キハギ(木萩[3]学名Lespedeza buergeri または Lespedeza buergeri var. oldhamii)は、マメ科ハギ属の顕花植物。別名は、ノハギ[4]、マルバキハギ[1]ハギ類の中では最も早く花をつけ、山野に自生したり、庭木に植えられる[4]

キハギ
キハギ(木萩)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: マメ目 Fabales
階級なし : バラ類 Rosids
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: Desmodieae
: ハギ Lespedeza
: キハギ
L. buergeri
変種 : キハギ
L. buergeri var. oldhamii
学名
Lespedeza buergeri Miq. var. oldhamii (Miq.) Maxim. (1873) 標準[1]
または
Lespedeza buergeri Miq. (1867) 標準[2]
和名
キハギ(木萩)

名称 編集

和名キハギ漢字で「木萩」と書き、ハギのなかまの中でも茎が木質化して、幹が太く低木らしい姿になることに由来する[5][3]。別名のひとつノハギは、野に生える萩の意味である[5]

特徴 編集

日本の本州四国九州に分布する[4]。日当たりのよい山野に生える[5]

落葉広葉樹低木[4]株立ちし、高さは1.5 - 3メートル (m) になる[4][5]。ハギ類の中でも幹が太くなり、径4センチメートル (cm) ほどになる[3]樹皮は淡灰褐色で縦に裂けて薄く剥がれる[3]。一年枝は淡褐色で、短い毛が多く生えており、枝先は枯れることが多い[4][3]

3出複葉で、小葉は長さ2 - 4センチメートル (cm) あり裏側には毛が生えている[4][5]

花期は夏から初秋(7 - 9月)[4][5]。長さ1 cmほどあるハギ特有の蝶形のをつける[4]。花色は淡黄白色で、旗弁の基部と翼弁は濃紫色をしている[5]

果実豆果で、花後に扁平のをつけ中に種子が1個だけ入り、10月ごろに熟す[4]。冬になっても果実は残っていることがある[3]

冬芽は褐色の楕円形で毛があり、枝に互生する[3]。冬芽の芽鱗は5 - 6枚あり、縦に細い筋がある[3]。葉痕は半円形で、維管束痕は不明瞭である[3]。また、冬芽には赤みを帯びた托葉が残ることが多く、葉痕が隠れて見えにくい[3]

近似種 編集

長崎県対馬朝鮮半島に自生するチョウセンキハギは、本種に似ているが紅紫色の花を咲かせるため見分けがつく[5]

出典 編集

参考文献 編集

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、190頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、76頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 邑田仁米倉浩司編『APG原色牧野植物大図鑑I』(初版)北隆館、2012年4月25日、517頁。ISBN 978-4-8326-0973-0 

関連項目 編集

外部リンク 編集