ヒョウタンカズラ Coptosapelta diffusa は、アカネ科の蔓植物。果実が小さいながらもひょうたんに似た形をしている。

ヒョウタンカズラ
Coptosapelta diffusa
ヒョウタンカズラ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : 真正キク類I euasterids I
: リンドウ目 Gentianales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : キナノキ亜科 Cinchonoideae
: ヒョウタンカズラ属 Coptosapelta
: ヒョウタンカズラ C. diffusa
学名
Coptosapelta diffusa (Champ. ex Benth.) Steenis
和名
ヒョウタンカズラ

特徴 編集

常緑性の半蔓性低木[1]。茎は細く、枝分かれして広がり、長さ2-5mになる。茎の断面は円形、若い枝には淡褐色の粗い毛が生える。葉は対生で、披針状長楕円形から楕円状披針形で長さ4-7cm、幅1-2.5cmで、先端は伸びて尖り、基部が丸みを持ち、縁は滑らかだが毛が生えている。葉質は革質で、表面には長い毛が伏せるように生えているが、後に主脈状以外は無毛になる。裏面も葉脈上に毛がある。側脈は4-5対あり、裏側からは見やすい。葉柄は長さ3-5mmで毛がある。托葉は三角形で長さ1.5mm。

花期は5-6月[2]。花は葉腋に1つずつ生じる。花柄は長さ5-9mm、細くて毛がある。萼は鐘形で長さ2mm、有毛、先端は長さ0.7mm程の歯5つに分かれる。花冠は白く、基部は筒状で長さ1.2-1.5cmで幅1.2mmで外面は有毛。その先端は5つに分かれて開き、径7mmほど。雄蕊は筒部の内側にあって葯は線形で長さ4mm。果実は歪んだ球形で径5-7mmで、中央に2個の縦溝があり、そのために果実の形はヒョウタン形になる。種子は平盤状で径1mm。

果実の形がヒョウタンに似ていることからこの名がある[3]

分布と生育環境 編集

奄美大島以南の琉球列島に見られる他、台湾中国大陸からも知られる[2]。マツ林や山林の林縁に見られる[4]

分類 編集

ヒョウタンカズラ属には東アジアから東南アジアにかけて13種があり、日本からは本種のみが知られる。

出典 編集

  1. ^ 記載は主として初島(1975)p.575
  2. ^ a b 佐竹他(1989),p.191
  3. ^ 福岡(1997)p.10
  4. ^ 池原(1979),p.191

参考文献 編集

  • 初島住彦 『琉球植物誌』追加・訂正版、(1975)、 沖縄生物教育研究会
  • 佐竹義輔・他(編著) 『日本の野生植物 木本II』新装版、(1999)、平凡社
  • 福岡誠行、「キナノキ」:『朝日百科 植物の世界 2』、(1997)、朝日新聞社:p.10-11
  • 池原直樹、『沖縄植物野外活用図鑑 第6巻 山地の植物』、(1979)、新星図書