スパイラル (建築物)

日本の港区青山にある槇文彦が設計した建築物

座標: 北緯35度39分49秒 東経139度42分42秒 / 北緯35.663617度 東経139.711748度 / 35.663617; 139.711748

スパイラルは、建築家槇文彦によって設計された地上9階・地下2階の複合文化施設。

外観 国道246号側から
螺旋スロープ
螺旋スロープ

東京都港区南青山5丁目にある。1階奥の吹抜けに螺旋スロープがあり、これが「スパイラル」と名づけられた理由となっている。「スパイラル」の命名者は、ワコール・代表取締役の塚本能交である。

概要 編集

ギャラリーと多目的ホールを中心に、レストランバー、生活雑貨ショップ、トータル・ビューティ・サロンなどで構成されている。1985年10月のオープンから「生活とアートの融合」をコンセプトに活動しており、現代美術やデザインの展覧会演劇ダンスなどの舞台公演、コンサートファッションショーシンポジウム、パーティなど極めて同時代性が高く、またジャンルを融合するようなアート・イベントを数多く送り出している。

秋葉台体育館幕張メッセと並び、槇文彦の1980年代の代表作で、日本のポスト・モダン建築を代表する建築物の一つとして国際的に知られている。作風は、京都国立近代美術館テピアと近い位置づけとされるが、ファサードは槇作品の中でも最も「複雑」といってよい。ただし、窓のプロポーションは槇作品そのものである。

1階から3階は、世界に類を見ないユニークな構造を持っており、ギャラリーを見渡すカフェからショップを通って多目的ホール「スパイラルホール」へと連なるオープンな空間構成が、通常の美術館や劇場とは異なったアートとの出会いを体験できる。地下1階の青山CAYではコンサートやシンポジウムなどが開催されている[1][2]

宮脇愛子の彫刻がある。

2022年度グッドデザイン賞受賞[3]

株式会社ワコールアートセンター 編集

株式会社ワコール100%出資の関連会社として1985年に創立。当施設を拠点に、アートの事業化を目指して事業に取り組んでいる。

高野長英隠れ家跡 編集

 
「高野長英先生隠れ家」の碑

スパイラルの建つ南青山5丁目界隈は、江戸時代には青山百人町と呼ばれていた。御家人の屋敷が多数並ぶ一帯で、その中に幕末の蘭学者である高野長英の終焉の地となる隠れ家があった。これを記念する碑が1963年に当地に建てられ、スパイラルの建設時に表参道寄りの柱の内部に移設されている。

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集