カトリーヌ・ジョニオー

カトリーヌ・ジョニオー[1]Catherine Jauniaux)は、ベルギーのアヴァンギャルド・シンガー。彼女は「一人の女性オーケストラ (one-woman-orchestra)」、「人間サンプラー (human sampler)」、そして「即興音楽の世界で最もよく守られている秘密の1つ (one of the best kept secrets in the world of improvised music)」と評されている[2][3]。ソロ・アルバム『Fluvial』(1983年)は、彼女の最も完成度の高い作品の1つと見なされている[4]。彼女はアメリカの実験的チェロ奏者にして作曲家であった故トム・コラと結婚した。

カトリーヌ・ジョニオー
Catherine Jauniaux
出身地 ベルギーの旗 ベルギー
ジャンル エクスペリメンタル・ロック実験音楽
職業 ミュージシャン
担当楽器 ボーカル
活動期間 1977年 -
共同作業者 ヴィブラスラップス、ザ・ハット・シューズ、トム・コラティム・ホジキンソン

略歴 編集

カトリーヌ・ジョニオーは、15歳にしてベルギーで女優としてのキャリアを開始した。1970年代後半から1980年代初頭にかけて、アクサク・マブールザ・ワークなど、いくつかのエクスペリメンタル・ロック・グループと歌った[3]。1983年に彼女はロンドンでザ・ワークのティム・ホジキンソン(元ヘンリー・カウ)と組んで、彼女の最初のソロ・アルバム『Fluvial』を録音した[2]。ジョニオーとホジキンソンは、アルバムのほとんどの曲を作成した。これらの曲は「現代アート・ソング、アフリカの歌、ネイティブ・アメリカンの伝説、エイリアンの保育園のリズム」の要素を含む「想像上の民謡」である[4]。アルバムは、ジョニオーの声を中心に、ホジキンソン、ビル・ジローニス(ザ・ワーク)、リンジー・クーパー(元ヘンリー・カウ)、ジョージー・ボーン(元ヘンリー・カウ)によるインストゥルメンタルを加えている。オールミュージックは、このアルバムを「特に珍しい女性のボーカル・アートのファンに強くお勧めします」と評価した[4]

1990年代初頭、ジョニオーはニューヨークへ移り、ダウンタウンの音楽シーンに参加し、フレッド・フリストム・コラマーク・リボージーナ・パーキンス、ブッチ・モリス、イクエ・モリなどの多くのミュージシャンと共演した。ジョニオーはイクエ・モリとヴィブラスラップス (Vibraslaps)というデュオを結成し、後にトム・コラと結婚した。1995年、ジョニオーとコラは南フランスに移り住み、ルイ・スクラヴィスハイナー・ゲッベルス大友良英クリスチャン・マークレーなど、さまざまなヨーロッパ等のミュージシャンと共演し続けた[3]。コラは1998年に亡くなった。

ジョニオーはダンスや映画の分野のアーティストと定期的に協力し、1991年にフランクフルトにおいてハイナー・ゲッベルスのオペラ『Roemische Hunde』で歌った[2]。彼女は現実と想像の両方の伝統音楽に触発されており、彼女のパフォーマンスは真剣さとユーモアをミックスしている。彼女はサウンド、感情、メロディ、抽象化を探求し、彼女のボーカルの即興演奏は「伝統的なフランスのシャンソン」から「息を呑むようなフォーク」、「ダダイスムグロソラリア」まで多岐にわたる[5][6]

ディスコグラフィ 編集

リーダー・アルバム 編集

参加バンド 編集

アクサク・マブール

  • 『頭痛の為の11のダンス療法』 - Onze Danses Pour Combattre la Migraine (1977年、Kamikaze)
  • 『無頼の徒』 - Un Peu de L'âme des Bandies (1980年、Crammed Discs)

Des Airs

  • Lunga Notte (1982年、Crammed Discs)

ザ・ワーク

  • 『スロウ・クライムズ』 - Slow Crimes (1982年、Woof)
  • The Worst of Everywhere (1983年、Woof) ※カセット

ザ・ハット・シューズ

  • Differently Desperate (1991年、RecRec Music)
  • Home (2002年、RecRec Music)

アンディ・ボール

  • Ramshackle Pier (2004年、Ad Hoc)

ザ・ロウエスト・ノート

  • WOOF 7 Inches (2004年、Ad Hoc)

脚注 編集

  1. ^ カトリーヌ・ジョニオ」の表記もある。
  2. ^ a b c Biography Catherine Jauniaux (Belgium)”. Institute for Living Voice. 2009年4月15日閲覧。
  3. ^ a b c Catherine Jauniaux” (フランス語). Cityvox. 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月14日閲覧。
  4. ^ a b c Couture, François. “Fluvial”. AllMusic. 2009年4月14日閲覧。
  5. ^ Catherine Jauniaux” (フランス語). L'Atelier d'Exploration Harmonique. 2008年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月14日閲覧。
  6. ^ “Tonight in NYC: Catherine Jauniaux”. Warped Reality Magazine. http://www.warpedrealitymagazine.com/2007/08/tonight_in_nyc_catherine_jauni.html 2009年4月16日閲覧。. 

外部リンク 編集