グルクマ
グルクマ(英:Indian mackerel、学名:Rastrelliger kanagurta )は、スズキ目・サバ科に属する魚の一種。インド太平洋の熱帯域に広く分布する海水魚で、食用に漁獲される。和名は沖縄方言に由来するが、沖縄県では「グルクマー」と語尾を伸ばして発音・表記される。
グルクマ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Rastrelliger kanagurta Cuvier,1816 | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Indian mackerel |
特徴
編集成魚は全長40cmほどで、体はやや側扁する。マサバやゴマサバに比べると小型で体高が高く、サバとしては太短いように見える。また、背中側は黄緑色の地に黒い斑点列が縦方向に並んでいて、体色や模様も異なる。
日本の南西諸島からメラネシア、オーストラリア北岸、アフリカ東岸まで、インド洋と西太平洋の熱帯海域に広く分布する。また、スエズ運河を通して地中海東部にも進入し、分布を広げている。
沿岸域の表層で大群を作り遊泳する。食性は肉食性で、動物プランクトン、小魚などを捕食する。プランクトンを濾過摂食するため、鰓には鰓耙がよく発達している。
利用
編集フィリピン・マレーシア・タイなど、東南アジアでは重要な食用魚で、定置網、刺し網、巻き網などで多量に漁獲される。群れをなして回遊するので漁獲もしやすく、広く食用にされている。
日本でも、南西諸島で夏に多く漁獲され、焼き魚、唐揚げ、刺身などとして食べる。フィリピンでは、サバ属の魚との混称で「ハサハサ」(hasa-hasa)という。マレーシアでは、「イカン・クンブン」(ikan kembung)と称し、唐揚げ、煮魚の他、フィッシュカレーや「クロポッ・レコル」(Keropok lekor)と呼ばれるソーセージ状の魚肉練り製品などの料理に利用される。タイでは、「プラーラーン」(タイ語: ปลาลัง)や「プラートゥームーン」(ปลาทูโม่ง)と称するが、サバ属の魚との混称で単に「プラートゥー」(ปลาทู)と呼ばれることもある。
近縁種
編集- Rastrelliger brachysoma (Bleeker,1851)
- 英名Short mackerel。インドシナ半島・大スンダ列島からソロモン諸島・フィジーまで分布する。
- R. faughni Matsui,1967
- 英名Island mackerel。インドから台湾・フィジーまで分布する。
参考文献
編集- Fishbase - Rastrelliger kanagurta(英語)
- 藍澤正宏ほか『新装版 詳細図鑑 さかなの見分け方』講談社 ISBN 4-06-211280-9
- Ikan Kembungの種類