デミタス

コーヒーまたはカップ
デミタスカップから転送)

デミタス (Demitasse) は、深煎りのコーヒー豆を挽き、布フィルターを用いて抽出したコーヒーである。元来フランス語では「小さなカップ (demi tasse)」を意味する。またカップとしてのデミタスは、デミタスコーヒーをはじめトルココーヒーエスプレッソ等を飲む際に用いられるカップのことである。

一般的なデミタスカップ
Demitasse cups
金属製の枠を持つデミタスカップとデミタススプーンのセット
鳴海製陶ボーンチャイナのデミタスカップ

カップの容量は通常約60-90mlで、通常のコーヒーカップの半分程度の大きさである。白色の陶器磁器で出来ていることが多いが、装飾を施したものもある。揃いの柄のソーサーが付く[1][2]。金属製の枠に入ったガラス製カップの場合もある。

歴史 編集

デミタスは、1806年のイタリアカフェアンティコ・カフェ・グレコ」が起源とされる[3]。当時のフランス大陸封鎖令を発令したことで植民地からコーヒー豆の輸出入量に制限がかかり、イタリアではコーヒー豆が不足していた。品質を保ちつつ、少量の豆でコーヒーを味わうためにデミタスコーヒーが生まれた。

2008年5月、ギネスワールドレコーズは、オーストラリアイプスウィッチ市市議会の市長によるコレクションを世界で最大のコレクションと認定した[4]。これは、市長の Paul Pisasale が15年間以上かけて集めたもので[5]、650セット・1500個からなる。

抽出方法 編集

デミタスコーヒーの抽出は、ネルドリップと呼ばれる布フィルターで行う。深煎りのコーヒー豆を挽いた後、80 - 90℃の湯を時間をかけて注ぎ、ネルドリップで抽出する。旨味成分が多いとされる70 - 80cc部分のもののみを使用したのがデミタスコーヒーと言われる。通常のコーヒーの約4倍の濃さがあり、「コーヒーの玉露」とも評される[6]

出典 編集

  1. ^ Demitasse cup and saucer, "Imari" pattern”. Yale University Art Gallery. 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月10日閲覧。
  2. ^ Haviland Demitasse Teacup and Saucer”. Tempe Historical Museum. 2011年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月10日閲覧。
  3. ^ 臼井隆一郎 『コーヒーが廻り世界史が廻る近代社会の黒い血液』 中公新書 1992年
  4. ^ Short black cup world record smashed”. City of Ipswich (2008年5月28日). 2010年3月10日閲覧。
  5. ^ Mayor - Cr Paul Pisasale”. City of Ipswich (2008年6月30日). 2010年3月10日閲覧。
  6. ^ 愛知県名古屋市の喫茶店店主への取材(2017年12月3日)[独自研究?] [出典無効]

関連項目 編集