スーパーガチャポンワールド SDガンダムX

スーパーガチャポンワールド SDガンダムX』は1992年9月18日にユタカから発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトで、「SDガンダム」を題材にしたウォー・シミュレーションゲームである。

スーパーガチャポンワールド
SDガンダムX
ジャンル ウォー・シミュレーションゲーム
対応機種 スーパーファミコン[SFC]
Nintendo Switch
開発元 ベック
発売元 [SFC]ユタカ
[Switch]バンダイナムコエンターテインメント
音楽 濱田智之[1]
シリーズ ガチャポン戦士シリーズ
人数 1人~2人
メディア [SFC]ロムカセット
[Switch]ダウンロード
発売日 [SFC]1992年9月18日
[Switch]2018年12月6日
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概要 編集

SDガンダムワールド ガチャポン戦士シリーズ』の流れを受け継ぐ作品として

スーパーファミコンで発売されたSDガンダムのゲームソフトで、基本的な部分を

踏襲しつつもグラフィックやシステム面で多くの改良が成されている。

主な内容も今までと同様で、プレイヤーまたはCPUが赤軍・青軍の勢力に分かれて

原作アニメに登場したMSをユニットとして操作して敵勢力を打倒するというものに

なっている。

また、本作品の続編として『SDガンダムGX』『SDガンダムGNEXT』ハードを

プレイステーションに移した『SDガンダム GCENTURY』がある。

2018年にはNintendo Switch向けに移植された。

まず、4月26日発売の『SDガンダム GGENERATION GENESIS』早期購入特典として配布されたのち[2]

12月6日よりダウンロード販売が開始された[3]

システム 編集

本作は『ガチャポン戦士2 カプセル戦記』を大幅に発展させたゲームシステムとなっており

ゲームはユニットの生産や移動を行うシミュレーションパートと、アクションによる戦闘を行う戦闘パートに大別されている。

それぞれの勢力には技術力を表すTECレベル(テクニカルレベル)が設定されており、TECレベルが高くなるにしたがってと

性能の高い機体が生産できるようになると共に、それまでも生産できた従来のユニットの生産コストは安くなる様になっている。

TECレベルは毎ターンのはじめに自軍の占領下にあるベース(基地)の数×2のTECポイントが加算され、そのポイントが一定値を

超えた場合テクニカルレベルが上昇する。最大レベルは5で初期設定により1~3の状態からスタートすることが出来る。

また、ベースは最大4機まで生産できると同時に、艦船を修理するドックがあり、ベースに艦船を入れると1ターンごとに艦船の

エネルギーが回復する。本作ではエネルギーの回復手段が戦艦に収納するか、ドックに入れるかしかない。

また、各MS・MAユニットには能力値を表すレベルが設定されており、ユニットレベルの上昇に従ってCPU処理時の動き方や

スピード・防御力が上昇する。ユニットレベルはアクションバトル戦闘に参加するたびに1増加し、1→2→3→ACEのように

増加するが戦艦を撃沈したときは自動的に最大(ACE)になる。

マップは従来のスクウェアマップからヘックスマップに変更された。宇宙空間をあらわすメインマップと惑星(地球)や衛星(月)の

マップは別マップ化され、艦船ユニットを利用しての降下・打ち上げによる移動でのみ、これら別マップに移動できる。

多くのステージでは、マップの概念は実在の関係に囚われず、これら惑星や衛星が複数存在する広大なステージも用意されている。

ただし、Ζガンダムのみ、艦船ユニットを使わず、単独で降下ができる。(打ち上げはできない)

