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いつもポケットにショパン』は、くらもちふさこによる日本漫画。漫画雑誌『別冊マーガレット』(集英社)にて1980年2月号から1981年7月号まで連載された。

いつもポケットにショパン
ジャンル 音楽漫画
漫画
作者 くらもちふさこ
出版社 集英社
掲載誌 別冊マーガレット
レーベル マーガレットコミックス
集英社文庫
発表期間 1980年2月号 - 1981年7月号
巻数 単行本全4巻
文庫全3巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

目次

概要編集

クラシック音楽を題材とした音楽漫画[1][2]。幼馴染の二人が過去の因縁や、人間関係に悩みながらも成長する姿が描かれている[2]

作者のくらもちが高校時代までピアノを習っていたことから作品の題材としてクラシックが選ばれ[1]、その当時のピアノ教師から「あなたはショパンを演奏するのは向いていない」と言われたことと、「ショパンの音楽への憧れと敬意」がタイトルの由来となった[1]。また、くらもちはピアノ経験者ではあるものの音楽に精通していた訳ではなかったため、当時の担当編集の妻が音楽大学出身という縁で、その出身校を取材した[1]。さらに音楽コンクールなどを取材するうちに自然とクラシック好きになったといい、本作品について「『クラシックっていいな』という喜びを素直に描けたと思います」と語っている[1]

演奏シーンでは、音符効果音を入れず[1]、演奏者の指の動きや表情[3]コマ割りを工夫することで楽曲の叙情性を表現しようと試みられており[3]、この作品の見所のひとつとなっている[3]。これについて、くらもちは「もともと効果音を描くのが好きではなく、古臭さを感じていた」といい、「『自分の気持ちの中で、曲のイメージを絵にしたらどうなるんだろう?』と考えて、苦肉の策で、わざと何も音を描かない場面をいくつか作りました」と語っている[1]

連載中には作品内容がドラマレコード化された[3]

2018年のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)『半分、青い。』の劇中で同名タイトル(作者名は劇中人物「秋風羽織」に変更)で登場する[4]

ストーリー編集

幼馴染の須江麻子と緒方季晋は同じピアノ教室に通い、遊ぶ時も一緒という仲。そんなある日、季晋が中学進学と同時にドイツへ留学し、さらに当地で列車事故に遭遇したため音信不通となる。

やがて時が経ち高校生となった麻子は、季晋がすでに日本に帰国していることを知る。再会を喜ぶ麻子だが、季晋は彼女を特別にライバル視して余所余所しく扱う。その変容の背景には共にピアニストであり、友人であり恋敵であった二人の母親の因縁が関わっていることが明らかとなる。心の拠り所を失った麻子はピアノを止めようとするが、音楽教師の松苗によって学生コンクールに向けた奏者に抜擢され、厳しい練習を積むうちに、徐々に才能を開花させていく。

麻子と季晋は毎コンに出場することとなり、たがいに練習に取り組む。そんな中、麻子は亡くなっていたものと知らされていた実父・村上稔との出会いや、苦手意識のあった母との交流を通じて、娘を案じる母親の姿に思い至り和解する。一方、季晋は過度の練習が災いして腱鞘炎を患い、無理を押して大会に出場するが、演奏直前に麻子から過去の真相を知らされると、それまでの呪縛から解放されたかのように好演を見せる。結果的に麻子は二次予選で敗退し、季晋は本選出場を決めるも怪我の状態を考慮して棄権するが、二人の仲が修復されて物語を終える。

