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アールベルク線ドイツ語;Arlbergbahn)は、オーストリア国鉄の鉄道線の名称である。路線番号は、テルフス以東が301、以西が400オーストリアスイスを結ぶ路線である。

アールベルク線
Arlbergbahn.png
基本情報
現況 営業中
オーストリア
所在地 チロル州フォアアールベルク州
起点 インスブルック中央駅
終点 ブルーデンツ駅
駅数 24駅
路線記号 101 05
路線番号 301、400
開業 1883年7月1日
全通 1884年9月20日
所有者 オーストリア連邦鉄道
運営者 オーストリア連邦鉄道
路線諸元
路線距離 137 km
軌間 1435 mm (標準軌)
線路数 単線或は複線
複線区間 インスブルック - オェツタール
聖アントン・アム・アールベルク - ランゲン・アム・アールベルク
電化区間 全区間
電化方式 15000 V / 16.7 Hz 交流
架空電車線方式
最大勾配 31 ‰
最小曲線半径 250 m
最高速度 140 km/h
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概要編集

停車場・施設・接続路線
 
クフシュタイン - インスブルック線  S1  S2  S3 
 
-0.4 インスブルック中央駅  S4  S5 終着駅 582 m ü. A.
 
ブレンナー線  S3  S4 
 
インスブルック路面電車、シュトゥバイ谷線
 
 
1.3 インスブルック西駅 583 m ü. A.
 
ミッテンヴァルト線  S5 
 
インタール=アウトバーン(12号)
 
6.9 フォェルス 584 m ü. A.
 
10.4 ケーマテン・イン・チロル (旧普通駅)
 
12.0 ウンターペアフス ~1968
 
 
14.2 ツィアル  S4 終着駅 596 m ü. A.
 
16.9 インツィング 601 m ü. A.
 
19.2 ハッティング 605 m ü. A.
 
 
21.4 フラウアリング (旧普通駅) 609 m ü. A.
   
25.000
25.085
km誤差 (-85m)
   
25.5 オーバーホフェン・イム・インタール 620 m ü. A.
   
 
26.8 テルフス=プファフェンホフェン 623 m ü. A.
 
31.1 リーツ 635 m ü. A.
 
34.6 シュタムス 639 m ü. A.
 
36.2 モェツ 644 m ü. A.
 
38.2 ジルツ 648 m ü. A.
 
42.4 ハイミンク 669 m ü. A.
 
45.4 オェツタール 692 m ü. A.
 
46,152
46,320
km誤差 (-168 m)
   
   
   
 
47,600
47,597
km誤差 (+3 m)
 
国道171号
 
50.1 ロッペン 706 m ü. A.
 
54.7 イムスト・ピツタル (1944: イムスト)
 
L16 Pitztaler Straße
 
59.1 イムシュターベルク 724 m ü. A.
 
63.0 シェンヴィース 736 m ü. A.
 
 
65.780
65.891
km誤差 (-111 m)
   
   
   
国道180号
   
Zammer Tunnel (2335 m)
   
70.1 ツァムス 768 m ü. A.
   
   
 
71.8 ランデック・ツァムス  S1  S2 終着駅 776 m ü. A.
 
 
 
72.406
72.650
km誤差 (-244 m)
 
 
 
   
   
   
99.4 聖アントン・アム・アールベルク 1309 m ü. A.
   
99.6 聖アントン・アム・アールベルク 1303 m ü. A.
   
Arlbergtunnel (10648 m)
   
Arlbergtunnel (旧線10250 m)
   
100.600
100.828
km誤差 (-228 m)
   
 
Scheitelpunkt der Arlbergbahn 1311 m ü. A.
 
Üst St. Anton 3
 
チロル州 / フォアアールベルク州
 
 
Alfenzbrücke (L 52 m / H 17.2 m)
 
110.7 ランゲン・アム・アールベルク 1217 m ü. A.
 
