エゾノヨロイグサ

エゾノヨロイグサ(蝦夷の鎧草、学名: Angelica sachalinensis)は、セリ科シシウド属多年草[7][4][8]

エゾノヨロイグサ
Angelica sachalinensis 1.JPG
青森県上北地方 2017年7月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: シシウド属 Angelica
: エゾノヨロイグサ
A. sachalinensis
学名
Angelica sachalinensis Maxim. var. sachalinensis[1]
シノニム
  • Angelica cincta auct. non H.Boissieu[2]
  • Angelica anomala auct. non Ave-Lall.[3][4]
  • Angelica anomala Ave-Lall. subsp. sachalinensis (Maxim.) H.Ohba[5]
  • Angelica amurensis Schischk.[6]
和名
エゾノヨロイグサ(蝦夷の鎧草)[7]

特徴編集

はふつう紫色を帯び、直立して高さ1-2m、太さは径1-3cmになり、中空で、上部は分枝し、しばしば上部の節に細かい毛状突起がある。長い葉柄があり、は大型の三角形で、長さ幅ともに30-50cmになり、2-3回3出羽状複葉で、さらに2-3裂することがある。小葉は質がやや厚く、裏面は白色を帯び、長楕円形から狭卵形で、長さ9-20cm、幅4-9cm、先は鋭尖頭または鋭頭、縁は鋭鋸歯になり、基部は切形または広いくさび形となり、しばしば小葉柄に翼状に流れる。茎の上部の葉は小さく退化し、葉柄の基部は倒卵形に鞘状になってふくらむ[7][8]

花期は7-8月。茎先や分枝した枝の先端に、細かい毛状突起のある大型の複散形花序をつけ、径3mmの白色の小型の5弁のを多数、密につける。花はときに淡紅色を帯びることがある。複散形花序の下に総苞片は無く、小花序の下に小総苞片は無いかまたは少数個ある。花柄は30-60個あり、長さ5-8cmになり、小花柄は細く40-60個あり、長さは5-15mmになる。果実は楕円形で、長さ6-10mmになり、分果の背面に3脈あり、側隆条は扁平で広い翼が張り出す[7][8]。油管は、分果の表面側の各背溝下に1個ずつ、分果が接しあう合生面に2個ある[4]

分布と生育環境編集

日本では、本州(中部地方以北および山陰地方)、北海道に分布し[8]、山地の林縁など、日当たりのよい場所に生育する[7]。世界では、朝鮮半島中国大陸(東北部)、樺太、ウスリー、シベリア東部に分布する[8]

名前の由来編集

和名エゾノヨロイグサは、「蝦夷の鎧草」の意で[7][8][9]、「鎧草」とは、同属のヨロイグサ A. dahurica のこと[8]で、2-4回3出羽状複葉の小葉の連なるようすを、の「板」や「草摺」に見立てたもの[9]。「蝦夷の」とは、そのヨロイグサに似て、北海道に産することによる[8]

種小名 sachalinensis は、「サハリン(樺太)の」の意味[8]

ギャラリー編集

下位分類編集

次のような下位分類を認める場合がある。

  • ミチノクヨロイグサ Angelica sachalinensis Maxim. var. glabra (Koidz.) T.Yamaz.[10] - 本州の青森県から石川県までの日本海側の低山地に分布する。油管は、分果の表面側の各背溝下に1-2個ずつ、分果が接しあう合生面の左右に扁平なものが2-3個ずつある[11]
  • ホソバノヨロイグサ Angelica sachalinensis Maxim. var. kawakamii (Koidz.) T.Yamaz.[12] - 利尻島礼文島に分布し、葉幅が細く、果実が小さい[13]
  • ケエゾノヨロイグサ Angelica sachalinensis Maxim. var. sachalinensis f. pubescens (T.Yamaz.) T.Yamaz.[14]
  • サンインヨロイグサ Angelica sachalinensis Maxim. var. sachalinensis f. saninensis T.Yamaz.[15] - 同属のシシウドに似る。本州の近畿地方北部、山陰地方に分布する。葉裏は白くならなく、葉裏に毛がない。油管は、分果の表面側の各背溝下に 1個ずつの太いものがあり、しばしば細い油管もある[13]

脚注編集

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  1. ^ エゾノヨロイグサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ エゾノヨロイグサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ エゾノヨロイグサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ a b c 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.389
  5. ^ エゾノヨロイグサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  6. ^ エゾノヨロイグサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  7. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.474
  8. ^ a b c d e f g h i 『新牧野日本植物圖鑑』pp.516-517, p.1345
  9. ^ a b 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.53
  10. ^ ミチノクヨロイグサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  11. ^ 山崎敬「日本におけるエゾノヨロイゲサの変異」『植物研究雑誌』Vol.61,No.8,pp.238-239,(1986)
  12. ^ ホソバノヨロイグサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  13. ^ a b 山崎敬「日本におけるヨロイゲサ, エゾノヨロイゲサ, シシウドについて」『植物研究雑誌』Vol.64,No.3,pp.85-94,(1989)
  14. ^ ケエゾノヨロイグサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  15. ^ サンインヨロイグサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献編集