ゼンデン(Zenden)[2][4]とは、アメリカ合衆国競走馬。主な勝ち鞍に2021年ドバイゴールデンシャヒーン、ペリカンステークス(リステッド競走)。ドバイゴールデンシャヒーンでG1競走初制覇を果たした直後に故障を発生[注 1]し、そのまま安楽死処分となった。

ゼンデン
欧字表記 Zenden[1][2]
品種 サラブレッド[2]
性別 [2]
毛色 栗毛[2]
生誕 2016年3月25日[1][2]
死没 2021年3月27日(5歳没)[3]
Fed Biz[1][2]
You Laughin[1][2]
母の父 Sharp Humor[1][2]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(ケンタッキー州)[1]
生産者 Brent Harris & Beth Harris[1]
馬主 Pichi Investments LLC.
→LLP Performance Horse, LLC.
[1]
調教師 Victor Barboza Jr.
Todd Pletcher
→Carlos A. David
[1]
競走成績
生涯成績 15戦6勝[1][2]
獲得賞金 1,131,760ドル[1]
勝ち鞍
G1 ドバイゴールデンシャヒーン 2021年
Listed ペリカンステークス 2021年
テンプレートを表示

戦績

編集
  • 特記事項なき場合、本節の出典はEQIBASE[1]

2018年9月29日、ガルフストリームパーク競馬場でのメイドン競走でデビューし、1着。続くブラックタイプ競走のバッファローマンステークスも勝って2連勝とし、重賞競走初出走のG3競走スウェイルステークス英語版でも2着に入る。続くタンパベイダウンズ競馬場英語版でのG2競走タンパベイダービー英語版キーンランド競馬場に転戦してのG3競走レキシントンステークス英語版はそれぞれ4着、8着と振るわなかったが、トッド・プレッチャー厩舎に転じての初戦であるガルフストリームパークでのアローワンス競走を勝って3勝目を挙げた。冬季は重賞競走を3走して勝ち星がなかったが、2020年秋の初戦、カルロス・デイヴィッド厩舎に移っての初戦でもあるローレルパーク競馬場でのアローワンス競走で4勝目。11月と12月に重賞競走を1走ずつするも9着、12着という成績に終わった。

2021年初戦、1月のタンパベイダウンズ競馬場でのアローワンス競走で2着に入ると、続く2月のリステッド競走ペリカンステークスで5勝目を挙げ[5]ドバイミーティングに遠征する。3月27日のドバイゴールデンシャヒーンでは前売りで13頭立ての最低人気となっていたが[6]、レースではスタートしてすぐに先頭を奪い、普段では掛かり癖を持ち制御の難しい日本からの遠征馬ジャスティンですら追走を苦にするペースで逃げた[7]。そのまま直線に入り、追い込んできた日本のレッドルゼルを3馬身4分の1差の後方に置き去りにして1分09秒01のトラックレコードで優勝した[6][8][3]。ところがゴール入線直後、左前脚を複雑骨折して鞍上のアントニオ・フレスを振り落としたうえで転倒し、まもなく安楽死の措置が取られた[8][3]。歓喜直後の悲報に、管理するデイヴィッドはブラッド・ホースのインタビューで「喜び以上に落胆している。賞金やトロフィーよりも、レースに勝って私のもとに無事に帰ってきてほしかった。私は最期の瞬間に立ち会ったが、脚を治す手立てはなかった。できれば、メイダンに記念碑を立てたい」と語った[8][9]

