プリペイドカード
プリペイドカード(英: prepaid card 略語:プリカ)とは、予め入金して積み立てておく形(前払い)で一定金額の価値を有し、商品やサービスを提供してもらう権利のあるカード型の有価証券(金券)。プリペイドカードはトラベラーズチェックなどと同じく前払式決済の一種である[1]。ただし、クレジットカードや預金口座から即時引き落とされるデビットカードとは異なる。
概説編集
プリペイドカードとは次のような特徴を有する磁気カードなどのカード類である[2]。
- 消費者が商品(サービス)の購入に先立って一定の利用価値を電磁的に記録したカードを購入すること(前払い方式)[2]
- 消費者の商品(サービス)の購入時に購入金額分が電磁的な記録から減算されること[2]
- カードと使用者の関係が特定されない無記名証券であり流通性を有すること[2]
事前に代金を支払って購入するもので、商品券と異なり、残額がゼロになるまで繰り返し利用できる。発行者側には、使用完了までの間に資金運用が可能、少額決済のために釣り銭の用意や販売機等に投入された硬貨の回収の手間が省けるなどの利点がある。また利用者側には、小銭を持ち歩く必要がなく、軽くて持ち歩きやすい、カードによってはプレミアム(おまけ)やポイント還元により現金での決済より有利、などの利点がある。
基本的には磁気で記録するカードであるため、記録するデータ量がさほど多くなく、また市販のカードリーダ/ライタで偽造が行いやすい。そのため、偽造カードの流通が大きな社会問題となっており、高額カードの発売および利用停止(テレホンカードやオレンジカードなど)や、さらにプリペイドカードシステムそのものが廃止(ハイウェイカード、オレンジカード、ふみカードなど)されたものもある。
偽造対策のために開発されたICカードの一部や、国際ブランドのプリペイドカードでは、繰り返し代金を追加して利用できるカードもあり、一部の電子マネーに相似する。
また、モバイラーズチェックのように、磁気式ではなく、スクラッチカード印刷で一意の番号を記入したカードもある。これらのカードは、購入後、一意の番号を携帯電話等に登録して購入金額分の利用権を登録する形で利用する。また、コンビニエンスストアなどでは金券類などの盗難対策として、チケット用紙ないしは感熱式のレシートなど、シートに登録用の番号を印字して発行されていたが、最近ではプリペイドカードの裏面のバーコードをPOSレジに通し、購入処理が行われたことによってプリペイドカードの残高が有効になるシステム(POSA〈Point Of Sales Activation、POSアクティベーション〉方式)が導入されたことにより、カード式での販売が再び行われるようになった。
カードは多種多様に富んだデザインの物が発行されており、チャージが出来ないものは残額を使い切ったあとは使用用途が無くなる。使用済みプリペイドカードは回収してリサイクルされて別のプラスチック製品の原料になるほか、コレクターが収集目的で買い取る事がある。これを利用して、援助団体が発展途上国への援助活動などの活動資金の資金源として使用済みプリペイドカードを回収している事がある[3]。また、一部のプリペイドカード採用事業者では、使用済みカードを特定枚数集めて特定金額の未使用カード1枚と交換するシステムを実施している事業者がある。
紛失、不正使用など編集
クレジットカードの場合と異なり、基本的にチャージ済み残高の不正使用(偽造も含まれる)や、プリペイドカードの紛失・盗難・障害に関する補償は無い[4]。カード使用の際も、基本的に信用照会、与信照会は行われず、残高チェックだけが行われる。ただし、ブランドによっては、特定の有料会員サービスを事前に契約しておくと、不正使用分が補償されるサービスもある。
基本的に無記名式のプリペイドカードは残高再発行は不能である。記名式(名義あり)であっても、プリペイドカードでは残高再発行に対応しないブランドが多数である。
ブランドカード型のプリペイドカードは、クレジットカードと同様に裏面の署名欄があるが、ここに署名するだけでは不正使用等に対する補償はされない。
プリペイドカードでオートチャージ機能を使用している場合、不正使用、盗難や紛失が発覚した場合には速やかに利用停止措置を取る必要がある。この点は、プリペイド(前払い)式の電子マネーと仕組みはほぼ同様である。詳細は「電子マネー#電子マネーの紛失等のリスク」参照。
なお、ブランドカード型のものでは、ICカード対応によりカード自体の偽造防止対応が進んでいる。それ以外のハウス型カードでは磁気カードのままの物も多数ある。
米国のプリペイドカード編集
アメリカ合衆国はプリペイドカードの先進国となった国であり1976年に地下鉄で利用されたのが始まりである[2]。
