アカネ科 (学名:Rubiaceae) はリンドウ目に属する被子植物の一つ。アカネなどを含む。クロンキスト体系ではアカネ目に分類されていた。

アカネ科
アカネ
アカネRubia argyi
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
階級なし : asterids I
: リンドウ目 Gentiales
: アカネ科 Rubiaceae
学名
Rubiaceae
Juss. (1789)
下位分類(属)
  • 本文参照

形態編集

草本または低木で、熱帯に特に多いが温帯にも草本がある。約60010,000以上を含む大きな分類群である。は単葉で対生か(見かけ上)輪生[1]托葉があり[1]アカネ属ヤエムグラ属では葉と同じ形になるため輪生に見える。ギョクシンカ属Tarenna)のように葉にバクテリアが共生し、窒素固定を行うものも見られる[2]合弁花(ただしディアリペタラントゥス・フスケスケンス Dialypetalanthus fuscescens離弁花[3])で5裂するもののほか4裂するものも多い。ほとんどの場合子房下位であり、それと関連して早くから合弁花が形成されるのがほかのリンドウ目と異なる点である[4]虫媒花で虫を誘引するさまざまな機構が見られ、美しい花冠をつけるもの、小さい花が多数集合するもの、強い芳香を出すもの、蜜を分泌する花盤が発達したものが多く[2]、基本的には両性花であるが、中にはコプロスマ属Galopina属・ヤマトグサ属のように花が縮小し同科としては異例の風媒花を発達させた属も存在する[5]。また、開花前に受粉を終える自家受粉する種もまれに存在する[2]。花序は円錐花序集散花序、あるいは密な頭状花序である[1]

生態編集

人間との関係編集

食用編集

本科で世界的にもっとも有名な食用種はコーヒー豆をとるコーヒーノキ属(学名:Coffea)である。コーヒー豆はコーヒーノキ属の種子である。コーヒーノキの果実から果肉を落として種子を取り出し、焙煎のち粉砕し湯や水で抽出したものがコーヒーとして飲まれている。コーヒーノキ属には数十~120種程度が知られるが、商業的に利用されているのはわずか3種であり、それぞれアラビカコーヒーノキCoffea arabica)、ロブスタコーヒーノキC. canephora)、リベリカコーヒーノキC. liberica)と呼ばれる。コーヒーは樹の種類や産地、焙煎時間や程度、抽出温度や方法など様々な条件によって味が変化し、楽しみ方も含めて世界各地で様々なコーヒー文化がある。

所属する種の多さのわりにコーヒーを除いて広く食用とされるものは少ない。日本で見かけるのは健康食品などとしてヤエヤマアオキMorinda citrifolia、ノニという呼び名が有名)の果実くらいである。アフリカに分布するVangueria属(和名未定)などは救荒食物として利用されることもあるという。

薬用編集

木材編集

分類編集

キナノキ亜科 subfamily Cinchonoideae編集

次の10連、約100属1700種を含む

tribe Chiococceae編集

和名未定の連。27属230種程度が知られる。

和名未定の属。フィリピンからパプアニューギニアにかけて3種が知られる。
フィリピンからミクロネシアに10種が知られる。幹の火付きがよく蠟燭や松明として使われるという。
  • Catesbaea L. (17 sp)
アメリカ南部やカリブ海諸国に17種程度が知られる。茎に鋭いとげを持つ灌木。

