ディジュリドゥDidgeridoo, Didjeridu)とは、オーストラリア大陸の先住民アボリジニ金管楽器である。木製ではあるが発音原理から木管楽器ではなく金管楽器に分類される。

ディジュリドゥ
各言語での名称
Didgeridoo, Didjeridu
Didgeridoo
Didgeridoo
Didgeridoo
ディジュリドゥ
様々な形状
分類
演奏者
演奏の姿

製法・構造編集

シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から作られる[1]。複雑多岐に渡る演奏方法・使用目的がある。その名を出したり、楽器を見ることさえ禁じられており、特殊な儀礼に使われる特殊なディジュリドゥもある。

原材料のユーカリには数百種があり、その中でもシロアリが好んで食べるものは特定の数種に限られる。通常は自然の状態でシロアリに食べられたユーカリから作られる。アリの巣そのものにユーカリの木を刺し込み、少し穴の開いた木にシロアリを入れて口を塞いで強制的に食べさせるといった製法も存在している。その後、1mから2mに切り、表皮を削り口当ての部分に蜜蝋(ビーズ・ワックス)などを塗り、表面にはを砕いた顔料アボリジナル・ペインティングを施す[1]

太さ、管の内径、長さなどは不定で、部族やクラン(言語グループ)によってその形状と音色は異なっている。長さは80センチメートルから2メートルを超えるものまで幅広い。表面はウレタン樹脂などでコーティングしただけの木肌ままのものや、塗装が施されているものもある。吹き口は幹の細い方を蜜蝋で加工して作る。

現在では原材料も多種多様となり、チークリュウゼツランPVCFRPといったものも販売されている。また2017年には、静岡県沼津市戸田地区の地域おこし協力隊が、地元の特産品であるタカアシガニの殻を素材とした「タカアシガニリドゥ」という楽器を製作している[2]

演奏方法編集

音を出す方法は、管の一端に口を当てて唇の振動などを利用するもので、口当てに口を付け、息を吹き込みながら唇を震わせ、口や筒の中に共鳴させることで、音を発生させる[1]

金管楽器トロンボーンチューバ等にも似るが、その複雑な演奏方法は他に類を見ない[独自研究?]。通常、循環呼吸が使われる。

ディジュリドゥとアボリジニ編集

アボリジニは1000年以上前にディジュリドゥを作ったとされ、実際には文献が存在しないので証明が不可能ながら「世界最古の管楽器」の一つではないかと言われる。主に宗教儀式やヒーリングのために演奏していたと考えられている[1]。現在では様々な地域で演奏されるが、伝統的にディジュリドゥが伝わる地域はオーストラリアでも北部に集中しており、クイーンズランド州西オーストラリア州の北部とノーザンテリトリーアーネムランドのみである。

元々は、アボリジニが昔から精霊と交信するための祭儀で使用していたもので[1]、神聖な楽器として大事に扱われていた[1]

ディジュリドゥという名は、オーストラリアに入植した白人がその音を聞いて「ディジュリドゥ」と聞こえたことによって付けられた[1]。20世紀に入ってからのことである。アボリジナル自身はそれぞれの言語グループの言葉で、例えばアーネムランド内でも南西の方では「Mago(マゴ)」、北東では「Yidaki(イダキ)」、クィーンズランド州北部では「Yigi Yigi(イギイギ)」などと呼ぶ。ちなみに、日本に出回っているディジュリドゥの多くはイダキである。

また、アボリジニの間ではディジュリドゥは男性の楽器とされ、女性が演奏することはほとんどない。女性が吹くと妊娠するので吹いてはいけない、部族によっては反対に女性が吹くと不妊になるので吹いてはいけないという伝承がある。女性は触れてもいけないとする部族もある。

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g J.A.D.A.”. www.rhythm-com.jp. 2020年6月16日閲覧。
  2. ^ 沼津・戸田特産タカアシガニ使った楽器、地域おこし協力隊員が考案”. 伊豆経済新聞 (2017年7月26日). 2017年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月7日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集