競走成績

編集

以下の内容は、EQIBASE[1]、Racing Post[10]、JRA-VAN[4]の情報、記載法および呼称に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 枠番
(PP)
馬番
(Pgm)
(SP)
着順 騎手 斤量
lb./kg換算)
タイム 着差 勝ち馬/(2着)馬
2018.09.29 ガルフストリームパーク メイドン競走 ダ6f(Fs) 8 5 5 01着 E. ハラミーヨ 118/53.5 R1:11.62 1馬身3/4 (Jamaican)
0000.12.08 ガルフストリームパーク バッファローマンS BT ダ6f(Fs) 7 7 7 01着 E. ハラミーヨ 116/52.5 R1:12.32 2馬身 (Jackson)
2019.02.02 ガルフストリームパーク スウェイルS G3 ダ7f(Fs) 11 9 9 02着 E. ハラミーヨ 120/54.5 (1馬身1/4) Call Paul
0000.03.09 タンパベイ タンパベイダービー G2 ダ8.5f(Fs) 11 11 11 04着 S. カマーチョ 117/53 (3馬身) Tacitus
0000.04.13 キーンランド レキシントンS G3 ダ8.5f(Fs) 10 9 9 08着 T. ガファリオン 118/53.5 (14馬身1/4) Owendale
0000.11.03 ガルフストリームパークウエスト アローワンスオプショナルクレーミング競走 ダ6f(Fs) 7 1 1 01着 E. ザヤス 120/54.5 R1:09.59 1/2馬身 (Frosted Grace)
0000.12.21 ガルフストリームパーク ミスタープロスペクターS G3 ダ7f(Fs) 6 4 4 04着 J. ヴェラスケス 118/53 (6馬身1/4) Diamond Oops
2020.01.25 ガルフストリームパーク フレッド W. フーパーS G3 ダ8f(Fs) 14 2 2 02着 J. ヴェラスケス 118/53 (1馬身) Phat Man
0000.02.29 ガルフストリームパーク ガルフストリームパークマイルS G2 ダ8f(Fs) 11 5 5 09着 J. ヴェラスケス 118/53 (12馬身3/4) Mr Freeze
0000.10.09 ローレルパーク アローワンスオプショナルクレーミング競走 ダ6f(Fs) 5 5 5 01着 J. トレド 121/55 R1:09.69 クビ (Awesome D J)
0000.11.28 ローレルパーク フランク Y. ホイットニーS BT ダ6f(Fs) 10 5 8 09着 J. トレド 125/56.5 (11馬身3/4) Whereshetoldmetogo
0000.12.21 ガルフストリームパーク ミスタープロスペクターS G3 ダ7f(Fs) 12 11 11 12着 J. アルヴァラード 122/55.5 (16馬身) Sleepy Eyes Todd
2021.01.15 タンパベイ アローワンスオプショナルクレーミング競走 ダ6f(Fs) 5 5 6 02着 S. カマーチョ 118/53 (アタマ) Edgemont Road
0000.02.13 タンパベイ ペリカンS L ダ6f(Fs) 7 1 1 01着 S. カマチョ 118/53.5 R1:09.85 アタマ (Souper Stonehenge)
0000.03.27 メイダン ドバイゴールデンシャヒーン G1 ダ6f(Fs) 13 13 14 01着 A. フレス 126/57 R1:09.01 3馬身1/4 Red le Zele
  • BT:ブラックタイプ競走

血統表

編集
ゼンデン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ストームバード系
[§ 2]

Fed Biz
2009 鹿毛
父の父
Giant's Causeway
1997 栗毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Mariah's Storm Rahy
*イメンス
父の母
Spunoutacontrol
1996 黒鹿毛
Wild Again Icecapade
Bushel-n-Peck
Yarn Mr. Prospector
Narrate

You Laughin
2008 栗毛
Sharp Humor
2003 鹿毛
Distorted Humor *フォーティナイナー
Danzig's Beauty
Bellona *ハンセル
Basoof
母の母
Livermore Leslie
1993 栗毛
Mt. Livermore Blushing Groom
Flama Ardiente
Whitesburg Express Whitesburg
Frozen Expression
母系(F-No.) (FN:5-h) [§ 3]
5代内の近親交配 Blushing Groom 5 × 4 = 9.38%、Mr. Prospector 4 × 5 = 9.38%、Crimson Satan 5 × 5 = 6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [4][11]
  2. ^ [12]
  3. ^ [12]
  4. ^ [11][12]

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 骨折などで競走を中止したなどの場合、このように表現される。

出典

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Zenden (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2021年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Zenden(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月21日閲覧。
  3. ^ a b c 【ドバイゴールデンシャヒーン結果】ゼンデンがG1初制覇も入線後に故障発生、安楽死に 日本馬はレッドルゼルが2着に”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2021年3月27日). 2021年7月21日閲覧。
  4. ^ a b c ゼンデン”. JRA-VAN Ver. World - 競走馬データ検索. JRA-VAN. 2021年7月21日閲覧。
  5. ^ Zenden takes Pelican, The Goddess Lyssa wins Minaret”. DRF.com. Daily Racing Form (2021年2月13日). 2021年7月21日閲覧。
  6. ^ a b 【ドバイゴールデンシャヒーン】最低人気ゼンデンがレコードV、レッドルゼルが追い込み2着”. JRA-VAN Ver. World - 海外競馬ニュース. JRA-VAN (2021年3月28日). 2021年7月21日閲覧。
  7. ^ 坂井瑠星 海外長期遠征 挑戦者 - ジャスティンの奮闘とZendenの強さ ドバイゴールデンシャヒーン回顧”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2021年4月1日). 2021年7月21日閲覧。
  8. ^ a b c Zenden Suffers Fatal Injury After Golden Shaheen Win”. BloodHorse.com. Blood-Horse LLC. (2021年3月27日). 2021年7月21日閲覧。
  9. ^ ドバイで番狂わせのゼンデン、レース直後に故障で安楽死”. JRA-VAN Ver. World - 海外競馬ニュース. JRA-VAN (2021年3月29日). 2021年7月21日閲覧。
  10. ^ Dubai Golden Shaheen Sponsored By Gulf News (Group 1) (Dirt)”. Racing Post. 2021年7月21日閲覧。
  11. ^ a b Zenden(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月21日閲覧。
  12. ^ a b c d Zendenの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年7月21日閲覧。

外部リンク

編集