カーニバルCarnival, ハングル: 카니발)は、韓国KIAが生産するMPV (ミニバン) である。海外市場ではセドナSedona)の名で販売される。

歴史 編集

初代(KV-II型、1998年-2005年) 編集

キア・カーニバル
 
初代カーニバル前期型
 
初代カーニバル前期型
概要
製造国   韓国
販売期間 1998年 - 2005年
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 4ドアミニバン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 2.5 L Rover KV6
3.5 L V6
2.9 L CRDi
変速機 4速AT/5速AT/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,910mm
全長 4,890 - 4,930mm
全幅 1,895mm
全高 1,730 - 1,770mm
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1998年登場。全長約4.9mの大柄なMPVである。「カーニバル」の名称は韓国、欧州、豪州などで用いられ、北米および英国ではセドナSedona )の名称で販売された。搭載されたエンジンは、2,497ccのV6DOHCで、5段マニュアルもしくは4段オートマティックが組み合わせた。また、マレーシアではキアの販売を行なっているナザで生産され、「ナザ・リア」(Naza Ria )の名称で国産車として販売されている(もっとも外観上の違いはバッジとグリル程度にすぎない)。なお、韓国ではマイナーチェンジで「カーニバルII」の名称になっている。日本では2000年版の「輸入車ガイドブック」 (日刊自動車新聞社) に「輸入予定車種」として掲載されたが、結局導入されなかった。

   
初代カーニバル後期型

2代目(VQ型、2005年-2014年) 編集

キア・カーニバル
 
2代目グランドカーニバル前期型
 
2代目グランドカーニバル前期型
概要
製造国   韓国
販売期間 2005年 - 2014年
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 4ドアミニバン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:2.7L Mu V6
3.5L Lambda V6
3.8L Lambda V6
ディーゼル:2.2L CRDI VGT R-Line L4
2.9L CRDI VGT L4
変速機 4速AT/5速AT/6速AT/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,890mm (ショート)
3,020mm (ロング)
全長 4,810mm (ショート)
5,130mm (ロング)
全幅 1,985mm
全高 1,760mm (ショート)
1,780mm (ロング)
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ロングホイールベース版 (2005年-2014年) 編集

2005年2月のシカゴ・モーターショーで新型「セドナ」として世界初公開され、その後韓国でグランドカーニバルGrand Carnival )として発売開始、北米でも2006年2月に発売された。北米市場の嗜好にあわせて全長は約5.1mとさらに大きくなり、北米版ホンダ・オデッセイ、トヨタ・シエナ日産・クエストに匹敵する大型MPVとなった。エンジンは韓国仕様車は2.9リットルのコモンレールディーゼルエンジンを、北米仕様車はV型6気筒3.8リットルのガソリンエンジンを搭載する。韓国仕様車では4列シート11人乗りというレイアウトを採っているが、これは韓国内の税法が9人乗り以上を乗合車ミニバス)とする法規に変わったための措置である。そのため韓国内ではバスとして扱われ、バス専用車線を走行することも可能である。現代自動車からも姉妹車ヒュンダイ・アントラージュHyundai Entourage )が2006年2月のシカゴ・モーターショーで発表され、同年4月から発売が開始された。ただしこちらは北米のみの専売車種となる。また、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)により実施されているNCAP(新車アセスメントプログラム)で最高の5つ星の評価を得た。

   
2代目グランドカーニバル後期型

ショートホイールベース版 (2006年-2013年) 編集

韓国で2006年1月24日に新型「カーニバル」として発表。その後、3月のジュネーヴ・モーターショーで欧州デビューを果たす。英国では先代同様「セドナ」の名称が使用される。こちらは欧州市場向けに全長を約4.8m程度に収めた中型MPVである。エンジンは2.9リットルのコモンレールディーゼルエンジンと、V型6気筒2.7リットルのガソリンエンジン(欧州仕様車のみ)が用意される。

3代目(YP型、2014年 - 2023年) 編集

キア・カーニバル
 
3代目カーニバル
 
3代目カーニバル
概要
製造国   韓国
販売期間 2014年 -2023年
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 4ドアミニバン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:3.3L Lambda II MPi V6
3.3L Lambda II GDi V6
ディーゼル:2.2L CRDI VGT R-Line L4
変速機 4速AT/5速AT/6速AT/5速MT
車両寸法
ホイールベース 3,060mm
全長 5,115mm
全幅 1,985mm
全高 1,740–1,755mm
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9年ぶりのフルモデルチェンジとなる今回は、4年4か月の時間と3500億ウォンの費用をかけて開発された[1]

ニューヨークモーターショー2014で新型「セドナ」としてワールドプレミア[2]。フロントは近年のキアのデザインアイコン「タイガーノーズグリル」を大型・直立化したものが採用され、新開発となるプラットフォームはホイールベースを先代比で+40mmとして居住性を高めるとともに、車体全体の76%に高張力鋼を使用することで剛性を36%引き上げた。北米仕様は3列シート仕様の7/8人乗りとなり、エンジンは先代の3.5L・V6から新開発の3.3L・V6・GDiに変更された。

市販仕様については、先ず韓国で2014年5月22日に発表・発売開始された。同仕様は2.2L・VGTディーゼルエンジンのみの設定となり、4列/2-2-2-3レイアウトの9人乗りとバスレーンも走行可能な4列/2-3-3-3レイアウトの11人乗りの2種を用意されたが、のちに2-2-3レイアウトの7人乗り「リムジン」も登場したため(この仕様変更に伴い、3.3L・V6・GDiも追加されている)、計3種となった。前2仕様については4列目の格納方法を改良することで、6人ないしは8人乗車時で先代比2倍以上となる546Lの荷室空間を確保した。

オーストラリアにおいては、安価かつ頑丈な多人数車として人気があり、「2016ドライブ・カー・オブ・ザ・イヤー・アワード」において、「ベストピープルムーバー」に選ばれている。

4代目(KA4型、2020年 - ) 編集

キア・カーニバル
 
4代目カーニバル(韓国仕様)
概要
製造国   韓国
販売期間 2020年-現在
デザイン Karim Habib
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 4ドアミニバン
駆動方式 FF
プラットフォーム Hyundai-Kia N3
パワートレイン
エンジン
変速機 8速AT
車両寸法
ホイールベース 3,090mm
全長 5,155mm
全幅 1,995mm
全高 1,740–1,775mm
車両重量 1,985-2,144kg
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2020年6月、韓国にて発表。同年7月28日より事前契約を開始、翌8月18日に発売した。6年ぶりのフルモデルチェンジとなった4代目はスタイリッシュなデザインと最新の利便性、キアのアイデンティティである「タイガーノーズ」をベースとしたシンフォニックアーキテクチャラジエーターグリル、Cピラーの立体パターンクロームトリムとリアコンビネーションランプで構成され、スマート電動スライドドア、スライドドアとテールゲートの同時開閉、乗降ライトなど、様々な新技術も採用されている。

プラットフォームは「Type N3」を採用。これは主要メカニズムとともに、のちにヒュンダイ・スターリアにも採用されることとなる。

脚注 編集

外部リンク 編集

キア・カーニバル (朝鮮語)

CARNIVAL (英語)