プリペイドカードについて米国では州により規制が異なる。プリペイドカード発行のための法的な資格要件が定められておらず所持人に対する特別の保護もないところもあるが、州の法律によって発行条件が厳格に規制され発行主体の倒産時の所持人保護について規定している州もある[5]。
日本のプリペイドカード編集
日本では1982年に旧電電公社がテレホンカードを発行したのが最初とされている[2]。
プリペイドカードの多くは資金決済に関する法律によって規制される前払式支払手段の一種である。日本では1989年(平成元年)の前払式証票の規制等に関する法律により法規制が行われ同法はプリペイドカード法と呼ばれていた[6]。前払式証票の規制等に関する法律に代わって2010年(平成22年)に施行されたのが資金決済に関する法律である。
資金決済に関する法律によって、通常、発行主体は内閣総理大臣(財務局)への届出か申請を必要とし、毎年3月・9月末時点で発行したカードの未使用残高が1000万円を超える場合、残高の半分以上の発行保証金を供託しておく義務などを負う。ただし、交通機関の回数券などは別の制度によって保全され、ハイウェイカードなどのような特殊法人が発行するものは、この法律の適用から除外されている。
日本ではこれらの法令のほかプリペイドカード取引標準約款及び加盟店規約例も定められている[6]。
汎用型リロードタイプ編集
下記のものがあるが、その他に、SMBC信託銀行や新生銀行、バンコ・ド・ブラジル在日支店等の外貨預金利用者を対象に、当該口座からチャージして国外で引き出すためのプリペイドカードも発行されている。
- ANAマイレージクラブ ANA JCBプリペイドカード(全日本空輸、ジェーシービー) — JCBプリペイドとして使用可能となっているANAマイレージクラブの会員カード。
- ANAマイレージクラブ ANA VISAプリペイドカード(全日本空輸、三井住友カード) — VISAプリペイドとして使用可能となっているANAマイレージクラブの会員カード。
- LINE Pay カード[7] — LINEで独自に展開していたLINE PayのサービスにJCBのプリペイドカードの仕組みを利用して実店舗での利用を可能にしたもの。サービス開始当初は利用普及を目的に利用金額の2%分のポイントが還元されていたが、2018年6月1日利用分からは利用実績に応じてポイント還元率が最大2%となるようにサービスが変更された。
- Money T Global (ジェイティービー) — VISA、国外利用専用カード。ICなしのカード所有者については、切り替えの申し込みをしなかった場合は、有効期限を切り上げて使用不可、廃止の手続きを取った。
- NEO MONEY(クレディセゾン) — Visa/銀聯、国外利用専用カード。Visaは、日本国内対応型と国外専用型がある(国外専用型を発行した既存会員は、希望により日本国内対応型に切換が可能)。銀聯は、国外専用のみ。チャージはセブン銀行のATM(VISAのみ、自社ATMも可能)を利用するが、指定されたいくつかの銀行・信用金庫の口座のいずれかに振り込む形でも可能。
- NETeller Prepaid MasterCard(Optimal Payments) — NETellerの英国地域の拠点で発行されるが、日本国内住所でも申込入手可能で、日本国内では、国外発行のMasterCardの引き出しができるATM(コンビニATM等)を利用すれば、日本円での引き出しが可能。国外発行で、日本国内での申し込みができる。
- Visa トラベルプリペイドカード Global Money(トラベルバンク)[8] — 2009年7月、JTBグループのトラベルバンクが発売。日本国外のVisa加盟店、Visa提携ATMで利用ができ、トラベラーズチェックに替わる商品であり、電子マネー的性格を持つ。新規の申込み受付は2012年3月で終了。
- WebMoney Card — 株式会社ウェブマネーが発行するプリペイドカード。ウェブマネーポイントをMasterCardブランドのプリペイドカードとして使えるようにしたもの。後述のau Walletプリペイドは、当カードのインフラを採用している。チャージもauショップで行える(auウォレットプリペイド用の自動チャージ機には対応していないため、窓口での受付となる)。
- au WALLETプリペイド(KDDI/沖縄セルラー電話、ウェブマネー) — 2014年5月、auから提供が始まったマスターカードブランドのプリペイドカード。ウェブマネーとの併用も可能。当初は、単にauウォレットと称していたが、後にじぶん銀行が発行する、auウォレットクレジットカード(クレジットは、VISAブランドで発行)が発行開始されたため、区別のためにauウォレットプリペイドカードとなった。(auショップのカウンターのほか、店舗によっては自動チャージ機で可能。また、一部金融機関のインターネットバンキングからのチャージも可能)
