

伊勢湾は閉鎖性水域であり、平均深度19.5m、最深部の湾中央でも38m程度である。湾口が狭く盆状になっているという地形の影響で外海との海水交換が少なく、水質が悪化しやすい[1]

伊勢湾の環境については、特に夏場における貧酸素水塊の形成が問題視されている。貧酸素水塊は、大雨の後に晴天や水温の上昇、穏やかな潮流が続いた場合(梅雨時期から夏季)に発生しやすい。

その背景は、まず大雨により木曽三川新川庄内川をはじめとする河川から栄養塩が大量に流入し、海水表層で大規模に植物プランクトンが発生し、赤潮を形成しやすくなる。その後、大量発生したプランクトン栄養塩の枯渇や気象変化等により死滅した場合、その死骸が沈降し、海底で微生物により分解される際、大量の酸素が消費され貧酸素水塊が発生する。

夏季には、強い日射により表層水温が上昇(水温成層の発達)し、大雨や河川水による密度成層が顕著となることで鉛直混合が妨げられ、より大規模な貧酸素水塊が発達しやすくなる。また、黒潮が蛇行し伊勢湾湾口から離れている場合は、外海水との海水交換が下がり、貧酸素水塊が発生しやすくなる。 貧酸素水塊は、梅雨後期に発達し(密度成層が発達)、夏季に最盛期を迎え(水温成層及び密度成層が発達)、秋季に海水温の低下に伴い、減衰する。

この貧酸素水塊により、水質浄化機能が高いが逃避能力が低い二枚貝などの底生生物に大きな影響を与え、それらが死滅(窒息)し分解される際、更なる貧酸素水塊を助長する。また貧酸素水塊が発生している状況下で、陸から沖方向へ強い風が吹くと、水面近くの水が沖方向へ流され(吹送流)、海底近くの海水が湧き上がる現象が発生する。これを青潮(苦潮)といい、沿岸漁業に大きな被害が発生することがある。

伊勢湾に流れ込む河川の流域住民や行政の協力によって下水処理場や工場での排水規制や農業での肥料使用量の削減、畜産業での家畜排泄物の適切な管理等の富栄養化対策が進められてきた。しかし、今なお夏季の貧酸素水塊の解消には至っていない。一方、伊勢湾の栄養塩濃度が夏季以外にも周年を通して全体的に低下してきたことに伴い、植物プランクトン濃度(基礎生産)の低下を招き、近年では伊勢湾中南部の沿岸を中心にアサリやシジミ等の二枚貝は餌不足等によって再生産できなくなり、また、コウナゴ等の小型魚類の低迷等の漁業生産への悪影響も懸念されている。このようなことから、貧酸素水塊を解消する対策として、夏季に海水の流動性の向上(港湾や防波堤内等の停滞水の解消や底層水と表層水の混合等)が必要と考えられている。

日本において、商業捕鯨が発祥した地であり、かつては非常に豊かな生物相が見られた。 伊良湖岬を始め、湾内の各所にはかつてニホンアシカの生息地が存在した。 熊野灘によく見られるマッコウクジラザトウクジラ等は湾外で時折見られ、その他現在でも、ごく稀にではあるが大型の鯨類が湾内に姿を表す事がある。絶滅寸前であるニシコククジラが周辺海域に回遊する可能性も示唆されている。かつては湾内には採餌や子育て、休息の場が広がっていたと思われる。

伊勢湾および三河湾はスナメリの重要な生息地であり、時には藤前干潟周辺にも居つく事がある。その他、2000年代からハセイルカの一群が定着し始め、世界でも最も高緯度に居つく個体群の一つとして知られている。オキゴンドウハンドウイルカが混合群で現れる事もある。

観光編集

 
御在所岳から望む伊勢湾。中部国際空港の人工島が、知多半島の沿岸近くにある。名古屋港四日市港があり、多くの大型船舶などが行き交う。

主な港編集

主な流入河川(一級河川)編集

その他編集

楽曲

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集