ユニットに移動に関してもZOCが導入され、また戦闘時には戦闘を仕掛けられた側と隣接するユニットも周辺6ヘックス・自軍敵軍問わず

最大7体まで戦闘に参加でき、地形による移動速度、ダメージ等の変動も本格的に実装された。

これにより、集団で一気に仕掛けたり、有利な地形で勝負を挑んで格上ユニットとの性能差を埋めるのが容易になり、数と地形の力が

より強くなった。

相手が格上のユニットでも数の力や有利な地形を駆使して戦闘を仕掛ければ簡単に撃破できたりするので、より戦略的なユニットの

配置と移動が要求される。なお、攻撃宣言した&されたユニット以外の機体は全てCPU操作となる。

戦闘パートでは、ファミコン時代よりも増えたボタンの数にあわせて使用できる武器の種類が増えると共に、トライブレードや

インコムといった従来には無かった新しい武器も増えた。ファンネルも従来の放出しっぱなしでビームライフルの代わりに

機体の上下から撃つものから、ボタン選択により放出して自動的に敵方向に向かって撃つものになった。

またファンネルを破壊することが可能になりその際にファンネルを放出した機体にダメージが加わるようになっている。

ミサイルも従来の単発のみからダブル・トリプル同時発射ミサイルが追加された。さらに、ショットランサーのように大ダメージで

命中させやすいが水平方向にしか打てないもの、ガンダムハンマーやVSBRのように1発撃つと約5秒間、次が撃てないものも

追加された。このようにMS・武器の種類が増えたことでより多彩なアクション

バトルが出来るようになった。なお、全ての武器の弾数は戦闘が終わるたびに回復する。

また従来では同じ土俵で戦っていた戦艦による砲撃、MS対艦船、艦対艦船は全て地形による支援効果の影響を加味された

シミュレーション処理による間接戦闘となった。なお間接戦闘では小型のMSとMAは反撃できない。

決着のつき方はどちらかのユニットの全滅[4]か設定で決めた規定ターンを迎えるのどちらかで、規定ターンの場合は都市などの

占領で獲得したポイントによる判定で勝敗が決まる。

全滅、または圧倒的なポイント差がついていた場合は完勝。ある程度のポイント差がついている場合は勝利。僅差の場合は

たとえポイントで勝っていても引き分けという判定になる。両軍が同時全滅した場合も引き分けになるがゲームの特性上、対人戦で

狙って起こさないと起きない[5]

