ウメガサソウ(梅笠草、学名:Chimaphila japonica)ははツツジ科ウメガサソウ属常緑の草状の小低木[5][4][6]

ウメガサソウ
福島県会津地方 2015年7月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
亜科 : イチヤクソウ亜科 Pyroloideae
: ウメガサソウ属 Chimaphila
: ウメガサソウ C. japonica
学名
Chimaphila japonica Miq.[1]
和名
ウメガサソウ(梅笠草)[2][3][4]

新エングラー体系クロンキスト体系など、古い分類体系では、ウメガサソウ属はイチヤクソウ科の属とされていた[2][3]

特徴

編集

地上茎は直立して高さは5-10cmになる。茎は単一かときに分枝する。は、ふつう2-3個が茎の節ごとに輪生状に集まってつき、各段の間には鱗片葉が互生してつく。葉は長さ2-3.5cm、幅0.5-1.3cmになる長楕円形または披針形で、先はとがり、縁にはとがった鋸歯があり、短い葉柄がある[2][3][4][6]

花期は6-7月。茎先に花茎が伸び、花茎に点状の細毛があり、1-3個の卵状楕円形のがつく。はふつう1個、まれに2個つき、はじめやや下向きにつくが、果実として熟すにつれ上向きになる。は5裂し、萼裂片は長さ6-7mmになる披針形で、先はややとがり、果時まで残る。花は白色で5個の花弁が離生し、径約1cmの広鐘形になる。雄蕊は10個。子房は球形で花柱がなく、柱頭は平たい円形となる。果実は径6-7mmになる扁球状の蒴果で5室からなり、胞背裂開する[2][3][4][6]

分布と生育環境

編集

日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、やや乾燥した丘陵、海岸、山地の林中に生育する。世界では、樺太、千島列島、朝鮮半島、中国大陸の中部・東北部に分布する[2][3][4]

和名の由来

編集

和名ウメガサソウは、梅笠草の意で、花の形がウメ「梅」に似て下向きに咲く様子を「笠」に見立てたことによる[2][3]

ギャラリー

編集

脚注

編集
  1. ^ ウメガサソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『日本の野生植物 草本III 合弁花類』pp.5-6
  3. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.526
  4. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.380
  5. ^ 大場『植物分類表』pp.179-180
  6. ^ a b c 『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.226-229

参考文献

編集