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クライムハンターシリーズ

クライムハンター3 皆殺しの銃弾から転送)

クライムハンターシリーズとは、世良公則主演によるオリジナルビデオシリーズ。東映ビデオにて、計3作品が東映Vシネマとして製作された。

本稿では以下の作品について詳述する。

  • クライムハンタ- 怒りの銃弾(- いかりのじゅうだん)
  • クライムハンタ-2 裏切りの銃弾(- うらぎりのじゅうだん)
  • クライムハンタ-3 皆殺しの銃弾(- みなごろしのじゅうだん)

目次

作品解説編集

1989年に世良公則主演で製作された『クライムハンター 怒りの銃弾』を第1作とするビデオ映画シリーズ。アメリカ・ロサンゼルスのリトルトーキョーを舞台に、LAPDに所属する日本人刑事「ジョーカー」ことジョー・カワムラの活躍を描く。

第1作『怒りの銃弾』は、ビデオ映画レーベル「東映Vシネマ」の第1作でもあり、本作の成功は東映を含め各社がオリジナルビデオを量産する切っ掛けとなった[1]

1987年10月から1988年3月までテレビ朝日系で放送された刑事ドラマベイシティ刑事』で、ガンアクションが評判となった世良公則を使って、ガン・アクションに徹したビデオを作りたいと考えた『ベイシティ刑事』の脚本家・大川俊道とプロデューサー・武居勝彦から話を聞いた東映ビデオのプロデューサー(当時)吉田達が、本作の製作を決め『ベイシティ刑事』のスタッフを再結集して製作したのが「クライムハンタ-」となる[1][2][3]

第一弾『怒りの銃弾』は通常の劇映画より短い60分で製作されているが、これは製作前に吉田達プロデューサーがビデオレンタル店で聞き取り調査を行った折、5本も借りていく若い客から得た「早送りして見るから」という声をもとに、「早送りさせないものを」という方向性を見出したことによる[1]

製作費の予算配分において、作品の売りであるガンアクションに集中的に投下することで、低予算ながらも外国映画レベルの本格的な銃撃シーンが全編に展開された。残弾数を意識したガンアクション、相手に渡された銃は必ず点検するといった細かい配慮がなされ、排莢もろくにせず何か黒っぽいものがバンバン鳴っているだけのそれまでの日本のガンアクション作品とは段違いだった[3]。この作品の成功でガン・アクション演出の重要性が認知され、以降の日本映画・テレビドラマのガンアクション演出のレベルアップにつながった。ガンエフェクトを担当した「BIGSHOT」もこの作品で注目を集め、日本でガンエフェクト専門のプロフェッショナルが業界に定着する切っ掛けとなった[3]

ストーリー編集

第1巻 怒りの銃弾編集

舞台はアメリカ・ロサンゼルス・リトルトーキョー。LAPDに所属する刑事・ジョーカーは相棒のアヒルと共に、教会の寄付金500万ドルを強奪したブルース・沢村が隠れている場末のシティホテルへ車を走らせていた。二人はブルースを逮捕することに成功するが、護送中謎の集団に襲撃を受ける。ブルースはその間隙を抜き逃走し、ジョーカーは背後にいた襲撃犯にサブマシンガンで銃撃され負傷。アヒルは襲撃犯のリーダーと思しき男に額を撃ち抜かれ死亡した。数日後、警察病院で意識を取り戻したジョーカーは捜査主任のドクから捜査から降りるよう命令を受ける。後を引き継ぐのは、ジョーカーとは別地区の刑事・ハント。ドクはそれだけを言い残し去って行った。しかし、相棒を殺されたジョーカーの怒りは収まらず、鎮痛剤を病院から盗み出し、警察バッジを残しアヒルの敵を討つべく病院から逃走。捜査は行き詰まったかに見えたが、そこへ謎の修道尼がジョーカーへ銃を突きつけブルースの情報を話すよう脅迫する。しかし、銃にかけては素人だった修道尼はあっさりとかわされてしまう。そこへ再び謎の武装グループが現れ、激しい銃撃戦になる。ジョーカーは武装グループを倒し、一人浜辺で鎮痛剤を飲みながら黄昏ていると、ハントが情報を手にジョーカーの前に現れた。ジョーカーはその情報から西部会という組織に潜入し内情を探ろうとするが、目の前には牢屋の鍵を持った修道尼の姿があった。