CPUの近接戦闘の実力は、ターゲットとしていた年齢層を考えると全体としてやや強めではあるものの、初期設定でハンディキャップを

つけられる上、慣れれば対応できる強さという点からもほど良いものとなっている。

ただし、CPUはマップにユニットが一機も存在しないとそのマップの思考操作を完全に放棄するという戦略思考的な穴がある

(仮にベースを保有してても生産したり、生産完了ユニットを出撃さえもしない)。

ユニットの種類 編集

小型ユニット 小型大型ユニットの近接戦闘:可 対艦船の反撃:不可 施設占領:全て可 打ち上げ降下:Ζガンダム以外不可
その他備考:近接戦闘でLRボタンによるその場回避が可能
このゲームの主役ともいえる存在。対艦船戦の反撃ができないが、全ての施設を占領でき、汎用性が最も高い。このゲームにおける
ユニットの大半は小型ユニットであるため、基本はこれがメインとなる。
また、小型ユニットにもいろいろ種類があり、砂漠では力を発揮できず、宇宙や衛星では活動不可能だが、水中を高速移動でき
水中では最上級小型ユニットを簡単に倒せる水中用ユニットが各陣営に必ず2体存在する。
なお、深海における近接戦闘は水中用の小型ユニット同士限定である。(水中用ユニットのみ深海に移動可能)
また、水中用ユニットと地球用ユニットは宇宙及び宇宙衛星では運用できない(地上用ユニットはアッシマーのみ該当)
大型ユニット 小型大型ユニットの近接戦闘:可 対艦船の反撃:可 施設占領:都市・コロニー・コロニーレーザー以外可
打ち上げ降下:不可 その他備考:制圧不可能施設と水辺系マスへの侵入と干渉不可
サイコガンダムの二機、クィン・マンサ、α・アジール、ビグ・ザム、ラフレシアの6機が該当し、最低でもTEC3以上にならないと
生産できない(α・アジールは4、ラフレシアは5が条件)。
生産費用と完成に必要なターン数が最上級の小型ユニットを上回り、図体が大きいため、近接戦闘における当たり判定が大きいが
小型ユニットを圧倒する攻撃力と耐久力を持ち合わせる。
TEC2以下の小型ユニットなら集団で仕掛けてきても一蹴でき、艦船の砲撃に反撃する事ができるため、単純な攻撃力はトップクラス。
しかし、収入がある施設やコロニーレーザー、水辺系マスへの侵入と占領が不可能で該当マスにいるユニットへ攻撃を仕掛けることが
できない。
艦船の砲撃に反撃はできるものの、自分から艦船のような遠距離砲撃はできない上、砲撃に対する回避力は皆無で高い防御力も
機能しないため、地形効果無しだと下級艦船から数回砲撃されるだけで瀕死になる。
また、相手が地形効果の高いマスから砲撃してくると下級艦船であっても簡単に撃墜させられるため、強い部分と弱い部分が両極端。
なおサイコガンダムの二機とクィン・マンサ以外の3機は宇宙衛星専用で惑星では運用できない。
(宇宙用ユニットは小型ユニットでもエルメス、ジオング、ジャムルフィンが該当する)。
艦船 小型大型ユニットの近接戦闘:不可 対艦船の反撃:可 施設占領:全て不可 打ち上げ降下:可
その他備考:艦船以外のユニットを収納でき、1ターン毎に収納したユニットのエネルギーを回復
いわゆる戦艦とも言えるユニットでどの勢力もはじめから下級と中級が作れ、TEC2で上級、TEC3で最上級艦船が作れるようになる[6]。非常に高価で最上級艦船はゲーム中、最も生産費用が高い。
小型大型ユニットがうまく動けない宇宙空間を高速移動することができる(反対に惑星衛星では通常の1/2の移動力に落ちる)。
また、唯一複数の行動選択肢があるユニット。
移動・砲撃・MSの3つの選択肢があり、「移動」は小型大型ユニットと同じ、「砲撃」はその場で艦船毎に決められた射程から
遠距離攻撃ができる(基本は1~4で各陣営の最上級艦船とクロスボーンの下級以外の艦船は1~5)。
「MS」は収納しているMSを確認でき、そのターンで収納した物以外を艦船の隣に発進させることができる
(そのユニットが侵入できないマスには発進させられない)。
移動は暗礁空域と施設、降下エリア以外一律一定で移動でき、収納したユニットは1ターン毎に修理してエネルギーを回復させる事が
できる。
また、惑星衛星の打ち上げ降下ができるのは基本艦船のみなので主にMSの運搬と補佐が主な役割。だが通常のユニットが侵入できない
位置に待機してから隙を見計らって強襲という事もできる。
ただし、小型大型ユニットと違い、施設の侵入は可能なものの、占領が一切できないという弱点を持ち、仮に保有ベースが一切ない
状態で艦船のみとなるとよほどの条件が揃わない限り、負けが確定する。
なお、艦船の戦闘は砲撃を選択するか移動して敵ユニットに接近して攻撃で行われるがアクション要素が一切ないため、完全に
ユニット性能と地形効果、運頼みとなる。

登場勢力 編集

基本的に登場勢力による分類で五つの軍が設定されており、プレイヤーはこれらの中から最大4勢力を選んで戦う。

同一勢力同士の戦いは出来ない為、片方が4勢力を選ぶと自動的に他方は1勢力となる。
勢力毎に初期機体と戦艦が違うので、スタート時の戦力が全く違う。また、勢力を複数選択している場合の初期戦力は

1Pは一番右端、2Pは一番左端の勢力の物が適用される。
本作は初期設定の条件によって勢力の強弱が変動するので初期TEC1、資金0という前提の元で勢力単独の特徴を簡単に記する。

なお、ゲームバランスの都合により本来クロスボーンの所属では無いザクマリナーとカプールがクロスボーンに入っていたり

大型MAのバランスの調整によりビグザムがアクシズの所属になっているといった若干の変更は存在する。

地球連邦軍 編集

地球連邦軍及びエゥーゴのユニットが集まっている。ジムやネモ、ジェガンのような量産型MSが弱く、ガンダム等の主役級の

上級MSが強い傾向にある。

その傾向上、序盤は他勢力と比べると苦戦しやすいが、ガンダム系がたくさん作れる環境が整えば非常に強い力を発揮する。

また、全勢力で唯一大型ユニットが作れない

・Ζガンダムは艦船を使わず単独で惑星及び衛星に降下ができる(打ち上げはできない)

