ジョシュ・シャピロ
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ジョシュア・デヴィッド・シャピロ（Joshua David Shapiro, 1973年1月20日 - ）は、アメリカ合衆国の政治家。第48代ペンシルベニア州知事。民主党所属。
| ジョシュ・シャピロ Josh Shapiro | |
|---|---|
 | |
 ペンシルベニア州第48代知事 | |
| 就任 2023年1月17日 | |
| 副知事 | オースティン・デービス |
| 前任者 | トム・ウルフ |
| ペンシルベニア州 第50代司法長官 | |
| 任期 2017年1月17日 – 2023年1月17日 | |
| 知事 | トム・ウルフ |
| 前任者 | ブルース・ビーマー |
| 後任者 | ミシェル・ヘンリー |
| 個人情報 | |
| 生誕 | ジョシュア・デヴィッド・シャピロ 1973年1月20日（51歳） .svg){kind=small} アメリカ合衆国 ミズーリ州カンザスシティ |
| 政党 | 民主党 |
| 配偶者 | ロリ・フェラーラ (m. 1997) |
| 子供 | 4人 |
| 住居 | ペンシルベニア州知事公邸 |
| 教育 | ロチェスター大学 ジョージタウン大学 |
| 署名 |  |
経歴
編集生い立ち
編集1973年6月20日、ミズーリ州カンザスシティに生まれ、ペンシルベニア州モンゴメリー郡アッパー・ダブリン・タウンシップで育つ[1]。ペンシルベニア州メリオン・ステーションにあったアキバ・ヘブライ・アカデミー（現：ジャック・M・バラック・ヘブライ・アカデミー）に進学し、最終学年にはバスケットボールチームでキャプテンの一人に選ばれた[2]。
ロチェスター大学で政治学を専攻し、1992年にはロチェスター大学の学生会長に選出された最初の新入生となった[3]。大学卒業後、キャピトルヒル自治区で働きながらジョージタウン大学ロー・センターに夜間学生として入学し、2002年に法務博士号を取得した[4]。
連邦議員秘書
編集ロチェスター大学を卒業後、ワシントンD.C.に移り、カール・レヴィン上院議員の立法補佐官として政界でのキャリアをスタートさせる。その後、ピーター・ドイチュ下院議員の上級顧問、ロバート・トリチェリ上院議員の上級顧問を務めた。トリチェリの上級顧問時代は北朝鮮への訪問を含む中東とアジアの外交ツアーを計画した[2]。
1999年から2003年までは、ペンシルベニア州モンゴメリー郡の一部を選挙区とするジョー・ホッフェル下院議員の首席補佐官を務めた[5]。
ペンシルベニア州下院議員
編集
2004年、ペンシルベニア州議会下院議員選挙に第153選挙区から立候補し、元州下院議員の共和党候補ジョン・D・フォックスと対決する。選挙戦当初は世論調査で後れを取っていたが、1万軒の家を戸別訪問して教育予算の増額と医療アクセスの改善を訴え、最終的には10ポイントの差をつけて当選した[6]。2006年・2008年・2010年の選挙でも再選を果たす。
州下院では超党派の合意形成を導く議員として評判を築き[7]、共和党議員のデニス・オブライエンが下院議長に選出された際には下院副議長に指名されている[8]。
2008年大統領選では当時上院議員だったバラク・オバマへの支持を早々に公言した。これは、民主党予備選挙でヒラリー・クリントンを支持したペンシルベニア州の大多数の民主党関係者とは対照的な動きだった[9]。
モンゴメリー郡委員
編集2011年にモンゴメリー郡委員会の委員に選出され、2012年から2016年までは委員長を務めた。
委員長時代は社会福祉と行政改革に積極的に取り組み、シャピロの在任期間中、委員会で唯一の共和党員だったブルース・カスターからも「私が知る限り最高の郡委員」「合意形成が非常に上手」と評された[2]。
2015年4月、トム・ウルフ州知事からペンシルベニア州犯罪・非行対策委員長に任命された[10]。
ペンシルベニア州司法長官
編集2016年1月、ペンシルベニア州司法長官選挙への立候補を発表する。バラク・オバマやヒラリー・クリントン、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長らの支持を得て民主党予備選挙を勝ち抜き、11月の本選では共和党候補のジョン・ラファティ・ジュニア州上院議員を得票率51.3%の僅差で破って当選した[11]。
2020年にも共和党候補のヘザー・ハイデルボーを50.9%の得票率で破って再選を果たした。この時の得票数はペンシルベニア州史上最多の3,461,472票で、同時に執行された2020年大統領選挙でのジョー・バイデンのペンシルベニア州での得票数を上回った[2]。
ペンシルベニア州知事
編集
2021年10月13日、翌年のペンシルベニア州知事選挙への立候補を発表した。2022年1月、シャピロ陣営は1,340万ドルの選挙資金を集めたと報告したが、これは選挙の年の候補者としては記録的な額と評された[12]。民主党予備選挙では対立候補は現れず、2022年5月17日に党の指名を獲得する[13]。
トム・ウルフ州知事やエド・レンデル元州知事、アンソニー・H・ウィリアムズ州上院議員らの支持を得て、2022年11月8日の本選では共和党候補のダグ・マストリアーノとの争いを14％以上の差で制す。フィラデルフィア市やモンゴメリー郡を含む17の選挙区で勝利を収めた[14]。
2023年1月17日に就任を宣誓し、ミルトン・シャップ（1971年 - 1979年）とエド・レンデル（2003年 - 2011年）に次ぐペンシルベニア州史上3人目のユダヤ人知事となった[15]。X世代の人物としては初めてのペンシルベニア州知事となった[16]。
2023年、ペンシルベニア州の最低賃金を時給7.25ドルから15ドルに引き上げ[17]、法人税を2026年までに8.99%から4.99%に引き下げることを提案した[18]。S&P グローバル・レーティング、フィッチ・レーティングス、ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、2023年末までにペンシルベニア州の信用格付はAA-からAAに上昇した[19]。
さらにペンシルベニア州の労働力の拡大にも注力し、州知事就任の翌日、州政府職の92%で4年制大学の学位要件を撤廃する州知事令に署名した[20]。7月31日には、新規雇用者の職業訓練のための助成金を企業・団体に支給する「州労働力変革プログラム（CWTP）」の導入を命じた[21]。8月には州警察士官候補生の大卒要件を撤廃し、2024年3月にはペンシルベニア州の労働協約（PLA）の適用を増やす州知事令を出した[22]。