tribe Cinchoneae編集

tribe Guettardeae編集

14属750種程度を含む

tribe Hamelieae編集

6属170種程度を含む

tribe Hymenodictyeae編集

2属25種程度を含む

tribe Hillieae編集

3属30種程度を含む

tribe Isertieae編集

2属15種程度を含む

タニワタリノキ連 tribe Naucleeae編集

24属180種程度を含む


tribe Rondeletieae編集

8属180種程度を含む

tribe Strumpfieae編集

次の1属だけを含む単型の連である。

  • Strumpfia
アメリカ合衆国南部からベネズエラにかけて分布するStrumpfia maritima1種だfけからなる単型の属である。

subfamily Ixoroideae編集

27連4000種を含む

tribe Airospermeae編集

tribe Alberteae編集

tribe Aleisanthieae編集

tribe Augusteae編集

tribe Bertiereae編集

tribe Coffeeae編集

tribe Condamineeae編集

tribe Cordiereae編集

tribe Cremasporeae編集

tribe Crossopterygeae編集

tribe Gardenieae編集

tribe Greeneeae編集

tribe Henriquezieae編集

tribe Ixoreae編集

tribe Jackieae編集

tribe Mussaendeae編集

tribe Octotropideae編集

tribe Pavetteae編集

tribe Posoquerieae編集

tribe Retiniphylleae編集

tribe Sabiceeae編集

tribe Scyphiphoreae編集

tribe Sherbournieae編集

tribe Sipaneeae編集

tribeSteenisieae編集

tribe Trailliaedoxeae編集

tribe Vanguerieae編集

アカネ亜科 subfamily Rubioideae編集

27連7600種を含む

tribe Anthospermeae編集

tribe A編集

tribe Clarkelleae編集

tribe Colletoecemateae編集

tribe Coussareeae編集

tribe Craterispermeae編集

tribe Cyanoneuroneae編集

tribe Danaideae編集

tribe Dunnieae編集

tribe Gaertnereae編集

tribe Knoxieae編集

tribe Lasiantheae編集

tribe Mitchelleae編集

tribe Morindeae編集

tribe Ophiorrhizeae編集

tribe Paederieae編集

tribe Palicoureeae編集

tribe Perameae編集

tribe Prismatomerideae編集

tribe Psychotrieae編集

tribe Putorieae編集

アカネ連 tribe Rubieae編集

15属200種程度を含む

  • Asperula
  • Callipeltis
  • Crucianella (31 sp)
  • Cruciata (8 sp)
  • Didymaea Hook.f. (8 sp)
  • Galiasperula Ronniger (1 sp)
  • Galium L. (631 sp)
  • Kelloggia Torr. ex Benth. & Hook.f. (2 sp)
  • Mericarpaea Boiss. (1 sp)
  • Microphysa Schrenk (1 sp)
  • Phuopsis Steven (1 sp)
  • Pseudogalium L.E Yang, Z.L.Nie & H.Sun (1 sp)
  • アカネ属 Rubia L. (83 sp)
  • Sherardia L. (1 sp)
  • Valantia L. (7 sp)

tribe Schizocoleeae編集

tribe Schradereae編集

tribe Spermacoceae編集

tribe Theligoneae編集

Urophylleae編集

主な種編集

 
コケサンゴ(アカネ亜科、Anthospermeae)
 
コプロスマ・カーキー 'ヴァリエガータ'(アカネ亜科、Anthospermeae)
 
クルマバソウ(アカネ亜科アカネ連
 
バーチェリア・ブバリナ(キナノキ亜科クチナシ連?)

代表的な種には次のようなものがある。

主な分類群編集

 
コプロスマ・レペンスの雌花(アカネ亜科、Anthospermeae)
 
プトリア・カラブリカ(アカネ亜科、Putorieae)
 
ヤマトグサ(アカネ亜科、Theligoneae)
 
ホソバアカクダタマ(アカネ亜科、Palicoureeae)
 
マリアナクチナシモドキ(キナノキ亜科、Chiococceae)
 
ハメリア・パテンス(キナノキ亜科、Hamelieae)
 
ベニマツリ(キナノキ亜科、Rondeletieae)
 
カダム(キナノキ亜科タニワタリノキ連
 
キナモドキ(キナノキ亜科、Hymenodictyeae)
 
Calycophyllum candidissimum(通称: レモンウッド; キナノキ亜科、Dialypetalantheae)
 
マグイレオタムヌス・スペキオスス(キナノキ亜科Sipaneeae)
 
アカキナノキ(キナノキ亜科キナノキ連
 
スルマル(キナノキ亜科、Jackieae)
 
コバミサオノキ(キナノキ亜科、Vanguerieae)
 
ミズバヒルギ(キナノキ亜科、Scyphiphoreae)
 
ベニデマリ(キナノキ亜科サンタンカ連
 
アルベルタ・マグナ(キナノキ亜科、Alberteae)
 
アカミズキ(キナノキ亜科、Augusteae)
 
ハリザクロ(キナノキ亜科クチナシ連
 
アラビカコーヒーノキ(キナノキ亜科、Coffeeae)
 
カフェマロン(キナノキ亜科、Octotropideae)
 
コブハテマリ(キナノキ亜科、Pavetteae)
 
