バスカード富士急行及びグループ内の路線バス事業者(フジエクスプレスは除く)で発売していた磁気式乗車カードプリペイドカード)である。2008年8月14日、各社より同年9月30日限りの発売停止と2009年9月30日限りの利用停止が発表された[1]

概要 編集

富士急行では、通常の回数券は11枚つづりで10枚分か、35枚つづりで30枚分の運賃によるものであったが、券種が70円~250円のものが10円刻みで存在したため、発売券種は38種類(このほかに昼間回数券もあった)にものぼり、管理上非常に煩雑であった。バスカードの導入によりこれを解消した上、乗り継ぎ割引などの設定によりバス利用者増を図ったものである。

従来の回数券と比較すると利便性が高いため、普及はかなり早かった。他社との共通化も検討されていたが、これはPASMOで実現することになった。

フジエクスプレスの全路線(ちぃばすを含む)、高速バスでは使用できない。

富士急湘南バスではバス共通カードも利用可能であるが、富士急行のバスカードとは割引率のみならず、残額パンチ位置も異なっている。異なる規格のバスカードが並行導入されている稀少な例として特筆される。

利用可能な事業者及びエリア 編集

下記の事業者の一般路線全線で利用可能。ただし、富士登山バスにおいて、貸切車が使用された場合には使用できない。

沿革 編集

種類 編集

普通カード・昼間カード・学生カードの3種類が存在する。

普通カード

  • 3000円(3300円分)割引率9.1%
  • 5000円(5600円分)割引率10.7%
  • 10000円(11600円分)割引率13.8%

昼間カード 9時 - 16時の降車で有効。

  • 1000円(1100円分)割引率9.1%
  • 3000円(3900円分)割引率23.1%
  • 5000円(6550円分)割引率23.7%

1000円カードの割引率が低いように思われるが、乗り継ぎ割引が適用されるため、実質的な割引率はもう少し高くなる。

学生カード 購入には通学証明書が必要。

  • 3000円(3900円分)割引率23.1%
  • 6000円(7800円分)割引率23.1%
  • 8000円(10650円分)割引率24.8%

登場当初の割引率 編集

1997年の導入当初は、非常に高い割引率で話題となった。特に昼間カードについては、割引率が30%を超えていた。しかし1999年頃に割引率が引き下げられている。割引率引き下げの理由については不明。

普通バスカード

  • 3000円(3450円分)割引率13%
  • 5000円(5750円分)割引率13%
  • 10000円(11800円分)割引率15.3%

昼間バスカード

  • 1000円(1500円分)割引率33.3%
  • 3000円(4500円分)割引率33.3%
  • 5000円(8000円分)割引率37.5%

利用方法 編集

  • 乗車時にカードリーダーにカードを通し、降車時にカードリーダーにカードを通すと運賃が差し引かれる。
  • 複数人または子供がいるときは、運転士に申告する必要がある。ただし、学生カードではこの扱いは出来ない。
  • 乗車時にカード挿入を忘れた場合、始発からの運賃が差し引かれるが、乗り継ぎ割引は適用されない。ただし、乗務員に申し出ればテンキー入力によって処理可能で、乗り継ぎ割引も適用される。
  • カード残額が足りなければ別のカードを用意するか、現金で精算することができる。ただし、複数種類のカード(例えば学生カードでの不足分を普通カードで行なう場合)での連続使用は出来ず、カードが有効であることを確認して乗務員がテンキー入力で処理する。

裏面印字機能 編集

富士急湘南バス(当時)以外のエリアでは、降車時に以下のように印字される。 「0114A403-43*¥8560」

0114 A 403 - 43 * ¥8560
乗車月日 上下区分 系統   降車停留所 割引有無 残額
  • 乗車月日
  • 上下区分…下り便が「A」、上り便が「B」。循環路線の場合は「B」となる。
  • 系統…デジタル運賃表の指令番号。
  • 降車停留所…出発地から何番目の停留所かが記される。
  • 割引有無…乗り継ぎ割引が適用された場合は「*」、テンキーによる金額入力処理となった場合は「■」が印字される。
  • 残額

乗り継ぎ割引 編集

富士急湘南バス(当時)以外のエリアでは、指定のバス停で1時間以内に乗り継いだ場合、2台目のバスでは運賃から一律50円が割り引かれる。乗り継ぎ回数制限はない。単純な往復乗車でも適用される。

富士急湘南バスエリアでの利用 編集

富士急湘南バス(当時)エリアではバス共通カードに合わせた運賃箱仕様になっているため、裏面印字機能がなく、乗り継ぎ割引指定停留所も存在しない。また、車内や回数券委託販売所ではバス共通カードのみの発売となっているため、富士急行のバスカードを購入する場合は直営窓口を利用する必要がある。

脚注 編集

  1. ^ 2008年9月30日(火) にて、『富士急バスカード』の発売を中止致します。 富士急行、2008年8月14日

関連項目 編集