- dカードプリペイド(NTTドコモ・三井住友カード) — dポイントカードにMasterCardプリペイドとiDプリペイド機能を搭載したもの。1回線に対して1枚発行可能。大手3社の中で唯一、自社の契約が無くても発行可能。
- mijica(ゆうちょ銀行、クレディセゾン) — 2017年1月23日より、仙台市と熊本市に所在するゆうちょ銀行直営店および一部郵便局の貯金窓口で、地域限定で発行開始された、Visaプリペイドカード。その後、札幌市と千葉県が追加。キャッシュカード発行手続済みのゆうちょ銀行の総合口座通帳を有する12歳以上の顧客であれば、即時発行する。仙台市のカードはむすび丸が、熊本市のカードにはくまモンのデザインが施されている。他地域での発行は、今後の状況を見て判断するとしている。
- 「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」(楽天銀行) — 楽天銀行の口座を利用している楽天会員が発行できる、JCBプリペイドカード。楽天銀行の口座残高からチャージを行う。いったんチャージした残高は、楽天銀行の口座には戻すことができない。
- アクアカード (コメリキャピタル) — JCBプリペイドとして使用可能となっている、コメリ店舗ないしはコメリ.net利用者向けのポイントカード機能つきのメンバーズカード。入会金108円が発行時にかかる。
- キャッシュパスポート(マスターカードプリペイドマネージメントサービシーズジャパン) — 国外利用専用カード、マスターカードブランド
- ココカラクラブカード(クレディセゾン) — ココカラファインヘルスケア運営の各ブランドの店舗で発行される、VISAプリペイド機能付のポイントカード。
- ソフトバンクカード(ソフトバンクペイメントサービス) — VISAプリペイドカードとTポイントカードを兼ねる[9]。なお、同音異義語となる「SoftBankカード」は、クレディセゾンが発行するクレジットカードであり、このカードとは別物となる。
- テイツーカード(カードフレックスジャパン、アプラス) — テイツーが運営する古書店やリサイクルショップで利用可能な、ポイントカード機能一体型のVISAプリペイドカード。テイツーの完全子会社であるカードフレックスジャパンの事業継続性の問題から発行停止となり、有効期限に到達しないものもポイントカードのみのものに順次切替がなされ、カードフレックスジャパンも2017年に会社清算。
- ドコモ口座Visaプリペイドカード(NTTドコモ) — ドコモ口座利用者向けのサービスで、もとはネット決済用のワンタイムカードとして、バーチャルカードのみであったが、実体のあるカードの発行の開始にともない、有料で希望者に発行されるカード。
- パルコプリカ(クレディセゾン)[10] — 調布パルコ・福岡パルコで発行されるVISAプリペイドカード。チャージは発行店に設置されているチャージ機か全国のゆうちょ銀行ATMからの現金チャージ、またはセゾンカード・UCカードによるクレジットチャージのみ。利用する店舗に関わらず、利用金額の0.5%が翌月10日にプリペイド残高にキャッシュバックされる。
- ピコカ(クレディセゾン) — デリシアおよびユーパレット利用者向けのVISAプリペイド機能付きポイントカード。デリシア・ユーパレット店頭および八十二銀行のATMによる現金チャージとクレジットチャージに対応。
- マネパカード( マネーパートナーズ) — マネーパートナーズが発行するMasterCardブランドのプリペイドカード。同社でFX取引がある場合は、そのスプレッドを出金時に充当可能。当初は国外利用専用だったが、2016年6月からは、切換なしで日本国内での決済利用に対応した。
- ローソンおさいふPonta[11] (クレディセゾン) — JCBプリペイドとしてライセンスされ、スキミング防止の為にホロマグネットストライプを施したJCBロゴが付いた、JCBプリペイドカード。
- 旅プリカ(ジェイティービー) — JCBプリペイド。JTBトラベルポイントの会員が発行できる。日本国内でのみ利用でき、チャージ(提携店を除くグループ店舗(PTSトラベルナビを含む)やPay-easy、JCBのクレジット、ローソンのレジから行う。
- Kyash(Kyash)— VISA。アプリ上のバーチャルカードと、リアルカードの両者が存在する。個人間での残高の送金も可能。
バーチャルカード編集
バーチャルカードとはインターネット上の決済のみで使えるカードである。下記のものの他、三菱UFJニコスやオリエントコーポレーション、ジャックス等が、すでに自社のクレジット会員を対象として、クレジットのショッピング枠からチャージして、本来のクレジットの会員番号とは別の番号でネット決済できるプリペイド式のバーチャルカードが設定されている。