2023年2月、隣接するオハイオ州で有害化学物質を積んだ列車の脱線事故が発生した際には、ノーフォーク・サザン鉄道がペンシルベニア州当局に連絡を取らなかったことを非難し、鉄道会社に対して列車のより高度な安全・ブレーキ装置の必要性を再検討するよう求めた[23]。
2023年6月11日、フィラデルフィアで州間高速道路95号線の一部が崩落すると、「災害緊急事態宣言」を発令し、州緊急事態管理局・州運輸局・州警察がリソースを用いて崩落に対応することを許可した[24]。州知事の強いリーダーシップの下、州間高速道路95号線の崩落部分は2週間足らずで再建され、その対応は全米から称賛された[25]。ジョー・バイデン大統領からは「素晴らしい仕事をした」と評価され、フィラデルフィア市議会共和党院内総務ブライアン・J・オニールからも「これ以上ない対処だった」と感謝された[25]。クイニピアック大学の世論調査では州全体の有権者の74％が州知事の危機対応を支持している[26]。
2024年7月13日にペンシルベニア州バトラーで発生したドナルド・トランプ暗殺未遂事件をめぐっては、流れ弾に当たって死亡した男性を「集会で家族を守るために飛び込んでいった」「ヒーローとして亡くなった」と称賛し、敬意を表して州全体で半旗を掲げるよう命じた[27][28][29]。
私生活
編集アキバ・ヘブライ・アカデミー（現：ジャック・M・バラック・ヘブライ・アカデミー）に通っていた9年生の時、のちに妻となるロリと出会った[30]。大学卒業後、二人ともワシントンD.C.に住んでいた時に再会する。1997年にエルサレムでプロポーズし[31]、その年の5月25日に結婚した[32]。
脚注
編集- ^ Korbluh, Jacob (2022年9月15日). “PA governor race: Mastriano attacks Shapiro for going to Jewish day school”. 2024年7月23日閲覧。
- ^ a b c d “Josh Shapiro early on showed knack for networking and regimented messaging in politics”. The Philadelphia Inquirer (2022年10月24日). 2024年7月22日閲覧。
- ^ Routh, Julian (2019年2月25日). “'He's got the courage of his convictions:' Attorney General Josh Shapiro embraces high-level battles”. Pittsburgh Post-Gazette 2024年7月23日閲覧。
- ^ Dias, Elizabeth (2018年8月27日). “Meet Josh Shapiro, the Man Behind the Bombshell Investigation of Clergy Sexual Abuse”. The New York Times 2024年7月23日閲覧。
- ^ “About Josh Shapiro | Josh Shapiro, Chairman, Board of Commissioners, Montgomery County, PA” (2012年7月22日). 2012年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
- ^ “Politics: Cleaning House”. Philadelphia Magazine. (2007年11月20日)
- ^ Meyer, Katie (2021年10月12日). “For Josh Shapiro, the only Dem candidate for Pa. governor, it's all going according to plan”. WHYY 2024年7月23日閲覧。
- ^ Hall, Peter (2017年1月15日). “Pennsylvania's new attorney general hopes to restore confidence in the office”. themorningcall.com. 2024年7月23日閲覧。
- ^ Cohen, Jason (2016年3月30日). “Shapiro Reacts to Obama Endorsement”. The Jewish Exponent. 2024年7月23日閲覧。
- ^ Josh Shapiro Named Chairman of the Pennsylvania Commission on Crime and Delinquency at the Wayback Machine (archived 2020年11月22日)
- ^ “Pennsylvania Attorney General Results: Josh Shapiro Wins”. The New York Times (2016年11月21日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ Levy, Marc (2022年2月2日). “Democrat Shapiro Sets Campaign Cash Record in Race for Pa. Governor”. NBC10 Philadelphia. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Josh Shapiro wins unopposed Democratic primary for Pennsylvania governor”. PBS (2022年5月17日). 2022年5月18日閲覧。
