クサフジ(草藤[4]学名: Vicia cracca)はソラマメ属に属する多年草。和名の由来は、葉と花がフジに似ていることから[5]。別名、ガーデンベッチ[1]、ケクサフジ[1]中国名は、多花野碗豆[1]、廣布野豌豆[1]

クサフジ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: ソラマメ属 Vicia
: クサフジ V. cracca
学名
Vicia cracca L. (1753)[1]
シノニム

特徴

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北海道本州四国九州に分布する[4]。山地の草原の日当たりの良い場所や林縁に生える[4][5]

茎はつる状で、長さは80 - 150センチメートル (cm) になる[4]。茎は角張り、細かい毛がある[5]羽状複葉でやや薄く、18 - 24個ほどの小葉と先端が分枝する巻きひげからなる[4]。小葉は長さ1 - 3 cmの狭卵形[4]托葉は小さく2歯があるが、無いものもある[6]

花期は5 - 9月で、茎の上部にある葉の腋から花柄を伸ばす[5]。淡紫色から青紫色の蝶形花が長い総状花序に蜜になって咲く[4]。花の長さは、10 - 12ミリメートル (mm) 。5歯のあるをもち、下側の1歯が特に長い。果実豆果で毛がなく、長さが2 - 3 cm、幅が5 - 6 mmの長楕円形になる[4]。普通、莢の中に2 - 6個ほどの種子ができる[4][6]

 
種子

利用

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食べられる野草のひとつで、柔らかい新芽や葉を摘んで食用にできる[4]。採取時期は、中部以西の西日本が4月、関東地方が4 - 5月、東北地方以北では4 - 6月ごろとされる[4]。茹でてから水にさらし、和え物おひたし酢の物にしたり、クセはなく生のまま天ぷらサラダの付け合わせなどにする[4]。花の花弁だけを摘んで、軽く湯通しして酢の物にもできる[4]

近縁種

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  • ヒロハクサフジ Vicia japonica A.Gray 
三重県以東の海岸に分布する。小葉が10 - 16個でやや幅広く、小葉の側脈が横に張り出す[6]。クサフジと同様に食用になる[4]
  • オオバクサフジ Vicia pseudo-orobus Fisch. et C.A.Mey.
小葉が4 - 10個になり、楕円形の小葉の幅が15-30mmになる[6]

脚注

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  1. ^ a b c d e 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Vicia cracca L. クサフジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月8日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Vicia cracca L. var. canescens (Maxim.) Maxim. ex Franch. et Sav. クサフジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月8日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Vicia cracca L. f. canescens Maxim. クサフジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 高橋秀男監修 2003, p. 44.
  5. ^ a b c d 日本の野草・雑草(2009)
  6. ^ a b c d 原色野草観察検索図鑑(1981)

参考文献

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  • 長田武正『原色野草観察検索図鑑』保育社、1981年、285頁。ISBN 978-4-586-30058-7 
  • 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、44頁。ISBN 4-05-401881-5 
  • 日野 東『日本の野草・雑草』成美堂出版、2009年、245頁。ISBN 978-4-415-01009-0 

関連項目

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