 
116.1 ヴァルト・アム・アールベルク 1074 m ü. A.
 
 
121.3 ダラース 932 m ü. A.
 
 
125.2 ヒンターガッセ 824 m ü. A.
 
 
129.5 ブラツ 705 m ü. A.
 
132.7 ビングス 614 m ü. A.
 
モンタフォン線
 
136.3 ブルーデンツ 559 m ü. A.
 
フォアアールベルク線

m ü. A.;アドリア海基準の高度

アールベルク線の路線距離の中に105.8 kmがチロル州に、余りの30.9 kmはフォーアールベルク州に属する。東側の高低差は729.2 m、西側のものは752.3 mであり、西側の斜面は東側より急な勾配である。一番長いトンネルはアールベルクトンネルであり、現在の長さは10.6 kmに至る。

歴史編集

 
工事当時のアールベルクトンネルの西入り口

1840年代に英国とエジプトを結ぶ鉄道の経路としてアールベルク峠(Arlbergpass)が挙論されたが、技術的な難しさの主張も出てきた。しかし1854年ゼメリング鉄道の開通で山岳区間鉄道の建設も不可能だけではないものが証明された。繊維業者のカール=ガナール(Carl Ganahl、1807~1889)はボーデン湖アドリア海を結ぶ鉄道建設に賛成し、産業大臣(Handelsminister)のフライヘル・フォン・ブルク(Freiherr von Bruck)を後援者とした。しかしフォン・ブルクは1855年財務大臣と就任したとき、高い費用の事業を敢行しなかったため、過去の願いを記憶しようとしなかった。一方、ガナールは自分の発想を諦めず、他のヴォーアールベルクの企業家と共に予備許可(Vorkonzession)によってブレンナー線の総監督のアヒレス=トンメン(Achilles Thommen、1832~1893)に建設の事前準備を任せた。1866年12月チロルとフォーアールベルク州議会は政府に対し、鉄道建設提案を議決した。

普仏戦争中の禁輸措置(Handelsembargo)のためアールベルク線のプロジェクトは緊急になった。その時までプロジェクトを信頼しなかった産業省は1871年の夏オーストリア鉄道省(General-Inspektion)に山岳区間鉄道の新しい計画案を提出した。1870年代アールベルク線のいろいろな経路が考慮されたが、外部の専門家たちはレヒタール経由の鉄道建設と決論を出した。

アールベルク線の建設は1880年6月アールベルクトンネルの建設から始まった。トンネルは1884年5月14日完成されて、総費用は線路と信号装置を含めて3816万5282クロネンだった。インスブルック - ランデク間の建設は1881年9月始まり、1883年7月1日完了された。西側の上り坂の工事が非常に難しくても、全般的な建設作業は意外に早く進行され、翌年9月全区間が開通された。開通の2年前、建設監督のユリウス=ロト(Julius Lott、1836~1883)は病気のため自分の職責をヨハン=ポシャッハー(Johann Wilhelm Poschacher、1839~1910)に引き渡した。

インスブルック西駅-中央駅間は1913年3月、ミッテンヴァルト線の電気工事の時、電化された。そのけいけんと水力発電の利点の理由でこの路線の電化は早く行われた。電圧15000 V、周波数16 ⅔ Hzの交流システムが1925年まで全区間に設置され、運営に必要な電力はシュプラー湖とリュッツ発電所から供給された。1920年代からオリエント急行列車がこの路線に投入されていた。