- ^ “Pennsylvania Governor Election Results 2022”. www.nbcnews.com. NBC. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Josh Shapiro and me”. Religion News Service (2022年11月11日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Gov. Josh Shapiro takes office with a burst of energy, optimism”. PennLive (2023年1月17日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ Ravitch, Lizzy McLellan; McGoldrick, Gillian (2023年3月7日). “Gov. Shapiro wants to raise Pa.'s minimum wage to $15. Will a changing Harrisburg make it happen?”. Philadelphia Inquirer. Philadelphia Inquirer 2024年7月23日閲覧。
- ^ Mosbrucker-Garza, Kristen (May 9, 2023). Gov. Shapiro touts corporate tax cuts to Philly business chamber, promises investment in education. WHYY.
- ^ Gruver, Ed (November 28, 2023). Pa. credit rating receives more positive affirmation. Lehigh Valley Business.
- ^ Barcaro, Matt (2023年7月31日). “Pennsylvania Gov. Josh Shapiro to sign another executive order”. WGAL News 8 Local (Hearst Television Inc.) 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Governor Investing $400 in Federal Money into Infrastructure and Job Training”. WGAL (2023年7月31日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ Office of the Governor. Governor Josh Shapiro. March 27, 2024.
- ^ Morrison, Oliver (February 15, 2023). Shapiro rips train company for prioritizing track reopening over ‘safer’ approach after derailment. Lehigh Valley News.
- ^ “Pa. Gov. Shapiro signs disaster declaration for I-95 collapse in Philadelphia”. Pennsylvania Capital-Star (2023年6月14日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ a b “From TikToks to a 24/7 live stream, Gov. Josh Shapiro's I-95 response grows his national profile”. The Philadelphia Inquirer (2023年6月17日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Biden vs. Trump: Toss Up In Pennsylvania, Trump Leads GOP Primary, Quinnipiac University Pennsylvania Poll Finds; Voters Give Gov. Shapiro High Marks, Especially On I-95 Handling”. Quinnipiac University (2023年6月28日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ Mitman, Hayden (2024年7月14日). “‘Corey died a hero': Gov. Shapiro remembers Pa. man killed at Trump rally”. NBC10 Philadelphia. The Associated Press 2024年7月23日閲覧。
- ^ Manchester, Julia (2024年7月17日). “Trump rally shooting pushes Pennsylvania governor into the spotlight”. The Hill 2024年7月23日閲覧。
- ^ “妻子かばおうとした男性犠牲に 知事「ヒーローとして亡くなった」”. 毎日新聞 (2024年7月15日). 2024年7月23日閲覧。
- ^ Murphy, Jan (2022年10月12日). “Lori Shapiro: A behind-the-scenes motivator in husband's gubernatorial campaign”. PennLive 2024年7月23日閲覧。
- ^ a b Kornbluh, Jacob (2022年8月31日). “Josh Shapiro traces bid for Pennsylvania governor to his childhood work for Soviet Jews”. The Forward 2024年7月23日閲覧。
- ^ @JoshShapiroPA (2022年5月25日). "25 years ago, on a rainy day in Bucks County, I got to kiss the bride. It's been sunny ever since. We've been ble..." X（旧Twitter）より2024年7月22日閲覧。
- ^ “The Office”. Pennsylvania Office of Attorney General. 2024年7月23日閲覧。