登場人物編集

須江 麻子(すえ あさこ)
本作の主人公。白川音楽学園高等部に在学。母はピアニストの須江愛子。通称アーちゃん。
不器用な性格で、そのことをコンプレックスとして抱えている。幼いころから習っているピアノも大して身が入らず、幼馴染の季晋や上級生の上邑に対して引け目を感じていたが、音楽教師の松苗から「誰の真似でもない独自のスタイルを自分自身で見つける」ように指導を受けたことを契機に、徐々に才能を現すことになる。
緒方 季晋(おがた としくに)
麻子の幼馴染。堂園音楽学園高等部に在学。母は元ピアニストの緒方華子。通称きしんちゃん。
幼馴染の麻子とは小学時代までは親密に接していたが、卒業と同時に母と共にドイツへ留学、当地で列車事故に巻き込まれて重傷を負う。その際、母からの角膜移植を受けたため失明は免れたが、同時に母から須江母娘への憎しみも託される。事故後に日本へ帰国し堂園音楽学園に進学し、上邑や二階堂らと各地のピアノコンテストにおいて上位を占めることから堂園三羽烏と呼ばれている。
上邑 恭二(うえむら きょうじ)
堂園三羽烏と呼ばれる天才肌のピアニスト。持病のぜんそくが悪化したため、堂園音楽学園から白川音楽学園に転校してきた。当初は麻子との実力差を見せるが、彼女の台頭により動揺を見せる。
須江 愛子(すえ あいこ)
麻子の母で国際的なピアニスト。気難しい性格の持ち主。麻子とはたびたび衝突するが、不器用ながらも娘のことを気にかけていることや、お人好しな性格が徐々に明らかとなり、作品終盤では和解する。
緒方 華子(おがた はなこ)
季晋の母。元ピアニスト。麻子の母・愛子とは友人でありライバル関係にあった。しかし過度の練習により腱鞘炎を患い慢性化したためピアニスト人生を絶ち、さらに村上をめぐっての恋にも敗れたため憎しみの感情を募らせる。息子の季晋とともにドイツへ渡ったが、当地で列車事故に遭い死去する。
村上 稔(むらかみ みのる)
麻子の父で国際的な指揮者。愛子と別れた後はドイツに渡り修業を積んでいたが、その後も連絡を取り合っている様子。
松苗(まつなえ)
白川音楽学園の音楽教師。麻子を厳しく指導し、その成長を見守る。
二階堂 まりあ(にかいどう まりあ)
堂園音楽学園高等部に在学。堂園三羽烏の一人。
末永 依里(すえなが えり)
白川音楽学園高等部に在学。麻子の親友。

書籍情報編集

ドラマレコード編集

日本フォノグラムより1980年から1982年にかけて3作品が発売された。脚本は仲倉重郎、プロデューサーは市川武が担当。レコードの帯にはポーランドアダム・ハラシェヴィチオーストリアイングリット・ヘブラーチリクラウディオ・アラウなどのピアノ演奏が挿入されていることが記されている[5][6]

いつもポケットにショパン
1980年発売、脚本:仲倉重郎、プロデューサー:市川武
出演:小原乃梨子富山敬吉田理保子清水マリ
いつもポケットにショパン 愛のソナタ 完結編
1981年発売、脚本:仲倉重郎、プロデューサー:市川武
出演:富山敬、吉田理保子、清水マリ、山田俊司辻村真人
いつもポケットにショパン 総集編
1982年発売、脚本:仲倉重郎、プロデューサー:市川武。
出演:小原乃梨子、富山敬、吉田理保子、清水マリ、山田俊二、辻村真人

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g 第5回 くらもちふさこ『いつもポケットにショパン』”. 少女まんがアーカイブ(アーカイブによるキャッシュ). 2012年11月1日閲覧。
  2. ^ a b 小学館漫画賞事務局『現代漫画博物館』小学館、2006年、215頁。ISBN 4-09-179003-8
  3. ^ a b c d 倉持佳代子「みんなのマンガ学 いつもポケットにショパン」『朝日新聞』2010年12月20日 夕刊 3版 7面。
  4. ^ 朝ドラに「いつもポケットにショパン」登場 くらもちファン興奮「出たー!」”. デイリースポーツ (2018年4月24日). 2018年4月28日閲覧。
  5. ^ アニメ・サントラ / いつもポケットにショパン /Anime Soundtrack /”. 2012年10月13日閲覧。
  6. ^ アニメ・サントラ / いつもポケットにショパン / OST 愛のソナタ 完結編 Anime Soundtrack /”. 2012年10月13日閲覧。