 
クロンブルク-ランデック・ツァムス間の取り替えられた線路
 
改築されたイン川鉄橋
 
アールベルクトンネルのスラブ軌道

戦後アールベルク線の交通量が増加し、列車の迅速な移動のために幾つの改良工事が今まで行われた。1953年から1956年までインスブルック中央駅 - 西駅間線路の移設が行われた。中央駅から二つの線路、貨物駅(Frachtenbahnhof)から一つの線路が西駅に向かうように設計された。[1]クロンブルク - ランデク=ツァムス間は単線区間だったが、1999年まで二つのトンネルの新設と共に改良された。2001年アルペンスキー世界選手権大会を準備するためにシュナン - 聖アントン間の改良が必要だった。その結果、アールベルク線は南の方に移設され、シュナン駅、ペトナウ駅及び聖アントン駅移転された。聖アントン駅は今は新しいアールベルクトンネルの入り口と直接に結ばれている。ランゲン・アム・アールベルク - クロェステルレ間にはブリザードナトンネルが既存線路を取り替える。その結果、クロェステルレ駅は廃止された。2004年9月からアールベルクトンネルで大規模の改修工事が行われた。同時に鉄道トンネルと自動車用トンネルの間に避難用通路が2008年3月まで設置された。改修工事は2010年夏まで続き、トンネル内の列車は一時的に単線で運行された。

運行形態編集

寝台特急「ナイトジェット(NJ)」編集

下記3系統が、それぞれ一日1往復ずつ運行されている。全て、インスブルック以東は300号線、ブルーデンツ以西は401号線に直通する。2017年以前は、ユーロナイト(EN)として運行していた。

  • ウィーン/ブダペスト/プラハ - インスブルック - ブルーデンツ - チューリッヒ  ※ランゲン、ザンクトアントン通過。2018年以前はランデックも通過していた。
  • ザグレブ/グラーツ - インスブルック - ブルーデンツ - チューリッヒ   ※一部車両はユーロナイト(EN)として運転
  • ウィーン - インスブルック - ブルーデンツ - ブレゲンツ  ※エツタル、イムスト停車。一部車両はユーロナイト(EN)として運転

超特急「レイルジェット・エクスプレス(rjx)」編集

ウィーン - インスブルック - ブルーデンツ - ブレゲンツ/チューリヒ間に、下記ユーロシティ(EC)と合わせて1時間に1本の運行。インスブルック以東は300号線、ブルーデンツ以西は401号線に直通する。日中は、下記2種類の運転系統が交互に運行される。

  • エツタル、ランデク、ザンクトアントン停車 (チューリヒ発着系統)
  • イムスト、ランデク、ランゲン停車 (ブレゲンツ発着系統)

2016年以前は、2時間に1本の運行で、イムスト、エツタル、ザンクトアントン、ランゲンとも大部分が停車していた。2018年以前は、レイルジェット(rj)として運行していた。

特急「レイルジェット(rj)」編集

  • ウィーン - インスブルック - ブルーデンツ - ブレゲンツ
    一日2往復の運行。インスブルック以東は300号線、ブルーデンツ以西は401号線に直通する。早朝のブレゲンツ行1本は、インスブルック始発で運行され、エツタルとザンクトアントンにも停車する。また、冬季・夏季限定で運行される臨時列車が、エツタル・ザンクトアントンに加えテルフスにも停車する。

特急「ユーロシティ(EC)」編集

グラーツ - インスブルック - ブルーデンツ - チューリヒ間に、一日1往復の運行。インスブルックで、ウィーン方面レイルジェット(RJ)と接続する。インスブルック以東は300号線、ブルーデンツ以西は401号線に直通する。

