サロベツ川
日本の北海道の川
サロベツ川(さろべつがわ)は、北海道宗谷総合振興局管内を流れる天塩川水系の一級河川である。
サロベツ川 | |
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水系 | 一級水系 天塩川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 85 km |
平均流量 |
23.7 m3/s (音類橋観測所 1983年 - 2007年(2004年欠測)) |
水源 | 幌尻山(豊富町) |
水源の標高 | 427 m |
河口・合流先 | 天塩川(幌延町) |
流域 | 北海道 |
名称の由来
編集アイヌ語の「サㇻオペッ(sar-o-pet)」もしくは「サㇻオマペッ(sar-oma-pet)」、「サㇻペッ(sar-pet)」に由来し、いずれも「芦原・にある・川」の意である[1]。なお、豊富町芦川の地名はこれを意訳したものとされている[2][3]。
地理
編集北海道天塩郡豊富町東部の宗谷郡猿払村との境界にある幌尻山の南に源を発し北西に流れる。豊富町北部で流路を南に大きく変え、サロベツ原野を蛇行しながら流れ、幌延町と天塩町の境で天塩川へと注ぐ。水深は浚渫によりかなり上流まで約5メートルで維持されている[4]。合流点付近には川底が浅くなる箇所があり[5]、合流点での川底の標高は-3.2メートルで、海面より低い[6]。
その合流点は、天塩川が日本海に流れ出る河口から11.6キロメートルないし11.8[7]キロメートル離れている[8]。この地点で天塩川の幅は約200メートル、サロベツ川の幅は約30メートルである[9]。
下流部での塩水遡上
編集サロベツ川には、満ち潮のとき天塩川経由で塩分を含む水が逆流する[4][7]。しかし、流れ下る淡水と遡上する海水はたやすく混じり合わず、下流部の水は海水とほとんど変わらない高塩分水塊、淡水または低塩分の水塊(以下、低塩分水塊)、その中間の中塩分水塊という3つに分かれる。塩水は淡水より重いので、表層が低塩分、その下が中塩分、川底近くが高塩分という3層である[10]。高塩分水塊は川底にそって上流方向に7キロメートルの音類橋付近でなくなり、その先は合流点から約10キロメートルのパンケ沼入り口とその先まで低塩分と中塩分の2層になっている[11]。
災害
編集流域の自治体
編集支流
編集脚注
編集- ^ “アイヌ語地名リスト ゴ~シブ P51-60P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)150-151ページより。
- ^ “アイヌ語地名リスト ア~イチ P1-10”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ a b 吉田静男 1984, p. 645.
- ^ 吉田静男 1984, p. 646.
- ^ 杉原.新目(2017).
- ^ a b 安間ら(2005), p. 15.
- ^ (吉田静男 1984)では11.6キロメートル、(安間ら(2005))は11.8とする。
- ^ (吉田静男 1984, p. 646)
- ^ 安間ら(2005), p. 18.
- ^ (安間ら(2005), p. 18) 音類橋、パンケ沼入り口までの距離は(吉田静男 1984, p. 646)
- ^ “サロベツ川の水位上昇 雪解け水流入、一時警報”. 北海道新聞 (2018年4月1日). 2018年4月1日閲覧。
参考文献
編集- 安間恵, 徳岡隆夫, 吹田歩, 西村清和「天塩川およびサロベツ川の塩水溯上」『Laguna : 汽水域研究』第12巻、島根大学汽水域研究センター、2005年、15-22頁、ISSN 2185-2995、CRID 1050282813460857728。
- 杉原幸樹, 新目竜一「天塩川水系の塩水環境変化と対応策に関する研究」『寒地土木技術研究 : 国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所月報 : monthly report』第772号、土木研究所寒地土木研究所、2017年、2-9頁、ISSN 24322652、NAID 40021329356、NDLJP:11212010。
- 吉田静男「サロベツ川水系の流れと潮汐」『海岸工学講演会論文集』第31巻、1984年、645-649頁、doi:10.2208/proce1970.31.645。
関連文献
編集- 杉原幸樹・平井康幸「サロベツ川の水収支に基づくヤマトシジミ生息環境と流況変化の関係」『土木学会論文集G』第71巻5号、2015年。