- V-Preca(ライフカード)— Visaバーチャルカード。コンビニで、POSAによる実体のあるカードの購入も可能。
- JCB PREMO(ジェーシービー) — JCBバーチャルカード。コンビニや一部の地銀・第二地銀系のJCBフランチャイジーのカード会社で、POSAによる実体のあるカードの購入も可能。
ハウスカード編集
ハウスカードとは決済に使用できる対象が特定の会社の製品やサービスに限定されているものをいう。
- Amazonショッピングカード・Amazonギフト券 — Amazon/Javariで利用できるカード。
- Amebaプリペイドカード — サイバーエージェントが運営する「Ameba」での決済に使われる。
- Brastel ブラステルスマートフォンカードリチャージ式国際電話カード。
- CDMAぷりペイドカード — au(KDDI/沖縄セルラー電話)。携帯電話用。
- CoGCa — CGCグループ加盟一部企業の店舗のみで利用可能。ポイントカードとしては発行チェーン店(カード表面に加盟店のロゴが入っている)のみの完全ハウスカード。プリペイドカード機能は発行しているチェーン店間であれば相互利用可能。
- Comicaカード — ソフトバンク。主に国際電話用。
- CosmoGold コスモゴールドカード — リチャージ式国際電話カード。
- GREEプリペイドカード — GREEコインプリペイドカード。GREEでの決済に使われる。
- HMV ギフトカード — HMVで利用できるカード。チャージ式と使い切りのものがある。
- iTunes Card・AppStore Card — アップル iTunesのiTunes Storeで販売されている有料App購入時の決済に使われる。
- JA-SSプリカ - クオカードと相互利用できるカード。
- ENEOSプリカ — クオカードと相互利用できるカード。
- KDDI — OKカード。 PIN販売方式国際電話カード。
- KDDIスーパーワールドカード — KDDI。主に国際電話用。
- Mobageモバコインカード (DeNA) — MobageやYahoo!モバゲーでの決済に使われる。
- プラザスタイル ギフトカード — PLAZAで利用できるカード。
- プレイステーションネットワークカード(ソニー) — PlayStation Storeで販売されている有料ソフト購入時の決済に使われる。
- SB Callingカード(エスビーサイバーパス) — 主に国際電話用。
- SkyWorld スカイワールド。リチャージ式国際電話カード。
- Vivaplus ビバプラス — リチャージ式国際電話カード。
- Windowsストアギフトカード(マイクロソフト) — 上記のXbox ギフトカードとデザインは異なるが効果は同じ。
- ふみカード(旧郵政省→郵政事業庁→日本郵政公社→現郵便事業) — 切手、葉書、郵便料金の納付。2003年4月以降販売中止、2006年9月30日廃止。
- イオンギフトカード(イオンリテール)
- オッズカード(JRAシステムサービス) — 中央競馬 (JRA) の競馬場やWINSに備え付けてあるオッズボックス(オッズが書かれた紙を印刷・発行する端末)専用のプリペイドカード。
- QUOカード
- ソフトバンクプリペイドカード (ソフトバンク)。携帯電話用。
- スターバックスカード(スターバックス)
- プリペイドカード、pjカード — (当時・ソフトバンクモバイル)。廃止されている。
- ICテレホンカード(NTT東日本・西日本) — 2006年3月末に利用停止。
- テレホンカード(NTT東日本・西日本) 。公衆電話用。
- majica(ドン・キホーテ)
- ニンテンドープリペイドカード(任天堂) — Wiiの『Wiiショッピングチャンネル』及びニンテンドーDSiの『ニンテンドーDSiショップ』及びニンテンドー3DSの『ニンテンドーeショップ』で販売されている有料ソフト購入時の決済に使われる。旧ニンテンドーポイントプリペイドカード。
- パッキーカード(日本レジャーカードシステム)・パニーカード(日本ゲームカード) — CR機と呼ばれるパチンコ機でプレイする際に必要となる貸し玉プリペイドカード。1990年に導入された。
- サークルKサンクスプレカード — サークルK・サンクスにて利用可能なカード[12][13]。
- プリケーカード、プリティカード(ツーカー (KDDI)) — 2008年3月31日、ツーカーのサービス終了に伴い廃止。