第2巻 裏切りの銃弾編集

アメリカ・ロサンゼルス・リトルトーキョーの刑事ジョーカーは警察署から211のコールを受け出動する。そこにはポルノショップで現金強奪犯のサル・マッコイがいた。激しい銃撃戦の末サルを逮捕したジョーカーだが、捜査主任から釈放を言い渡される。激しく問いただすジョーカーに、捜査主任は現在潜入捜査を行っているキャッシュ刑事との連絡が途絶えているためサルを利用し救出するのだという。ジョーカーの新しい相棒にはラッツ刑事がなり、二人は釈放されたサルを監視するのだった。ところが二人の目の前で、サルは組織から消されてしまう。行き詰まったジョーカー古売屋のCWのところへ行きサルを撃った弾丸について事情を聞く。すると、CWの店の中にキャッシュがしていたブレスレットが置いてあった。捜査線上に麗子という高級コールガールが浮かんでくる。麗子の身辺をマークしていると早速、組織の襲撃がありジョーカーは寸前のところを救出する。麗子からキャッシュの情報を聞き、ラッツと二人で救助しに行くのだがそれは組織の罠だった。そこでラッツ刑事はスネイクに撃たれ死亡。ジョーカーも救出したはずのキャッシュに背後から撃たれ重傷を負う。ボロボロの体で現場に復帰したジョーカーは全て捜査主任にはめられた事に気がつく。キャッシュは、もうずいぶん前から組織の一員になっていたのだ。キャッシュに気付かれまいと捜査主任はジョーカーたちには情報を隠していたのである。怒りに燃えたジョーカーは単身、キャッシュとの対決に乗り出すのだった。

第3巻 皆殺しの銃弾編集

雨が降り注ぐアメリカ・ロサンゼスル・リトルトーキョー。寂れたホテルの一室でリトルトーキョーの刑事・ジョーカーは一人の女を待っていた。雨はいっそう激しくなり、嵐の様相を満たしてきた。そして、ジョーカーの泊まっている部屋へその女はやって来た。女の名は芹香といった。彼女はジョーカーの昔の恋人であった。芹香は助けを求めに来たのだ。「殺される」怯える声でジョーカーに訴える。そこへ、謎の一団がホテルのロビーに現れる。リトルトーキョー一帯のコカイン売買を牛耳るニコル達である。ジョーカーは必死に芹香を守るが、ニコル達に連れ去られてしまう。その後、独自の捜査で支那虎という人物からニコルの手下のリキという男にたどり着く。リキはニコルのコカインをこっそり横流ししているのである。リキを仲間に取り込んだジョーカーは、相棒をニコルに殺されたサニーという女刑事と共に芹香を救出するためニコルのアジトへ向かう。リキはニコルの強奪した200万ドルのため、サニーは復讐が目的だった。芹香を何とか救出したジョーカーだが、それと引き換えにサニーがニコルに連れ去られる。警察当局は取引には応じず、ジョーカーは単身サニーを救出するためニコルの待つ取引場所へ向かうのだった。

登場人物編集

3作共通編集

ジョー・カワムラ(ジョーカー)
演:世良公則 
主人公。愛用銃はベレッタM92F。

第1巻編集

ブルース・沢村
演:又野誠治
愛用銃はコルトパイソン357マグナム 6インチモデル、マンビルXM18グレネートランチャー。
リリー
演:田中美奈子
愛用銃はデトニクス・コンバットマスター、レミントンM31ショットガンステンレスモデル。
アヒル
演:竹内力
愛用銃はS&W M29 センチネルアームズカスタム。
ハント
演:ハント敬士
愛用銃は44オートマグ カスタムモデル。
山猫
演:片桐竜次
ドク
演:原田芳雄
愛用銃はコルトガバメント。

