くろべ (訓練支援艦)
海上自衛隊の訓練支援艦。ドローンを管制し、対空射撃訓練を支援する。
くろべ(ローマ字:JS Kurobe, ATS-4202)は、海上自衛隊の訓練支援艦[1]。艦名は黒部峡谷に由来する。 2022年12月に制定された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[2]。
くろべ | |
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基本情報 | |
建造所 | 日本鋼管 鶴見造船所 |
運用者 | 海上自衛隊 |
艦種 | 訓練支援艦 |
級名 | くろべ型訓練支援艦 |
前級 | あづま型訓練支援艦 |
次級 | てんりゅう型訓練支援艦 |
母港 | 呉 |
所属 | 護衛艦隊第1海上訓練支援隊 |
艦歴 | |
計画 | 昭和61年度計画 |
発注 | 1986年 |
起工 | 1987年7月31日 |
進水 | 1988年5月23日 |
就役 | 1989年3月23日 |
要目 | |
基準排水量 | 2,200トン |
満載排水量 | 2,550トン |
全長 | 100.5m |
最大幅 | 16.5m |
深さ | 8.5m |
吃水 | 3.97m |
主機 | 富士ディーゼル8MG28HXディーゼルエンジン×4基 |
出力 | 9,160PS |
推進器 | |
速力 | 最大20ノット |
乗員 | 143名 |
兵装 |
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搭載機 | ヘリコプター甲板のみ |
レーダー |
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概要
編集対空射撃訓練支援用の艦で、無人標的機を射出・誘導することを主目的とする[1]。経空脅威および防空兵器の高性能化、先代の訓練支援艦「あづま」の旧式化に伴い、それを補完するものとして建造された。
平甲板型の艦型であり、前甲板には76mm単装砲1基を装備する。標的機はBMQ-34AJファイアービー、BQM-74EチャカⅢをそれぞれ4基ずつ、計8基搭載する[1]。これらの標的機は後部甲板より発射され[1]、艦上構造物トップの4面フェーズドアレイレーダーにより最大3機の同時誘導・管制が可能である[1]。
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艦首側から見た「くろべ」(右)と「てんりゅう」 -
艦尾側から見た「くろべ」(左)と「てんりゅう」 -
標的機の発射準備をしている「くろべ」
艦歴
編集「くろべ」は、中期防衛力整備計画に基づく昭和61年度計画訓練支援艦4202号艦として、日本鋼管鶴見造船所で1987年7月31日に起工され、1988年5月23日に進水、1989年3月23日に就役し、自衛艦隊に直轄艦として編入され呉に配備された。
1990年9月、海上自衛隊の艦艇として初めて女性自衛官(通信士・松尾直子3尉[3])が乗組みとなった[4]。
2008年3月26日、護衛艦隊隷下に第1海上訓練支援隊が新編され「てんりゅう」とともに編入された。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣のため被災地、宮城県女川町に向けて出港する。
2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[2]。
現在は第1海上訓練支援隊に所属し、定係港は呉である。
歴代艦長
編集代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | 備考 |
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1 | 大導寺洋吉 | 1989.3.23 - 1991.3.15 | くろべ艤装員長 | 自衛隊旭川地方連絡部募集課長 | ||
2 | 田仲隆典 | 1991.3.16 - 1993.8.15 | 第11海上訓練指導隊副長 兼 指導科長 兼 教育科長 |
第2海上訓練指導隊付 | ||
3 | 由村公男 | 1993.8.16 - 1996.3.21 | 防大10期 | 陸上自衛隊中部方面総監部勤務 | 海上自衛隊第1術科学校研究部員 | |
4 | 高橋章信 | 1996.3.22 - 1998.9.19 | 防大15期 | 第3海上訓練指導隊砲術科長 | 第1海上訓練指導隊 | |
5 | 清見幸一 | 1998.9.20 - 2000.9.19 | あづま艦長 | 護衛艦隊司令部幕僚 | ||
6 | 赤川千二 | 2000.9.20 - 2002.8.19 | とわだ副長 | 海上自衛隊幹部学校 | 就任時3等海佐 2002.1.1 2等海佐昇任 | |
7 | 川波辰男 | 2002.8.20 - 2003.10.6 | 防大25期 | 海上自衛隊第1術科学校学校教官 | さみだれ艦長 | |
8 | 山下正和 | 2003.10.7 - 2005.2.28 | 佐世保海上訓練指導隊砲雷科長 | とわだ艦長 | ||
9 | 中垣武俊 | 2005.3.1 - 2007.3.25 | あきぐも艦長 | 舞鶴海上訓練指導隊船務航海科長 | ||
10 | 竹内義人 | 2007.3.26 - 2009.3.17 | 防大24期 | はつゆき艦長 | 舞鶴海上訓練指導隊副長 | |
11 | 田畑浩一 | 2009.3.18 - 2010.12.19 | 防大25期 | せとぎり艦長 | 大湊地方総監部監察官 | |
12 | 松尾直子 | 2010.12.20 - 2013.3.27 | 長崎大・ 39期幹候 |
わかさ艦長 | 海上自衛隊第1術科学校 | |
13 | 川口裕史 | 2013.3.28 - 2014.7.31 | 防大28期 | 横須賀海上訓練指導隊教育科長 | 舞鶴基地業務隊司令 | |
14 | 久保田修一 | 2014.8.1 - 2016.8.7 | 防大31期 | 海上幕僚監部防衛部防衛課 | 舞鶴警備隊副長 | |
15 | 横手正剛 | 2016.8.8 - 2017.8.3 | 42期幹候 | 呉海上訓練指導隊砲雷科長 | 横須賀海上訓練指導隊教育科長 | |
16 | 相馬美佳 | 2017.8.4 - 2018.11.19 | 中央大学 | 横須賀海上訓練指導隊船務航海科長 | 海上自衛隊第1術科学校教官 | |
17 | 能々太郎 | 2018.11.20 - 2020.3.31 | 舞鶴海上訓練指導隊砲雷科長 | 海上自衛隊幹部学校 | ||
18 | 山本晃一 | 2020.4.1 - 2021.3.18 | おうみ副長 | 佐世保地方総監部防衛部第2幕僚室長 | ||
19 | 山口 梓 | 2021.3.19 - 2022.8.21 | 防大46期 | しまゆき艦長 | 大湊地方総監部防衛部第4幕僚室長 兼 第1幕僚室長 |
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20 | 小山内徹哉 | 2022.8.22 - 2023.8.20 | 海上自衛隊第1術科学校主任教官 兼 研究部員 |
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21 | 遠山貴一朗 | 2023.8.21 - |
登場作品
編集- 『SFX巨人伝説ライン』
- 第10話に登場。冒頭にて、舞鶴東港から出港し能登半島沖で体験航海を行っていた最中、突如として出現した怪獣バグズンの襲撃を受け、撃沈されてしまう。