- Xbox ギフトカード(マイクロソフト) — 旧・「マイクロソフトポイントカード」。現地通貨移行に伴い、Xbox ギフトカードに名称変更。Xbox LiveおよびWindowsストアで販売されている有料ソフト購入時の決済に使われる。ただし、Windowsストアで対応しているのはWindows 8.1、およびWindows RT 8.1以降のWindowsが搭載(インストール)されたパソコン及びタブレットが対象。Xbox LiveではXbox 360に限定される。
- モバイラーズチェックカード — NTTドコモ。2012年3月31日に販売終了。
- ユーカード — 出光のガソリンスタンドや日本マクドナルドなどで使えた。2003年3月で廃止。
- ワールドプリペイドカード — NTTコミュニケーションズ。主に国際電話用。
- 図書カード — 磁気カードのものからQRコードのものへ変遷している。
- 出光キャッシュプリカ — 出光クレジット
- マックカード — 日本マクドナルド全店舗にて利用可能なカード[14]。
- 東方インターナショナル — リチャージ式国際電話カード。
- 楽天ポイントギフトカード — 楽天で利用できる楽天スーパーポイントのカード。
- 知カード — 廃止されている。
- 西友ショッピングカード — 西友
上記の他、交通系のカードが多数存在する。
国際ブランドタイプのプリペイドカード編集
VISA・MasterCardなど、国際ブランドが付与されていて、クレジットカードと同じように使用できるプリペイドカードをブランドプリペイドカード(ブランドプリカ)と呼ぶことがある。
これらのカードは実店舗で利用できるようにカードを発行するタイプと、ネットショップでの利用を前提としてカードそのものは発行せずにカード番号の発行のみを行うバーチャルタイプのカードが存在する。
カードによっては店頭に置いてあるカードに署名をすればすぐに入金して利用できるタイプのものもあり、これらのカードには表面の契約者名の部分に『CARD HOLDER』や『CARD MEMBER』など、個人名が記載されていない事がある。
残高以上の決済がされないように利用の都度信用照会による確認が必要なため、クレジットカードとは異なり信用照会端末やインターネット以外での決済には対応していないことが多く、インプリンタによる決済ができないようにカード番号などのエンボス加工がされていないものがほとんどである。
支払いしようとした金額がカード残高を超えた場合、信用照会が通らないため利用することが出来ず、カード決済の性格上、他の決済手段と併用して支払うことも出来ない(不足分を現金で決済することが可能な店舗もごく稀に存在する)。その他、定期的に支払いを行う処理(公共料金の月額利用料の支払い)や、決済金額がその場で確定しない処理(セルフ式ガソリンスタンドにおける給油料金の支払い)には利用できない。
1度入金した残高は現金での払い戻しに対応していないものがほとんどだが、手数料を支払うことにより残高を現金で引き出すことが可能なものもある。
2016年以降、国外での決済やATM引出に対応するカードの場合は、個人番号を届け出ないと発行できない場合がある(あるいは、発行可能であっても国内利用のみに制限される場合もある)。
局所的に使用されるプリペイドカード編集
脚注編集
- ^ a b 立命館大学人文科学研究所『立命館大学人文科学研究所研究叢書 9 消費者法の比較法的研究』、1997年、134頁。
- ^ a b c d e f 立命館大学人文科学研究所『立命館大学人文科学研究所研究叢書 9 消費者法の比較法的研究』、1997年、131頁。
- ^ “身近な活動(使用済みプリペイドカード)”. 青森県社会福祉協議会. 2009年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月29日閲覧。
- ^ (障害については対応が分かれる場合もある)
- ^ 立命館大学人文科学研究所『立命館大学人文科学研究所研究叢書 9 消費者法の比較法的研究』、1997年、133頁。
- ^ a b 立命館大学人文科学研究所『立命館大学人文科学研究所研究叢書 9 消費者法の比較法的研究』、1997年、132頁。
- ^ LINE公式サイト(LINEpay)
- ^ — prepaid.com/personal/visa_pc.html Visaトラベルプリペイドカード(トラベルバンク)
- ^ Visa#ソフトバンクカード
- ^ パルコプリカ - パルコのプリペイドカード
- ^ おさいふPonta
- ^ 2018年をもってファミリーマートに統合されたため、統合以降はファミリーマート店頭で利用することになる。
- ^ サークルK・サンクス店舗のファミリーマート店舗へのブランド転換に伴うカード利用について 株式会社クオカード
- ^ ただし、本カードは使い切りタイプで券面以下の決済で使用された場合は現金で釣り銭が支払われるので商品券としての性格が強い。