2016年以前は、イムストとランゲンにも停車していた。

特急「インターシティ(IC)」編集

インスブルック - ブルーデンツ - ミュンスター間に、一日1往復運行している。インスブルック以東は300号線、ブルーデンツ以西は401号線に直通する。

2016年以前は、ウィーン - インスブルック - ブルーデンツ - ブレゲンツの系統もあったが、2016年末にレイルジェット(RJ)に統合された。

快速「レギオナルエクスプレス(REX)」編集

インスブルック - ランデック間の運行。平日は1時間に1本、土曜は2時間に1本の運行。休日は2時間に1本の運行で、原則、テルフス以西での各駅停車となる。

2016年以前は、時間帯によっては3時間間隔が空くこともあった。

普通「Sバーン(S)」編集

下記3つの系統に分かれる。

  • クフシュタイン - インスブルック - テルフス (S1系統)
    1時間に1本の運行。インスブルック以東は300号線に直通する。うち、一日1往復がランデックまで乗り入れる。
  • イェンバッハ - インスブルック - エツタル (S2系統)
    平日のみ、1時間に1本の運行。インスブルック以東は300号線に直通する。うち、3~4往復がランデックまで乗り入れる。休日は、一日2.5往復のみインスブルック→イムストまたはランデック間で運行される。
  • ブレンネロ - インスブルック - フェルス/ツィアル (S4系統)
    平日のみ一日1往復の運行。インスブルック以東は300号線ブレンネロ方面に直通する。
    2016年以前は、土曜日も一日片道1本のテルフス方面行が運行していた。

駅一覧編集

  • 種別
    • NJ:寝台特急「ナイトジェット」
    • RJ:超特急「レイルジェット」
    • EC:特急「ユーロシティ」
    • IC:特急「インターシティ」
    • REX:快速「レギオナルエクスプレス」
    • S:普通「Sバーン」
  • 停車駅
    • 印:全列車停車
    • 印:一部通過
    • 印:半数停車
    • 印:一部停車
    • |印:全列車通過
路線名 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ NJ rjx rj EC IC REX S 接続路線 所在地
301 インスブルック中央駅 - -0.4 300号線(ウィーン方面、ヴェローナ方面) チロル州 インスブルック市
インスブルック西駅 1.7 1.3 410号線(ゼーフェルト方面)
フェルス駅 5.6 6.9   インスブルック=ラント郡
ケーマテン・イン・チロル駅 3.5 10.4  
ツィアル駅 3.8 14.2  
インツィンク駅 2.7 16.9  
ハッティンク駅 2.3 19.2  
フラウアリンク駅 2.2 21.4  
オーバーホフェン・イム・インタル駅 4.1 25.5  
テルフス・プファッフェンホフェン駅 1.3 26.8  
400 リーツ駅 4.3 31.1   イムスト郡
シュタムス駅 3.5 34.6  
メッツ駅 1.6 36.2  
ジルツ駅 2.0 38.2  
ハイミンク駅 4.3 42.5  
エツタル駅 2.9 45.4  
ロッペン駅 4.7 50.1  
イムスト・ピツタル駅 4.6 54.7  
イムシュターベルク駅 4.4 59.1  
シェンヴィース駅 3.9 63.0   ランデック郡
ランデック・ツァムス駅 8.8 71.8  
ザンクト・アントン・アム・アールベルク駅 27.6 99.4      
ランゲン・アム・アールベルク駅 11.3 110.7       フォアアールベルク州 ブルーデンツ郡
ブルーデンツ駅 25.6 136.3     401号線(ブレゲンツ方面)、420号線(シュルンス方面)

参考文献編集

  • Carl Asmus, Johann Stockklausner, A. Ditterich: Die Arlbergbahn (Eisenbahn-Journal: Spezial 1/95). Hermann Merker Verlag, Fürstenfeldbruck 1995, ISBN 3-922404-68-5. (ドイツ語)
  • Friedrich Bischoff: Denkschrift der k. k. General-Direktion der österr. Staatsbahnen über den Fortschritt der Projektierungs- und Bauarbeiten der Arlberg-Bahn. 1890, k. k. General-Direktion der österr. Staatsbahnen im Eigenverlag, ca. 90 Seiten. (ドイツ語)
  • Hermann Strach & Autorenteam: Geschichte der Eisenbahnen der österreichisch-ungarischen Monarchie. Band 1/Teil 2, k.u.k. Hofbuchdruckerei Karl Prochaska, Wien-Teschen-Leipzig 1898. (ドイツ語)
  • Bernhard Studer: Die Arlberg-Linie. Bucheli, Zug, Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1986, ISBN 3-7168-1677-9. (ドイツ語)

脚注編集