ウメガサソウ属(ウメガサソウぞく、学名:Chimaphila、和名漢字表記:梅笠草属)はツツジ科の一つ[3][4]

ウメガサソウ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
亜科 : イチヤクソウ亜科 Pyroloideae
: ウメガサソウ属 Chimaphila
学名
Chimaphila Pursh[1]
タイプ種
C. maculata (L.) Pursh[2]
  • 本文参照

新エングラー体系クロンキスト体系など、古い分類体系ではイチヤクソウ科の属とされていた[1][5]

特徴 編集

常緑の草状の小低木。植物体は緑色だが、部分的菌従属栄養植物である。地下茎が長くはい、そこから地上茎が直立する。は、地上茎に年次が異なるものが2-3段に3-6個ずつ輪生状に集まってつき、各段の間には鱗片葉が互生してつく。葉には短い葉柄があり、質は革質となる[1][5][4]

は、茎の先に散房花序をつけ、1-8個を下向き、ときに横向きにつける。は5裂し、萼裂片は縁が毛状に不規則に裂け、果時まで残存する。花は5個の花弁が離生して広鐘形になり、放射相称になる。雄蕊は10個あり、葯の上端の孔から花粉を散らす。花粉は4集粒。花柱は短く太く、柱頭は深く5裂する。果実は扁球状の蒴果で5室からなり、胞背裂開する。種子は小さく、両端がとがる長楕円形になる[1][5][4]

分布 編集

世界に5種あり、日本のほか、ブータン、中国大陸、朝鮮半島、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ、中央アメリカに分布する[6]。日本には2種ある[1][5][4]

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学名の記載はYListおよびThe Plant Listによる。

日本に分布する種 編集

  • ウメガサソウ Chimaphila japonica Miq. - 花は1-2個つく。日本では、北海道、本州、四国、九州に、世界では、樺太、千島列島、朝鮮半島、中国大陸(中部・東北部)に分布する[1]
  • オオウメガサソウ Chimaphila umbellata (L.) W.P.C.Barton - 花は散房状に3-9個つく。日本では、本州の茨城県以北の太平洋側から北海道に、世界では、ヨーロッパ、アジア、北アメリカの周極地方に広く分布する[1][5]

国外に分布する種 編集

  • Chimaphila maculata (L.) Pursh
  • Chimaphila menziesii (R.Br. ex D.Don) Spreng.
  • タイワンウメガサソウ Chimaphila monticola Andres

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 『日本の野生植物 草本III 合弁花類』pp.5-6
  2. ^ Chimaphila Pursh Tropicos
  3. ^ 大場『植物分類表』pp.179-180
  4. ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.380
  5. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』pp.526-527
  6. ^ Chimaphila , Flora of China

参考文献 編集