第2巻編集

スネイク
演:又野誠治
愛用銃はコルトガバメント スタビライザー付カスタム、モスバーグM500プルバップショットガン、M202ロケットランチャー。
麗子
演:葉山レイコ
愛用銃はコルト32オート。
ラッツ
演:堀勉
愛用銃はコルトキングコブラ 4インチ。
主任
演:金子研三
サル・マッコイ
演:ハント敬士
愛用銃はMAC 10。
アンナ
演:羽田圭子
CW
演:山田辰夫
キャッシュ
演:エリック・ダグラス
愛用銃 コルトコンバットコマンダー。エリックはゲスト出演。

第3巻編集

芹香
演:辻沢杏子
リキ
演:竹内力
愛用銃はコルトパイソン357マグナム 4インチモデル、SPAS 12(サニーと共有)。
サニー
演:吉田美江
愛用銃はH&K P7、SPAS 12(リキと共有)。
支那虎
演:ハント敬士
愛用銃はコルトガバメント。
弁慶
演:堀勉
BJ
演:又野誠治※友情出演
愛用銃は水平2連ソウドオフショットガン。
主任
演:片桐竜次
ニコル・E・ツカハラ
演:清水健太郎
愛用銃はデザートイーグル44マグナム。

スタッフ編集

  • 監督 - 大川俊道
  • 企画 - 吉田達(東映ビデオ)
  • プロデューサー - 加藤和夫(東映ビデオ)、武居勝彦(東映)、高沢吉紀(3)
  • 脚本 - 大川俊道(1-3)、柏原寛司(2)
  • ガンアドバイザー・SFXスーパーバイザー - BIGSHOT
  • 音楽 - 京田誠一
  • 音楽制作 - 兼松光
  • 撮影 - 間宮庸介(1)、緒方博(2,3)
  • 照明 - 居山義雄
  • 録音 - 谷村彰治(1)、川田保(2)、曽我薫(3)
  • 美術 - 野本幸男(1)、赤塚訓(2)、平井淳郎(3)
  • 編集 - 祖田富美夫(1)、福田憲二(2)、只野信也(3)
  • 選曲 - 茶畑三男(1,2)、金成謙二(3)
  • 記録 - 吉田真弓(1,2)、安倍伸子(3)
  • 助監督 - 塚田義博(1)、小林要(2)、中澤和久(3)
  • 進行主任 - 古沢敏文(1)、小宮慎二(2)、東海林伸一(3)
  • 制作デスク - 木村修(1)
  • 製作担当 - 桐山勝(1)、新井英夫(2)、松川充雄(3)
  • アクションコーディネーター - 國井正廣(1,2)、渥美博(3)
  • 特殊メイク - 原口智生
  • 制作協力 - 東映テレビプロダクション映広(1,2)、エイジェント21(3)
  • 製作 - 東映ビデオ東北新社、MR.SERA PROJECT(3)

DVD化編集

2008年に、全3作をDVD化してコンプリートボックスとして発売された。ボーナスディスクには芳賀優里亜主演で大川監督による新作ショートムービー『クライムハンター・蘇える銃弾』が収録されている。

出典・脚注編集

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  1. ^ a b c 山根貞男『映画はどこへ行くか 日本映画時評'89‐'92』筑摩書房、1993年、p63-65
  2. ^ 「特集 東映Vシネマ25周年記念 シナリオライターにとってVシネマとは何だったのか」『月刊シナリオ』 日本シナリオ作家協会、2014年11月、5-9頁。高瀬 将嗣 「祝!東映Ⅴシネ25周年」 - 日本映画監督協会
  3. ^ a b c 『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』 洋泉社、2014年10月、52-53頁。ISBN 978-4-8003-0504-6