ジョックロック

日本の楽曲

ジョックロック」 (Jock Rock) は、日本の楽曲。特に吹奏楽曲としてアレンジしたものが有名。

概要編集

原曲は、1990年代ヤマハが自社のキーボードにサンプルとして添付していた楽曲だと言われているが、作曲者が誰かは特定されていない[1]。CD化の際に著作者が特定できないことが問題となり、結局企業としてのヤマハが著作権を持つことで解決を見た経緯がある[1]

一般に広まったのは、智辯学園和歌山高校吹奏楽部が高校野球の応援曲(特にチャンステーマ)としてこの曲を使用し始めてからである。当時同校吹奏楽部顧問だった吉本英治が、毎年甲子園に出場する同校野球部のための応援曲を作り続けてネタ切れに悩まされていたときに、たまたま聞いたこの曲に目をつけ、原曲よりもアップテンポなアレンジを施すことで「押せ押せムードが出る」ようにした[2]2000年第82回全国高等学校野球選手権大会を同校が制した際にこの曲が演奏されていたことから注目を浴び、以後「ビッグイニングを演出する曲」として「魔曲」の異名で知られるようになった[2]。智辯和歌山では、この曲を「魔曲」たらしめるため意図的に演奏のタイミングを図っており、基本的には「8回以降、得点圏に走者が進んだ場面」にのみ演奏を限定し、さらに「応援部と吹奏楽部がトランシーバーで連携を取り合い、開始のタイミングをつぶさに検討する」といった調整を行っている[2][3]。ただ一方で、応援団の振り付けが激しく「1イニングずっと『ジョックロック』だったら、本当にヘトヘト」になるため、頻繁に演奏できないという事情もあるという[4]

智辯和歌山以外でも高校野球の応援曲として使用されるケースは少なくなく、2016年第88回選抜高等学校野球大会では、兄弟校の智辯学園高校が優勝した際にこの曲が使用され、話題となった[5]。ただ、楽譜が市販されていないため、演奏主体によって微妙に旋律が異なっており、吉本顧問曰く「ネットに上がっているものもだいたいは少しずれている」という[2]

なお、2018年第90回記念選抜高等学校野球大会からは新曲の「ミラクルショット」(テレビ朝日報道ステーション』スポーツコーナーのテーマ曲)とチャンステーマを使い分けている[6]

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 思い出の応援曲は?「ブラバン!甲子園」が10周年 - 朝日新聞デジタル・2017年7月20日
  2. ^ a b c d 智弁和歌山の“魔曲”育てた緻密な戦略 - 東京スポーツ・2016年5月15日
  3. ^ 2019年8月13日、第101回全国高等学校野球選手権大会2回戦、対明徳義塾戦でも用いられたが、この時には8回ではなく7回であった。智辯和歌山によって1イニング3本塁打の大会タイ記録が生まれている。
  4. ^ 『甲子園の名将が語る!なぜ大逆転は生まれるのか』(石川遥輝/萩原晴一郎/松橋孝治著、竹書房、2017年)「魔曲はこうして生まれた」
  5. ^ 智弁学園の勝利を呼ぶ『ジョックロック』が話題 - livedoorニュース・2016年3月31日
  6. ^ 新旧「魔曲」、智弁和歌山の逆転劇呼んだ 主将も感謝,朝日新聞デジタル,2018年4月1日