Oxyanthus sp.(O. speciosusO. tubiflorus; キナノキ亜科、Sherbournieae)

新エングラー体系で独立の科とされていたヘンリクェジア科Henriqueziaceae)はクロンキスト体系以降でアカネ科とされている。またAPG植物分類体系ではディアリペタラントゥス科Dialypetalanthaceae)とヤマトグサ科もアカネ科に含められている。以下に主な亜科・属を示す。分類は Stevens (2001-)、シノニムに関しては Govaerts (2019) による。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ a b c Stevens (2001-) はこの属をフタバムグラ属Hedyotis)のシノニム扱いとしている。
  2. ^ 山崎 (1981) や近田 (2003) ではオオフタバムグラDiodia teres としてここに置かれており「オオフタバムグラ属」の和名が与えられていた。しかし Govaerts (2019) は Hexasepalum teres を正名としている。
  3. ^ Stevens (2001-) はこの属をOldenlandia属のシノニム扱いとしている。
  4. ^ 邑田・米倉 (2012) ではソナレムグラHedyotis strigulosa var. coreana とされており、この属には「ソナレムグラ属」という和名があてられていた。
  5. ^ 邑田・米倉 (2012:256) はこれに「フタバムグラ属」の和名をあてている。
  6. ^ 山崎 (1981) ではツルアリドオシ属Mitchella)がここに置かれており、「ツルアリドオシ連」の和名が与えられていたが、Stevens (2001-) はツルアリドオシ属を Mitchelleae という連に置いている。
  7. ^ 山崎 (1981) ではクルマバソウAsperula odorata としてここに置かれており、「クルマバソウ属」の和名が与えられていた。しかし Govaerts (2019) はガリウム・オドラツムGalium odoratum)を正名としている。
  8. ^ 牧野 (1940:109) はこれを「やへむぐら」の学名としているが、Govaerts (2019) は Galium aparineG. spurium の間にシノニムの関係性を認めていない。
  9. ^ a b Stevens (2001-) はボチョウジ属Psychotria)のシノニム扱いとしている。
  10. ^ この和名の初出は金平 (1933:368) の「おほつるはながさ」である。
  11. ^ この和名の初出は金平 (1933:359) の「くろばかづら」である。
  12. ^ 金平 (1933:353) では「ぎよくしんくわもどき」と表記されている。
  13. ^ 金平 (1933:355) では「まりやなくちなしもどき」と表記されている。
  14. ^ 山崎 (1989) ではアカミズキ属Wendlandia)がここに置かれており「アカミズキ連」の和名が与えられているが、Stevens (2001-) はアカミズキ属を Augusteae という連に置いている。
  15. ^ 熱帯植物研究会 (1996:418) では日本語名として「ガヨボ」が与えられ、パナマコロンビアでの呼称が Guayobo とされている。しかし Grandtner (2005:143) ではパナマとコロンビア(およびコスタリカベネズエラ)でのスペイン語名は guayabo とされており、これをカナ転写するとグアジャボあるいはグアヤボとなる。
  16. ^ この和名の初出は金平 (1933:369) の「もるつかこんろんくわ」である。
  17. ^ この和名の初出は金平 (1933:357) の「こばみさをのき」である。
  18. ^ この和名の初出は金平 (1933:378) の「みづばひるぎ」である。
  19. ^ この和名の初出は金平 (1933:360) の「なんやうさんたんくわ」である。
  20. ^ 山崎 (1989) では Randia cochinchinensis とそのシノニム Aidia cochinchinensis として紹介されているが、米倉・梶田 (2013-) はこれらとは関係のない Aidia henryi であるとしている。
  21. ^ かつてはヒジハリノキBenkara sinensis)が Oxyceros sinensis と分類されていたこともあり、山崎 (1989:196) では「ヒジハリノキ属」という和名が与えられている。
  22. ^ 山崎 (1989) ではシロミミズTricalysia dubia としてここに置かれており、「シロミミズ属」の和名が与えられていた。しかし Govaerts (2019) は Diplospora dubia を正名としている。
  23. ^ この和名の初出は 金平 (1933:380f) の「なんやうぎよくしんくわ」である。
  24. ^ この和名の初出は 金平 (1933:379) の「まりやなぎよくしんくわ」である。

出典編集

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参考文献編集

英語・日本語:

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日本語:

フランス語:

関連文献編集

英語:

関連項目編集