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グラーキ

クトゥルフ神話の神格

グラーキ（Glaaki、Gla'aki）は、創作神話クトゥルフ神話に登場する架空の神。ラムジー・キャンベルが創造した神性。

さらに、この神に由来するグラーキの黙示録という書物が登場する。

概要 編集

イギリスブリチェスターの近くの湖の中に棲んでいる旧支配者。外見は蛞蝓に似ており、顔から伸びた3本の茎状組織の先端に目があり、体はピラミッド状の突起で覆われて背中からは金属の刺が伸びている。

隕石（宇宙船か）に乗って地球に飛来し、墜落クレーターから出来た湖の底に棲んでいる。故郷は酸性の湖で覆われ、大気は汚染された蒸気に満ちた土地だったという。隕石は過去にユゴス・シャッガイ・トンド等の惑星間ルートを経由したという。地球到来には異説があり、隕石よりも前に「タグ＝クラターの逆角度」[注 1]によって地球に来ていた説、古代エジプトのミイラやハイチのゾンビ伝説をグラーキ由来とする説などがある。

人間を触手の先端で刺して血液に化学物質を注入して奴隷化する。触手を切ると刺された者は死ぬが、死体はゾンビとして復活し、グラーキの奴隷になる。このゾンビは約70年経って強い光を受けると急速に腐敗するようになり、この現象は「緑の崩壊[注 2]」と呼ばれる。逆に年季の浅いゾンビには日光耐性がある。

湖の近くにグラーキを崇拝する教団がかつて存在し、名を冠した文献「グラーキの黙示録」を残した。グラーキの黙示録は、キャンベル作品にて登場頻度が高い。

登場作品 編集

ラムジー・キャンベルの神々 編集

アイホート 編集

登場作品は『嵐の前に』[2]。黙示録12巻に記載がある[3]。

ダオロス 編集

登場作品は『ヴェールを剥ぎ取るもの』[4]。黙示録に記載がある。

イゴーロナク 編集

登場作品は『コールド・プリント』[3]。黙示録12巻に関連し、ネクロノミコンにも記載がある[5]。

バイアティス 編集

登場作品は『城の部屋』[6]。「妖蛆の秘密」や、バークリイの郷土資料に記載がある。もともと名前のみロバート・ブロックが作っており[7]、キャンベルが姿を創作した。

グロース 編集

登場作品は『誘引』[8]。黙示録に記載がある。

ムナガラー 編集

言及作品は『誘引』[8]。黙示録に記載がある。もとはアメコミの邪神であり、キャンベルの言及により小説ジャンルにも導入された。

詳細は「ムナガラー」を参照

グラーキの黙示録 編集

グラーキ教団の記録文書。教団が活動停止した時点で11巻まで書かれ、内容が欠けた海賊版9巻本が作られた。だが巻数が増えている。

詳細は「クトゥルフ神話の文献」を参照
 
セヴァーン川
 
グロスタシャー
 
マージーサイド州
セヴァーン川が流れ込むセヴァーン谷にブリチェスターという町がある。ブリチェスターはグロスタシャーに位置し、マージーサイド州のリヴァプールがモデルとなっている。ブリチェスター近郊には邪神と黙示録が潜む。
詳細は「クトゥルフ神話の土地」を参照

脚注 編集

[脚注の使い方]

注釈 編集

  1. ^ キャンベル『暗黒星の陥穽』（ユゴスの坑）に登場する、ミ＝ゴが設置したワープ装置。
  2. ^ ラヴクラフトが、名前だけ作っていた謎の事柄。キャンベルは意味を付与した。ロバート・プライスもまた、この用語に実像を与えて『緑の崩壊』というタイトルの短編を執筆している。

出典 編集

  1. ^ 扶桑2『湖畔の住人』/グ黙1『湖の住人』キャンベル
  2. ^ グ黙2『嵐の前に』キャンベル
  3. ^ a b グ黙2『コールド・プリント』キャンベル
  4. ^ 扶桑1『ヴェールを破るもの』/グ黙1『ヴェールを剥ぎ取るもの』キャンベル
  5. ^ グ黙1『ユゴスの坑』/真ク3&新ク4『暗黒星の陥穽』キャンベル
  6. ^ グ黙1『城の部屋』/クト9『城の部屋』キャンベル
  7. ^ クト7『星から訪れたもの』ロバート・ブロック
  8. ^ a b グ黙2『誘引』キャンベル

参考文献 編集

  • グ黙：サウザンブックス『グラーキの黙示』、全2巻（2022年、単行本『Cold Print』の分冊邦訳）
  • 扶桑：扶桑社ミステリー『クトゥルフ神話への招待』、全2巻（1『遊星からの物体X』、2『古きものたちの墓』）
  • クト：青心社文庫『暗黒神話大系クトゥルー』、全13巻
  • 事典四：東雅夫『クトゥルー神話事典』（第四版、2013年、学研）
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