マーク・リボー

アメリカ合衆国のミュージシャン

マーク・リボー[1](Marc Ribot、1954年5月21日 - )は、アメリカ合衆国ギタリスト作曲家。主に実験音楽フリー・ジャズの分野で活動し、また、トム・ウェイツSIONエルヴィス・コステロ等のシンガーソングライターとも共演している。

マーク・リボー
Marc Ribot
マーク・リボー(2007年)
基本情報
生誕 1954年5月21日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニュージャージー州ニューアーク
ジャンル 実験音楽フリー・ジャズオルタナティブ・ロック
職業 ギタリスト作曲家
担当楽器 ギターバンジョートランペット
活動期間 1970年代 -
レーベル アイランド・レコード
DIW
ツァディク
アトランティック・レコード
PI Recordings
共同作業者 ラウンジ・リザーズ
トム・ウェイツ
SION
エルヴィス・コステロ
ジョン・ゾーン
エレクトリック・マサダ
セラミック・ドッグ
公式サイト www.marcribot.com

来歴 編集

ニュージャージー州ニューアーク出身。

1978年ニューヨークに移り、ジャック・マクダフウィルソン・ピケットのバック・バンドを経て[2]1984年ラウンジ・リザーズアート・リンゼイの後任として加入。個人では、ジョン・ゾーンのメジャー・デビュー作『復讐のガンマン〜エンニオ・モリコーネ作品集 (The Big Gundown)』の制作にも協力した。その後、ラウンジ・リザーズのメンバーとジャズ・パッセンジャーズを結成。

セッション活動 編集

セッション・プレイヤーとしてジョン・ルーリーと共にトム・ウェイツレイン・ドッグ』(1985年)に参加、その後もウェイツのアルバム制作やツアー・メンバーに加わり、日本でリボーのプレイは高い評価を得る。日本のシンガー・ソングライターSIONのアルバム『春夏秋冬』(1987年)にも参加し、以後、SIONと親交を深めていった[3]。リボーの表現力は多くのシンガーに共感を得る存在となり、ビートニクアレン・ギンズバーグポール・マッカートニーが連名で発表したシングル「Ballad of the Skeletons」(1996年)に参加している[4]

また音楽プロデューサーT・ボーン・バーネットが手がける作品に関与することとなり、エルヴィス・コステロのアルバム『スパイク』(1989年)への参加以降、度々共演するようになった。2007年には彼のプロデュースした、アリソン・クラウスロバート・プラントのアルバム『レイジング・サンド』に参加し、アルバム発表後のツアーにも同行、レッド・ツェッペリンの曲などを演奏した。矢野顕子との2008年のアルバム『akiko』の制作にも大きく寄与して、そのアイデアを生かしてレッド・ツェッペリンの曲を取り上げている。

ソロ、リーダー・グループ活動 編集

1990年、初のリーダー・アルバム『Rootless Cosmopolitans』をAntilles Recordsから発表、自作曲に加え、ジミ・ヘンドリックスビートルズデューク・エリントンの曲を独自の解釈で演奏している。またノイズフリー・ジャズをミックスしたグループであるシュレックや、キューバのギタリスト、アルセニオ・ロドリゲスの楽曲を演奏した『マーク・リボーと偽キューバ楽団』名義でライブ活動を行うことにより評価されている。サルサの伝説、ジョー・バターンと共演する他、このバンドで2001年に来日している。単独のギター演奏によるパフォーマンスやアルバムをリリースしていてビートルズアルバート・アイラーの曲がたびたび取り上げられている。また2005年にはインディペンデントのレーベルPI Recordingsから、アルバート・アイラーのトリビュート・アルバム『Spiritual Unity』をヘンリー・グライムスとのカルテットで発表。アイラーの微妙なヴィブラートをギターで表現している。リーダー名義ではないがジャズ・パッセンジャーズヴィブラフォン奏者であるビル・ウェアとのデュオ作『サー・デューク (Sir Duke)』でデューク・エリントンの楽曲を構築している。2007年には、トリオ編成のセラミック・ドッグを結成、2008年にファースト・アルバム『パーティー・インテレクチュアルズ』発表。

ジョン・ゾーンの主宰するレーベルツァディクから、様々なカテゴリー(映画音楽現代音楽急進ユダヤ音楽)のアルバムを制作している。

  • ギターそのものの特性を生かしたビブラート、スクラッチ、ピッキング・ノイズやアンプ、スピーカーを使った歪み、フィードバックなどに特徴があるのがマーク・リボーのギター・スタイルでもある。

共演アーティスト 編集

「来歴」で触れたアーティストは除く。姓またはバンド名の五十音順。

他多数

公式サイトのバイオグラフィーおよびMarc Ribot>Credits(allmusic.com)を参考に選定。

ディスコグラフィ 編集

 
オーストリアで演奏するマーク・リボー(2010年)

リーダー・アルバム 編集

  • Rootless Cosmopolitans (1990年)
  • 『レクイエム・フォー・ホワッツ・ヒズ・ネーム』 - Requiem for What's His Name (1992年)
  • Marc Ribot Plays Solo Guitar Works of Frantz Casseus (1993年)
  • 『シュレック』 - Shrek (1994年)
  • Subsonic 1: Sounds of a Distant Episode (1994年) ※フレッド・フリスとの連名
  • The Book of Heads (1995年) ※ジョン・ゾーンとの連名
  • 『ドント・ブレイム・ミー』 - Don't Blame Me (1995年)
  • Shoe String Symphonettes (1997年)
  • 『キューバとの絆〜アルセニオ・ロドリゲスに捧ぐ』 - The Prosthetic Cubans (1998年) ※with Los Cubanos Postizos
  • Yo! I Killed Your God (1999年)
  • 『!ムイ・ディベルティード! (めっちゃ愉快!)』 - ¡Muy Divertido! (2000年) ※with Los Cubanos Postizos
  • 『セインツ』 - Saints (2001年)
  • Scelsi Morning (2003年)
  • Soundtracks Volume 2 (2003年)
  • Spiritual Unity (2005年)
  • Asmodeus: Book of Angels Volume 7 (2007年)
  • Exercises in Futility (2008年)
  • 『パーティー・インテレクチュアルズ』 - Party Intellectuals (2008年)
  • Silent Movies (2010年)
  • 『ユアー・ターン』 - Your Turn (2013年) ※with セラミック・ドッグ
  • 『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 - Live at the Village Vanguard (2014年) ※with Henry Grimes and Chad Taylor。マーク・リーボウ・トリオ名義
  • 『ライヴ・イン・トーキョー』 - The Young Philadelphians: Live in Tokyo (2016年) ※with ヤング・フィラデルフィアンズ
  • 『ホワイ・アー・ユー・スティル・ヒア?』 - YRU Still Here? (2018年) ※with セラミック・ドッグ
  • Songs of Resistance: 1942–2018 (2018年)

脚注 編集

  1. ^ マーク・リーボウ」の表記もある
  2. ^ 『パーティー・インテレクチュアルズ』日本発売盤CD (DUJ-039) ライナーノーツ(前泊正人)
  3. ^ SION|Profile (BMGjapan.com)
  4. ^ Ballad of the Skeletons>Overview(allmusic.com)

外部リンク 編集