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レオノーラ・パイパーによる自動筆記 (1911)

オートマティスム: Automatisme)とは、心理学用語で「筋肉性自動作用」という意[1]。あたかも、何か別の存在に憑依されて肉体を支配されているかのように、自分の意識とは無関係に動作を行ってしまう現象などを指す。自動作用によって筆記を行う現象を自動筆記(: Automatic writing)、自動書記、自動記述などと呼ぶ。

目次

霊媒による自動作用編集

霊媒霊能者チャネラーなどと呼ばれる人々は、「死者のが下りてきた」「神や霊に命令されている/体を乗っ取られている」「高次元の存在や宇宙人とチャネリングを行う」などの理由により、無意識的にペンを動かしたり語り始めたりする。これは神霊などがこの世界に接触を図る方法として説明されている。日本ではかつて「神がかり」「お筆先」とも呼ばれていた。

霊媒による自動作用ではトランス状態で生じる場合と、意識を保ったまま自動作用が発生する場合がある[1]。筆記者が知り得ない情報や習得していない言語を筆記した、通常ではありえない速度での筆記などの報告がある。

シュルレアリストによる自動筆記編集

第一次世界大戦後、フランスの詩人でダダイストでもあったアンドレ・ブルトンは、ダダと決別して精神分析などを取り入れ、新たな芸術運動を展開しようとした。彼は1924年、「シュルレアリスム宣言」の起草によってシュルレアリスム(超現実主義)を創始したが、彼が宣言前後から行っていた詩作の実験がオートマティスム(自動記述)と呼ばれている。

これは眠りながらの口述や、常軌を逸した高速で文章を書く実験などだった。半ば眠って意識の朦朧とした状態や、内容は二の次で時間内に原稿用紙を単語で埋めるという過酷な状態の中で、美意識倫理といったような意識が邪魔をしない意外な文章が出来上がった。無意識や意識下の世界を反映して出来上がった文や詩から、自分達の過ごす現実の裏側や内側にあると定義された、より過剰な現実、すなわち「超現実」が表現でき、自分達の現実も見直すことができるというものだった。

原理の解明編集

心霊主義の立場ではオートマティスムを憑依現象の一種と考えて、霊が霊媒の手を借りて意思表示や創作を行っていると説明している[1]

科学的にはオートマティスムは自己催眠の一形態として説明されるケースがある。統合失調症夢遊病など、何らかの病的要因が潜んでいるケース、薬物などの使用によるケースも指摘されている。

ウィジャボードコックリさんの原理は、観念性運動と呼ばれる筋肉の無意識の動きとして説明されている[1]

主なオートマティスム編集

脚注編集

  1. ^ a b c d 羽仁礼『超常現象大事典:永久保存版』成甲書房 2001 p.70 Google Books版 2017年9月28日閲覧。

関連項目編集