・ΖΖガンダムは最高クラスの対艦船攻撃能力があるなど、独特の特徴もある。

小型ユニット
艦船

ティターンズ 編集

ティターンズは地球連邦軍とは逆に量産型MSが強く、上級MSが弱い傾向にある。そのため、初期戦力が他の勢力と比べると

一回り強い。最初は優位を保ちやすい反面、TECが上がりきる終盤がきついため、序盤にどれだけ優位を大きく築けるかが

ポイントとなる。可変MS全盛期のMSのため全般的に移動速度の速いものが多い。グレネード、またはミサイルを装備している

MSが多いため全体的に火力はやや高めとなっている。

地球連邦軍と共通ユニットのアクア・ジム、ガンダイバーとサラミスは機体色が濃い目に塗られている。

小型ユニット
大型ユニット
艦船

アクシズ 編集

主にアクシズのハマーン勢力が使用していたユニット構成となる勢力。全体的なユニット強弱傾向はティターンズと一緒。

バラエティに富んでおり様々なタイプのユニットを生産することが出来る。

また、アクシズで作れる最上級戦艦グワダンは本作最高クラスの戦艦性能を持つ

(その反面、生産費用が全ユニットの中で最も高く、完成には最長の4ターンかかる)。

小型ユニット
大型ユニット
艦船

ネオジオン 編集

ジオン公国軍・グレミー軍及び新生ネオ・ジオンのMSはこの中に含まれている。中級艦船のムサカの搭載数が他勢力の

中級艦船より1少ないため、スタート時の戦力の数が最も少なく、数の面では不利。

また、艦船が他の勢力より弱い傾向にあるが、レウルーラは最上級艦船の中では唯一2ターンで完成する

(他は3ターン以上かかるため、速く完成させるという意味では有利)。

艦船が弱い傾向にある分、量産機も上級MSも両方強い傾向にあるが、クセの強いMSが多く、そのクセを理解しないと真価を

発揮しづらい。また、ファンネル・インコムを搭載したユニットが多い。

アクシズと共通するユニットのザク・マリナーとムサイは、サザビーの様なシャア専用機・赤系の塗装がされている。

小型ユニット
大型ユニット
艦船

クロスボーン・バンガード 編集

MSの種類が少ないがショットランサーの威力が小型ユニットの中では最強クラスで、クロスボーン・バンガード製では

一番安いデナン・ゾンでさえガンダムクラスの性能を持つため、序盤・初期戦力が全勢力でも最も強い。
ただし、クロスボーン・バンガード製の物は他の勢力より生産費用が突出して高い上、デナン系と水中用ユニット以外のMSは

完成に全て2ターン以上かかるため、数を揃えづらく、物量戦が非常に苦手。

アクシズと共通ユニットのザク・マリナー、カプールはベルガ・ダラスの様に赤紫系の塗装が施されている。

小型ユニット
大型ユニット
艦船

攻略本 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Game profile: SD Gundam X: Super Gachapon World ~ SNESmusic.org
  2. ^ 「SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス for Nintendo Switch」宇宙世紀100年を彩る機体とゲームの流れを紹介”. GAME Watch (2018年3月30日). 2018年12月7日閲覧。
  3. ^ Switch版『スーパーガチャポンワールド SDガンダムX』が12月6日に発売。中断セーブの機能が追加”. 電撃オンライン (2018年12月5日). 2018年12月7日閲覧。
  4. ^ 現存するユニットの数でカウントされるのでベースで生産完了して出撃OK状態のユニットはカウントされない。
  5. ^ 普通にプレイする場合、全滅される側が極めて劣勢の状況のため、同時全滅する状況が作れない。
  6. ^ 地球連邦軍で例を挙げると下級がサラミス、中級がホワイトベース、上級がアーガマ、最上級がラー・カイラムとなる。

外部リンク 編集